さてさて、あまり評判のよろしくない論文論考の時間です。
人口密集地=都会でのクルマの未来っていろいろ出てますよね。もう、クルマじゃなくて、パーソナルモビリティと呼んじゃってください。反対語は公共交通機関。
都市生活者は公共交通機関を主に使って、目的地までのあと1.6Km(ラストワンマイル)をどう移動するか、を決めればいいやって考え方。MaaS(マース)なんて言います。
トヨタの提案
ま、トヨタは自動車メーカーからトータルモビリティカンパニーになるんでしょう
東京オリンピックにはこういうの、走るんでしょうね。
近未来、都市生活者のパーソナルモビリティがこんな感じになってしまえば、敢えて持つマイカーとは、娯楽だったり、ステータスシンボルたっだりになるのかも。
そうなっちゃえば、公共の場所である道路をマイカーで無料占有できるってのはどうなのよ、ってなるので、高額なコンジェスチョンチャージ(都心にマイカーを乗り入れるのに税金をかける)で対応ってのが世界の大都市の方針でしょうか。
都心は高級車比率高いですが、その傾向にさらに拍車がかかる、と。
夜のウオーターフロントエリアをゆっくり愛車で流すと、気持ちよかったのになあ、、。
東京のナイトドライブデート。これからは高くつくのかなあ、、。
まあ、都心は好いんです。それでも。
生活の基盤にマイカーが必須な、田舎暮らしはどうなるのか。
田舎にはMaaSありません。だって、サービスって生産と消費が同時に行われる以上、人口過疎地ではサービス発生の頻度が少なくて収益性のある移動サービスは出来ないでしょう。
かといって、高齢化が進めば、運転免許も返納ですし、どうしたらいいんですか?
公金投入MaaSですか?コンビニに行くたびにライドシェア呼びますよ。
じゃあ、都会に住んじゃいナよ。
ここで、都市生活者のなんだか不思議な生態が問題視されています。
世界中の平和な大都市では、こどもが産まれないんです。理由は解明されていません。合計特殊出生率(total fertility rate、TFR)ってのを指標にしますと、
合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。 厚生労働省web
日本では、というと、(厚生労働省WEB)
大都市、特に東京低いですよね。沖縄県がダントツ高いですけど、西日本は割合よいです。
日本での市区町村別の合計特殊出生率TFRのワーストランキングは
順位 市区町村 合計特殊出生率
1 東京都 渋谷区 0.75
2 東京都 目黒区 0.76
3 東京都 中野区 0.77
4 東京都 杉並区 0.77
5 京都府 京都市東山区 0.79
6 東京都 世田谷区 0.82
7 福岡県 福岡市中央区 0.82
8 東京都 新宿区 0.82
9 東京都 豊島区 0.83
10 東京都 文京区 0.84
こんな感じでワースト10の内、8までが東京23区内ですよ。
それでも東京の人口が減らないのは、地方の若い女性が多く流入するため。そして東京の若い女性は結婚せず、子供を産まない、って所まで判っています。
この現象を「人口のブラックホール現象」(若い女性が呼び寄せられて、人口再生産に繋がらない。(増田寛也さん))というので穏やかではないですね(笑)。
TFR1.8の子だくさん田舎で産まれた女の子が、大人になって東京で暮らすようになると、TFR0.75の東京ルールに馴染んで、そのまま未婚か、結婚してもこどもを設けない、、、という人生のロールモデルを想像している訳です。 ・・・今なら糾弾されそうなモノいいだよね。
さて、諸外国では大衆が触れる論壇であっても専門知が配慮なくオープンにされています。(和の日本と違いますよね)
フランスではTFR2.1まで回復していますが、実際には移民同士の夫婦や海外領土出身者の出生率が高いことに理由があり、両親ともにフランス国籍の白人夫婦のTFRは1.6に過ぎないことも判っています。
イギリスでは移民とその子の増加、ニューカマーが旧来コミュニティへ馴染まず、これまで通りの民族的風習を押し通す、などがEU離脱の原動力に成ったとの解析もあります。
スウェーデンは人口20%までの移民政策を置きましたが、非白人夫婦の出生した子供で占める割合が増加して、白人は減少の一途を辿っています。
そういう議論って日本ではできませんよね。対立を煽ってしまいそう。
話を戻して、日本での人口ダイナミズム。田舎で産まれ、東京で暮らし、こどもをもうけず生涯を過ごす、という人生のロールモデルは、クルマの未来に大きく影響を及ぼしているのでは、、ということです。
増田さんの地方消滅論の概要は、現在の少子高齢化傾向&若年女性の大都市流入が続けば、地方の若年女性が大幅に減少するため、2040年には894市町村が消滅する可能性があり、その結果日本には大都市圏に人口が集中する「極点社会」が訪れる、、と。
そのリストがこちら
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_2_1.pdf
もしもそうなら、クルマの未来はMaaSで一択です。私も都心に住んでマイカーは娯楽や趣味。普段の移動はMaaSで選ぶクルマの高級度はTPOに合わせるかな。式典なら気張って最上級MaaS、ビジネスならビジネスクラスMaaS、普段はエコノミークラスでいいや、、、、、、。
否。それでも田舎に住みたいんじゃ!
誰か地方消滅論に反論する知恵を見せて!
地方消滅論への反論の一番手。小田切 徳美さん
曰く。
地方消滅論は社会に混乱をもたらしている。「農村たたみ論」「制度リセット論」「あきらめ論」・・・こういうのを助長してしまうので、大衆知へこのように公開するのはいかがなものか。
地方消滅論への反論として、
・20-39歳の女性の半減をもって「消滅」に結びつける乱暴さ
・人口が1万人以下になると「消滅」しやすい点への説明がない
・都市圏から田園へ回帰したい人の気持ちを過小評価
以上を挙げる。
私のフィールドリサーチの結果からは、農村は消滅しない。
と。
好いねえ!
自然科学畑の議論になれていると、こういう文系学術の論壇ってとっても面白い。「社会的影響を考えて、数字の考案したり、モノいいを考えて公開をしなくてはダメ」っていうのが反論の理由になるんだねえ。
いや、イヤミとかじゃなくて、素直にそう思います。以前、都市空間設計者(アーバニスト)の話を聞いたときにも、都市に住まわせる側の議論って「殻に閉じこもった専門知識」とか云われて、大衆への事前公開とか経緯説明とかないんですね。
設計者が素敵な都市空間を設計すると、人がこぞって住んで、地価も上がって、都市の価値が上がる、、と。(まあ、確かに大衆の意見なんて汲み上げてたら「都心の真ん中に公園」とかできないでしょね)
田舎暮らしも、田舎空間設計者(ルーラリスト?)みたいな人が設計して、素敵な田舎空間をつくれば、人がこぞって住んで地価も上がって、田舎の価値が上がる、、のかしら??
ただ、みんなが
そうだそうだ!誰かが上手に計画すればいいんだ!
って思って、その結果、田舎から都心に転居せず、都心からも田舎回帰が始まれば、この論の方が正しいということになりますよね。市民アーバニストも市民ルーラリストも必要なしです。
どうなるクルマの未来。田舎で暮らすにはマイカー必需ですぞ!
happy END of the world from the world's END
Posted at 2021/02/20 12:06:52 | |
クルマの未来 | 日記