いよいよ3ヵ月間のぜつぼうシーズンの最終話です。最後だからって、気合い入れてぜつぼうのズンドコ目指してたら、全く救いのない話になりましたので、3度目の書き直しです(笑)
ZEV(ゼロエミッションビークル)とか、空飛ぶクルマとか、の行政トレンドに興味があります。
ZEV・・・見直しですよね。世界的に。
一方、「高齢者は免許返納しよう」という風俗トレンド。これは見直されない。なぜ?
昨年末まとまった会議があって
「みらいの空飛ぶクルマ」
がどんな展望なのかを勉強しに行きました。
けっこう激しい質疑応答がありました。
国産初の旅客機MRJプロジェクトが国費を何兆円もぶっこんで失敗してますから、そのメンバーが中心で参加してる空飛ぶクルマプロジェクトの説明会です。
・型式認定の手続き進捗はどうなっている?
・飛行する空路の区分けの法的整備の進捗は?
・商用ベースでの採算性は?
とか。
航空宇宙産業が盛んな地域ですので、この辺りにはシビアです。
プレゼンのダイジェスト版は
ココ
プレゼンの論旨は
空を大衆化したら、既存の人流/物流を破壊的に変化できる!
不思議なのは、自家用車のない世界線での話なんですよ。空飛ぶクルマ社会の前段階には「免許不要・マイカー不要」の交通インフラを整えているってことでしょうか。
その未来は田舎人にとってぜつぼうだ、という話を先週しました。
今日は都心人にとってはもっとぜつぼうだ、という話をして、ぜつぼうのズンドコまで張り切って参りましょう!
23区内に住む大衆にとって、空飛ぶクルマの効果ってすさまじいです。
タクシー初乗り料金プラスαで目的地までいくでしょう。これなら空飛ぶクルマですよね。ギュウギュウ詰めの電車は嫌です。空は渋滞もないしね。
都心に新しいビジネスを生む効果もすさまじい
大衆が移動する価値を配給するビジネスってことですよね。
ルール作りから運用まで、大衆の求める価値を創造してください。対価は固定費で支払います。なんなら税金に組み込んで下さいよ。
___んでまあ、私も思っていたんですよ。トーマツさん。
これは、叶いそうにない未来の夢をプレゼンしてるなって。
こどものいる家庭はこれからもファミリーカーを持ち、郊外のショッピングセンターに出かけ、サッカーの送り迎えも自家用車。そんな未来は変わらないって。
現在、そういう日々の移動を全部タクシーで賄っている「大衆」なんていませんよ。「空の大衆化」なんて夢のまた夢ですよ!
と・こ・ろ・が・・・・
いいや、そうでもありません。という東京都のレポート。
コレ
(
掘ると胸くそわるいので、カットしますけど)まず、大衆を住んでる場所で層(エリア)に分けます。
〔区 部〕
センター・コア・エリア -- 千代田・中央・港・新宿・文京・台東・墨田・江東・渋谷・豊島・荒川区
区部東部・北部エリア ---- 北・板橋・足立・葛飾・江戸川区
区部西部・南部エリア ---- 品川・目黒・大田・世田谷・中野・杉並・練馬区
〔市町村部〕
多摩東部エリア ---------- 武蔵野・三鷹・調布・小金井・小平・東村山・国分寺・狛江・清瀬・東久留米・西東京市
多摩中央部北エリア ------ 立川・昭島・福生・東大和・武蔵村山・羽村市、瑞穂町
多摩中央部南エリア ------ 八王子・府中・町田・日野・国立・多摩・稲城市
多摩西部・島しょエリア -- 青梅・あきる野市、日の出町、檜原村、奥多摩・大島町、
利島・新島・神津島・三宅・御蔵島村、八丈町、青ヶ島・小笠原村
いやあ、大きなお世話ですが(
詳細に見ると品性なくなるのでやめにして)、このデータでは住んでる場所で生活文化が違い、それは世代を超え固定化しそうです。
具体的には、都区に住む30-40代の子育て中のファミリーは、マイカー無しが7割にもなります。 ね、考えられないでしょ。既に、脱マイカーは都心では当たり前なんです。
だから、空飛ぶクルマは都心では成功間違いなしに思えてきます。
移動距離だけで単純化しますと、
半径10㎞圏に、生活のすべてが納まっている場合。職場にショッピング、催事場、お稽古事、幼稚園〜大学、病院、役所、みんな納まっていたら。空飛ぶクルマがいいですよ。
対して、今、マイカー移動に依存している多くの地方(都心郊外も!)ではどうなるのか。
生活は半径10㎞圏はおろか100㎞圏でないと納まっていません。縮む日本においては、生活圏は拡大しっぱなしです。空飛ぶクルマ料金がタクシーと同じであろうと、その移動コストは現実的ではなく、免許を返納したら生活範囲はかなり狭くなるでしょう。
一例として。鎌倉在住のニキが六本木オフィスに20分で出勤というプレゼンMov.
1回移動コストは時間で20分、料金でタクシーと同じなら2万円です。
(もちろん彼も大衆の1人ですよ)
今度の空飛ぶクルマですが、確かに都心の区部エリアにめっちゃ有利です。
郊外に住むひと、地方に住むひとにとっては、 「縮む日本」、「地方折りたたみ」の敗戦処理作戦のようにも見える空飛ぶクルマ。免許返納して移動半径が小さくなるなら、いっそ都心に移り住み、まだ潤沢な福利厚生の中で生活したほうが、豊かでしょう。じゃ、免許返納したら大挙して移動しましょう。都心に。
____そしたら、都心は上に下にギュウギュウ詰めですよね。
空飛ぶクルマの目指す都市計画では、ドローンポートを中心とした3次元の都市作りが計画されています。上層階住民は上層階ドローンポートで平行移動。移動先の上層階にも街が展開されてる。下層階住民は地表で移動。地表にも街がある。
質的にも物理的にも階層化した大衆の文化って、ロクでもないものになりそう。
ぜつぼうです。救いようがない。
う〜ん。しばらくは、日常の幸せに逃げておくか。
Posted at 2024/03/29 07:00:38 | |
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