• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2018年10月24日

御巣鷹山

御巣鷹山  この記事は、ここに載せるべきかと、何度も逡巡しました。
 でも、一つの自分への区切りのために一生懸命正直に書き、たとえお一人でも同感して下さる方がいらっしゃればと思い、決意しました。


 毎週、群馬県上野村を通ります。
 躊躇というよりも、自分のような者が訪れる資格はないと思い、どうしても足を向けることが叶いませんでした。

 去年の夏、そして今年の夏。
 元日航キャビンアテンダントの方、お世話になった先輩を亡くされた方が、2冊の本を出版されました。この事故は「事件」との仮定・結論・証明をされていらっしゃいます。

 上野村の小学生・中学生の目撃談を収めた学校の文集とその内容、遺体と残骸の化学的調査結果をこれらの著作で知り、震撼しました。

 事実は今もって闇の中。今のボクに出来ることは、御巣鷹の尾根を訪れることだけと思い決心、行って参りました。



 旧登山口の観音様。
 今はもう少し上まで車で行けます。



 当時の村長さんの言葉。
 特攻隊の生き残りとのことです。



 参道入り口。
 杖と傘を借りることが出来ます。
 ボクは杖1つ。



 …。



 
 …。



 ボクも、そう思いました。
 尾根を挟んだ両側、急峻な二つの谷間を上り下りすると、58歳の運動不足の体は悲鳴を上げました。でも、せせらぎの音以外に何も聞こえぬ此処に立ち、同じ思いに頷きました。



 左は昇魂之碑、右はスゲノ沢。
 スゲノ沢はブツ切りになった最後尾が、新しい植林の上を滑り到達したところ。
 損壊の少ない「完全遺体」が多く発見され、4人の生存者が確認されたところです。



 スゲノ沢。
 沢山の風車。
 奥左は遺品と遺影が展示されています。
 道沿いの左側には墓碑が並んでいます。
 …どうしても、お名前が刻まれているそれらを、正面から撮れませんでした。



 登り切ると「昇魂之碑」。

 一礼をして階段を上り、手を合わせました。


   

   足首つかんで、膝のなかに頭を入れる!
   全身緊張! 頭を下げて衝撃に備える!
   頭を下げて、頭を下げて、全身緊張!

   それぞれの客室乗務員が発する大声が、機内に響き渡る。
   この時は通常では考えられないほどの大きな声を出して命令口調で叫ぶ。
   お願いする口調ではない。
   笑顔もない。
   サービス要員としての言葉が消えた瞬間であった。

   十八時五十六分二十六秒 墜落音 二十八秒 録音終了


   (元日航乗務員 青山透子 「日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る」より)

 
 


 手を合わせていると、とめどなく涙が溢れ始めました。
 横隔膜が痙攣し、低い嗚咽が漏れました。

 

 それが真実ならば、
 今後も隠蔽され続けるのなら…


 自問自答しながら、下山しました。


 

 でも、

 後悔はありませんでした。
 
 たまたま123便に乗っただけで人生を突然断たれた520人の方々が、この尾根で永遠の眠りにつかれていらっしゃいます。

 翻って、自分の58年間の生き方と、残された短い今後をどう生きるべきなのかを考えさせられました。

 
 下山途中に雨が降り出し、降りたらビショ濡れでした。

 駐車場の車のナンバー。
 大阪、神戸、鳥取、広島…。


 今もなお、123便は着陸していないと思いました。




 
 
    





 
ブログ一覧 | お出掛け | 日記
Posted at 2018/10/24 19:42:13

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

ご無沙汰してます!
Patio.さん

今日の昼メシ🍞
伯父貴さん

アンサー
タメンチャンさん

中橋の人道橋を渡りました♪
ツゥさん

田植え 代かき作業
urutora368さん

SMP北関東TRG
なすセブンさん

この記事へのコメント

2018年10月30日 23:12
こんばんは。

> 今もなお、123便は着陸していないと思いました。
文章を読み、私もそう感じます。

各地のナンバーをつけた車は遺族の方では・・・と。
30年経っても未だに墜落事故は続いているのですね・・・。

遊び半分では行ってはいけない。
ただ何かを感じ、何かを掴む為には行くべき場所のような気がします。
コメントへの返答
2018年11月1日 15:55
5年前に親父が逝き、所謂「お墓の団地」を手配し納骨しました。広い丘陵。夥しい数の墓石が、都市計画に準拠したかのように整然と隈なく並んでいます。訪れる度に思うのですが、故人の匂いや息遣い、声といった生前の面影が殆ど感じられず、まるで遺骨をハイターに浸して埋葬したようで、ちょっと複雑な感情が湧き上がります。

対称的に御巣鷹は尾根全体がそのまま、520人もの方々の墓場。幽玄な森林に清流が流れる尾根のあちこちに、木製や石製の墓碑が並ぶ光景は、其処が凄惨を極めた事故現場であったことを心の底から思い知らされます。きっとご遺族の方々は、訪れる度に大切な方の面影に触れることが出来るのだと思います。

お盆の東京発大阪行きだったことから、ご遺族には関西方面の方が多いようです。私が訪れたのは8月12日ではなく10月20日の土曜日。本文で書いた関西方面のナンバーは、月参りの方々でしょう。間も無く雪に閉ざされますから、今年最後のつもりで遠方からいらっしゃっていたのではと想像しております。

基本的に、御巣鷹は眠られている520人の方々とご遺族のための場所と、私も思います。神聖な尾根ですが、慰霊を望まれる方は、一度訪れてみるといいと思います。私も「資格がない」と思っていましたが、後悔はありませんでした。訪れて初めて、視覚と体であの事故の本質に触れることが出来ました。テレビなどの映像とは異なり、これが現実なのだと思い知らされました。

プロフィール

「お知らせ http://cvw.jp/b/2970161/46422054/
何シテル?   09/28 15:34
 妻はアルコール依存と摂食障害を患い、主治医の勧めで調停離婚しました。その1年後、彼女は突然世を去りました。一年に2回の母親との別れを経験した一人息子と、ドライ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

愛車一覧

マツダ ユーノスロードスター マツダ ユーノスロードスター
現在12万キロ、まだまだ現役です!
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation