発注したパーツも揃って、200㎞ほどセッティングの為に走って、だいぶセットが出てきました。
車輌紹介と寸評をしてみましょう。
軽くご紹介
WABASH RT (M size)
最近流行りのグラベルロードカテゴリー。路面状況に左右されず楽しいが漕ぎが重くダッシュが利かない、というネガがあったけど、これを電気モーターパワーで解決しようというe-Gravel bike。欧州、北米と流行してます。日本では宮田につづきYAMAHAが参入、と。
吊しで前照灯、反射板、ベル、ペダルなど、走行に必要なモノは全部ついてデリバリー。珍しいです。
よいところ
1:ロードバイクのジオメトリじゃない! むしろ29er XCレーサー
なつかしのゲーリーフィッシャーG2ジオメトリと殆ど同じですよ。
G2ジオメトリとは。
マウンテンバイクといえば、26インチタイヤでしたが、、。1990年代。より高い次元の走行性能を求めて時代は29インチに移行してきます。軽快な操舵感の26インチのまま、29インチにしようってゲーリーフィッシャーが考えた車体ジオメトリ。加重抜重アクションが利くのがいいです。
現代MTBでは、素人には過敏で危険、とかで廃れてきました。クロスカントリー競技用の車輌(XCレーサー)の一部に細々残っています。
2:色が好き
くすんだ水色。お気に入り。
こういうグレーイッシュな色づかいって自転車ではなかなか無いですよね。
特にグラベルバイクって黒・茶・カーキ・迷彩などのアースカラーばっかりです。
3:凄いパワー感と調整の自然さ
スロットルは付いてないので、ペダルを踏み込んだトルクでモーター出力をコントロールすることになりますが、、。ステアケース乗り越え、バンプ乗り越え、などでの瞬間的が出力調整が欲しいときの微妙なトルク管理が巧いです。
脚でもスロットル調整が出来る!
ちょっとなあ、、とおもうところ
●G2ジオメトリ(XCレーサー調)の弊害。
<ハンドル取り付け位置が高い>
不整地を走る乗り物にとって、タイヤ外径が大きいのは正義です。
原理は上述の通り。同じ高さの障害物を乗り越える角度がマイルドになる、ということですが、ゲーリーフィッシャー先生によれば29インチ車輌は
・ガレを乗り越えやすい
・砂地で沈まない
・スピード維持が楽
というメリットがあるそうです。ただし、人間側のジオメトリに厳しいというデメリットがあり、スポーツポジションで乗ろうと思うと背の高い人にしか扱えません。んで、その中間の27.5インチというのが日本人向け、というわけです。
私のロードバイクのタイヤ径700c x 25は667ミリ。wabash RTに穿いた29x2.25タイヤは741ミリ。タイヤだけで直径74ミリも違うんです。比較しましょう。
大きなタイヤ!
で。
wabash RTは圧倒的にハンドルの位置が高いですよね。
Mサイズのスタック高は607ミリ。これに、29x2.25タイヤの半径371ミリを足した978ミリが地面からヘッドチューブ上端までの高さになります。
ちなみに、写真のロードはスタック532ミリでタイヤ径700c x 25の半径は333ミリで、ヘッドチューブ上端までの高さは865ミリ。
WABASH RTのハンドルを取り付けられる最低地上高が、ロードバイク比で100ミリ以上高い位置になっちゃってます。ステムを下折角の大きなモノに替えていますが、効果は小さいです。
フレームサイズ小さいの選んでも、このスタックはなかなか下がってくれない。
WABASH RTのハンドルを取り付けられる最低地上高はそれぞれ。
Sサイズ:966ミリ
Mサイズ:978ミリ
Lサイズ:988ミリ
ね。小さいフレーム選んでも、ハンドルの取り付け高さって変わらないんですよ。
wabash RTを170cm未満の方がSサイズなんて買ってしまうと、ハンドルが下がらず、ママチャリポジションのドロップハンドル車、、という悲しい結果になります。
Sサイズ
残念なお姿です。前傾のできないママチャリポジションを余儀なくされます。
<サドル取り付け位置が高い>
wabash RTは「サスペンション付きドロッパーシートポスト」が標準採用というお得仕様なのですが、これの最低突き出し量が実測150ミリ。
私の股下長は810ミリで、好みのサドル高は710ミリです。このときクランク下死点での膝の屈曲140度です。
これでセットを出してみるとどうなるか
まず、ドロッパーポストを自然長にして一番奥までセット。さらに櫓からシート座面まで距離の短いハンモックサドルに替えて、サドル高は710ミリ。ギリギリ間に合いました。本当にギリギリです。
標準サドルなら最低サドル高は720ミリ程度になりますので、、、クランク下死点で膝をちょっと曲げたいなら、、、股下長820ミリ以上は欲しい、、、、。でも、成人の脚は伸びてくれない、、、、、。
胴長の日本人標準体型で股下長820ミリは、、、お節介ですが、身長178.2cm
https://www.crankcho.com/height_j.html
なんでこんな商品を出してきた?? 身長175センチ以下の方にはお奨めできないWabash RT M sizeです。
Lサイズ例
豪快にシートポストを180ミリくらい突き出していますが、、。
Lサイズのジオメトリから考えると、身長190cm近い方用のセットですね。
公式では身長177cm以上に対応、とありますが、日本人体型ではちょっとムリ、かな。
実際に公式のカスタム例があります。FREAK'S STOREプロデュース
https://www.freaksstore.com/news/2022/01/all-pinpon.php
ドロップハンドルでのカスタム(フレームはMサイズ)
色がいいですね。ウチのと比較して、このカスタム車のサドル高は66cm位なので、おそらく身長168cm前後の方むけのカスタム。折角のドロッパー機能は殺されちゃってますね。そしてママチャリポジションですね。
バーハンドル系でのカスタム(フレームはMサイズ)
サドル高が同じなので、担当者が同じおそらく身長168cm前後の方なのでしょうが、こちらはかっこいいですよね。プロムナードハンドルも決まっています。
カッコ良くないですか?
やっぱりこのフレームはバーハンドル系のジオメトリですよね。
尤も、このカスタムのベースはwabash RT と同じフレームを使うバーハンドル車
CROSSCORE RC がベースです。
そうなんですね、Wabashはハーハンドル車用のMTBフレームをベースにしたドロップハンドル車なんですよね。そういう車輌をこれまではモンスタークロスバイクと呼んでました。
29erリジッドMTBをドロップ化したモンスタークロス作成例
短いステムとリーチの短いモンスター用ハンドルつけて、ブラケットポジションでのポジションだしてます。
山に持って行ったら、半分はペダルに立って、ハンドル上から押さえ込まないとならないので、こんなタイヤを抱え込むようなポジションになりますよね。
カタログ紹介のMサイズ車輌
のびやかに乗れそうなこれ、身長180cm前後の方のセットですね。
そこまで脚が長くない私のセット例ですが、
なんだか小さいポジションにみえませんか?そうです。タイヤとフレームが大きすぎるんです。
タイヤをハンドルで抱え込むようなモンスタークロス風の見た目。グラベルロードじゃないですよね(笑)。
まあ、身長175センチ以下の方にはお奨めできないですよね。このバイク。
もっと小さなタイヤ(27.5インチとか650bとか)の宮田とかキヤノンデールとかをお奨めしたい。
総評:
全く新しいカテゴリーの乗り物。自転車ではないし、エンジン付き自動二輪ではない。どういう遊びの相棒になるか、これからのおたのしみ。
WABASH RTは並のグラベルロードではまず履けない29 x 2.25が楽に履けるガチのフレーム。最高のトレール性能が得られます。ただし、ロードバイク派生のジオメトリじゃないんで、モンスタークロスの感じで付き合わないと、痛い目見ます。
ポジションが出るギリギリの体型は、股下で800ミリ以上有る方。日本人の標準体型では、身長174.8cm以上の方になります。
こちらもよろしく。
電動自転車 WABASH RT 500km乗ったレビュー
WABASH RT 冬はモディファイ 正月初乗り