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2019年11月01日

エンジン開発に関して~エンジンはどのように開発されるのか~その③

エンジン開発に関して~エンジンはどのように開発されるのか~その③

11月に入り、朝晩はすっかり寒くなり、そろそろ石油ファンヒーターを出そうかと考えている今日この頃です。


この季節になると、空気密度の変化で明確にエンジンパワーが上がり、車に乗るのが楽しみになります。


ちなみに、タイトル画像のエンジンはBMWのM5に搭載されていたV10エンジンです。


これは、エンジン技術者の中では憧れのエンジンだと思います。


実際、彼我比較として、他社製エンジンをバラして検証する機会もありましたが、やはりBMW製エンジンには見どころが多かったです。


「コストをかければできるんだけどな」が言い訳でした。。。



さて、前回、前々回と、エンジン開発に関してのプロセスと、そのプロセスそれぞれについて少し掘り下げて説明しましたが、今回はその説明の中に出てきた「テスト」の内容についてサラっとですが説明したいと思います。


前回、エンジン開発におけるテストは大きく3つに分かれていると記載しましたが、その3つとは・・・

「性能テスト」
「機能テスト」
「耐久テスト」

となります。


この3つのテストを多人数で計画を立てながら効率が良い方法で進めていきます。


ここで、各テストについて簡単に説明します。


まず、「性能テスト」は、エンジンが生み出す最高出力や最大トルクといった目標性能を達成する為の諸元検討をするテストで、エンジンテストと聞いて多くの方が想い浮かべるものではないでしょうか。


alt

※ベンチ室内でエンジンをダイナモモータに繋いで性能測定します


エンジンベンチと呼ばれる設備で、エンジン単体に吸排気系と補器類を付けた状態で実際にエンジンに火を入れてダイナモモーターを回して性能測定をし、目標性能を達成する為の圧縮比やバルブタイミング、点火時期、または吸気、排気系といったエンジンの性能に関係する各部諸元を検討していくテストです。


各回転数で性能測定を行い、良く見るエンジン性能曲線を作っていく作業です。


続いて、「機能テスト」は、オイルによる潤滑性能や冷却水による冷却性能、点火時期、バルブスプリングのバウンス限界といった、エンジンを成り立たせる為の機能性能を目標とする性能までもっていく為のテストです。


例えば、オイル関連であれば、オイルポンプの性能検討であったり、エンジン内部のオイル経路太さや長さ等を検討して、目標とする潤滑性能を確保する為の諸元検討をします。


冷却性能であれば、ラジエターやウォーターポンプの性能検討を行い、長時間の高負荷運転でも目標とする冷却水温度に保てるか、目標とする時間までに冷却水温度を上げることが出来るか等のテストを行います。


ノッキングテストも重要な機能テストの一つで、点火時期をどこまで進めるとij異常燃焼であるノッキングが発生するのかというポイントを探るテストで、点火時期を策定する際のデータとして使います。


このノッキングテストは機能テストで一番最初に行うテストで、このテスト結果が無いと点火時期を定めることが出来ず、その他のテストを進めることができません。


alt

※こんな感じでエンジンを目の前にして目的にあった測定機器を繋いでテストを進めます。


最後、「耐久テスト」は、字のごとく、目標とする耐久性を確保する為に行うテストです。


これは、お客様が10年、10万キロあらゆる条件で使用しても壊れないには、どのような負荷でどれだけの時間耐久テストで持てばよいという根拠があり、その根拠に則った様々な耐久テストを行い、壊れないエンジンを作っていきます。


ちなみに、試作の砂型エンジンによるテストでは、この耐久テストで良くエンジンを壊します(笑)


そして、エンジンが壊れては、エンジンを分解してその壊れた原因を探り、壊れない様にする為にどの部品をどのように変えるのか、といったテストを重ねて、目標とする耐久性を確保できるまで、何度も耐久テストを行います。


以上に記載しましたのは各テストのほんの一部であり、実際は「性能テスト」、「機能テスト」、「耐久テスト」の数は膨大且つそれぞれが綿密に関係している為、非常に時間をかけてエンジンの開発を進めていきます。


新規のエンジンの開発に要する期間は、エンジン形式や開発内容により変わりますが、大体1~2年かかります。


今回はエンジン開発に特化してお話をしましたが、実際には、排気系に関して言えば性能観点以外に、騒音規制に対応させる部門がテストをした結果をエンジンテストに反映させないといけなかったり、魅力的なサウンドの為には性能が下がる諸元が必要となり再度テストを繰り返したり。


吸気系に関しても同様です。


とエンジン開発は様々な部門との調整も必要となってくる非常に大変な開発の一つです。


しかし、同時に非常にやりがいのある開発であったことも確かです。



以上、3回に分けてエンジン開発に関して掻い摘んで書いてきました。


3回分を読んで頂くと、エンジン開発の本当に概要レベルでありますが、ご理解頂けたかと思います。


話は少し変わりますが、私はこのエンジン開発のプロジェクトリーダーとして全てのテストを統括して見ていたこともあり、エンジンに関してはおおよそのことはわかりますし、当然やってはいけないこと、エンジンにとって良くないことなど、色々知っています。


だからこそ、自動車のアフターパーツ業界やカー用品店の謳い文句に大きな疑問を感じることが多々あります。


もちろん、その業界はその方法でお金儲けをしないと生き残っていけないので仕方無いのですが。。。



話は少しそれましたが、私はエンジンという機械が大好きです。


今でも、自動車、バイクの中心はエンジンだと考えている古い人間です。


この素晴らしいエンジンが近い将来無くなると思うと寂しいですね。


次回は、短時間ですがアウディーのQ8に試乗しましたので、そのインプレッションを書こうと思います。


では。

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Posted at 2019/11/01 15:10:32

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この記事へのコメント

2019年11月1日 20:33
ナショジオで、ベントレーが完成したエンジンをランダムに取り出し耐久テストをしている風景が出ていましたが、24時間?レッドゾーンで回し続けるといった内容だったと思います。
すごいな~と思って見ていましたが、エンジンを完成させる前の試験の話はこれまた大変だな~と感じました!
コメントへの返答
2019年11月3日 8:55
himajin14さん
コメントありがとうございます。
ベントレーは完成後にも確認テストをするのですね❗️はじめて知りました。
そうやって、ベントレークオリティーが保たれているのですね。
ちなみにレッドゾーンで約24時間というのには意味があります。私が勤めていた会社でもレッドゾーン回転数によりますが約24時間全開でレッドゾーン入口回転数で耐久テストを行なっていました。それは疲労限界というものがあり、その回数以上ではもう破壊に至らないという指標になります。その回数に至るのが約24時間なんです。

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