うちにS660がきて1年経ちました。
その感想を書きます。
普通に読むと、ただの悪口になると思いますが、結局のところ『
だがそれがいい』な車です。
まず燃費から言いますと、平均燃費は20.96km/Lで、最高は23.20km/L、最低は19.24km/Lとなりました(総走行距離8640km)。
アイドリングストップのない普通のガソリンエンジン車にしてはそこそこなのかな。
少なくとも、今まで乗ってきた車では最高の燃費になりました。
ただし、明らかに燃費を意識したアクセルワークで、通勤に使わないレジャー用途での燃費になりますので、普段遣いで乗ると20km/Lは無理です。
軽の2シーター、オープンのターボで燃費を極めようという人以外は参考になさらないでください。
S660は、ご存知のようにMR(ミッドシップ・リアドライブ)な車です。
FRの車は乗ったことがあったのですが、こういうのは初めてでした。
そんなにブンブン走らない人間が初めてMRに乗った感想は、「前が軽いな」でした。
車線変更などでハンドルを切ると、頭が「くっ」と曲がって後部の重いものが後から付いていく感がアリアリです。
面白いとも言えますし、限界超えたときの挙動が怖くも思えます。
とはいえ、普段のドライブで怖いと思うことはありませんし、意識してハンドルを切らない限り特にFFと違うと感じるほどの差があるわけでもないです。
1年でオイルを3回換えました。
1回目は、0W-20に交換したくて納車から1ヶ月。
あとは3000kmくらいで何となく。無意味にミッションオイルも2回交換。
タイヤ脱着とオイル交換は自分でやるので、メンテナンス性について書きます。
セリカ(ZZT231)に比べて、オイルとエレメントの交換はやりやすいと思います。
下に潜ると、1枚のアンダーカバーがあるだけで、3か所ほどプラスチックのネジを外すと作業ができます。
セリカの場合はプラスチックリベットを6か所くらい外さないと作業できませんでした。
ミッションオイルの交換をするときは、さらに数か所のリベットを外すので面倒です。
S660はミッションオイルの交換に何のカバーも外す必要がないのですが、タイヤを外さないといけないという欠点もあります。
冬タイヤや夏タイヤに交換するときに一緒にするといいかもしれません。
あと、ジャッキアップのポイントが車体の外側近くに配置されているので、事前の作業が楽です。
ただ、リア駆動のS660の前輪に車輪止め(タイヤストッパー)をせず後輪から持ち上げて作業しようとすると、ゆるい傾斜で車(とジャッキ)が動き出すこともありうるので危険です。
完全な平地でやるか、タイヤストッパーを使うか、サイドブレーキをした上で「前から上げて、前から下ろす」を徹底するか…とにかくジャッキアップには気をつけましょう。
運転中の感想を言えば、まず「うるさい」が挙げられます。
屋根が布な上、200万もする軽自動車のくせに、いかにも軽自動車らしく防音対策が疎かにされてますので上からも下からも、後ろからもノイズが入ってきます。
走行中にニュートラルにしてエンジンの回転を下げてもうるさく、舗装直後のスベスベな道だと静かになるので、大部分はタイヤからのロードノイズと思われます。(タイヤは純正)
平均の騒音は80デシベルくらいになります。
これは電車の中くらいの音らしいですが、体感的には電車の座席より連結部分の騒音くらいに感じます。
いずれデッドニングでなんとかしようとは思ってます。
視認性は、前方は良く見えます。小さいですから。
ですが、後方視界は悪く、左後方に至っては全く見えません。
現状、バックミラーを左に曲げて、ミラー中央から右に真後ろ、ミラー中央から左に左後方を映してますが焼け石に水です。
これはほぼどうしようもないことですが、車高が低く後部座席もないので、後ろを走行する車との距離が短くなりがちです。
信号待ちのとき、後ろの車と運転席との距離が短くなるわけです。
加えて、低い車高ですので、後ろの車が車高の高いSUVなときはヘッドライトが非常に眩しいという欠点もあります。
結論としては、他人にはオススメできない車です。
他人から褒められたり羨ましがられる車でもないです。
露骨に、ハッキリと「こんな車買ったん?」と聞かれることもあります。
カタログ見てカッコいいと思って、実車見て欲しいと思った人が他人の目を意識せずに乗る車です。
必ず1度は実車を見てから購入を決めてください。
ひと目で欠点もわかるくらい変な車です。自分はちゃんと確認しました。
それでも欲しくて買いました。じゃないと維持できないと思います。
「俺はカッコいいと思うのに、なぜ人はわかってくれないんだ!!」
とか考えそうな人は、他の車にしときましょう。幸せにはなれないですから。
この車の魅力は、通じる人にしか通じません。それでいて共感もしにくいと思います。
なぜなら、共通する「ここがいい」というポイントがないからです。
各自、好きなところを好きで居続けるための車です。
書いてると長くなったので、居住性については後日書きます。