
以前より、マンホールや路面の繋ぎ目などによくある、ちょっと大きめの段差を通過する時に『ガンッ!』と大きな衝撃がくるのが不快でした。特にフロント。
しかし、それなりにバネ交換を経験しての結果ですし、車高を下げているので限界だろうと思ってました。
そんな中、世の中にはバネレート以外に反発力という特性違いがあるのを知り、中でもHAL-Springはそれらのバネのサブスクをやっているのも知って、無性に試してみたくなって昨年から使わせてもらってます。
サブスクなら、同サイズでバネレートだけ変更とか、その逆だったり、反発力違いなど、何が効いているのかを低コストで体感できますし、HAL-Spring代表の畑野氏がYoutubeで『もっとバネで遊んで楽しんでほしい』と言っていたのがとても印象的で、この機会にちゃんと比較してみよう!と思いました。
まず始めはメーカーの差を確認しようと、レートや長さが同等のものを選びました。
MAQS Φ63 10kg/㎜ 150㎜ → HAL Φ65 10kg/㎜ 152㎜(低反発)
まず第一印象ですが、とてもしなやかです。路面の凹凸をちゃんと吸収してくれるというかサスペンションが良く動いている感じで乗り心地が向上しました。
HAL-Springの低反発バネはオープンエンドになっている上に若干の樽型形状をしていて線材を長くしているのが特徴だそうで、開発にかなりの手間と時間をかけたというだけあって乗り心地が良いのに全然フワフワしません。峠道を走ってもきちんと踏ん張ってくれて非常に満足のいくバネです。
ただ、肝心な大きめ段差の衝撃はマシになったものの、まだ不快感があります。
そこからバネレートを10→9→8kg/㎜と下げてみたり、全長を178㎜にしたりしたところ、8kg/㎜ 178㎜(低反発)がとても良い感じ。フワフワする感じはせず、それでいて路面の凹凸を足がちゃんと吸収してくれます。
足回りの固有振動数を計算すると2.3Hzだったので、やや硬めですが乗り心地が良いとされる値にも近しいので、予想通りな感じです。
高反発は9kg/㎜だけ試しましたが、ハンドルを切った際のレスポンスは非常に良いのですが突き上げは増えるので、街乗りメインの私にはちょっと合わなかったです。
ただ、肝心な大きめ段差の衝撃はというと、乗り心地の変化ほど良くなっていない感じ。まだ段差を通過すると『ガンッ!』と車体に響きます。
ここで『???』と思い、ちゃんと確認してみたところ、ショックがバンプラバー付近まで沈み込んで使っている模様…。
というのも、私は『プリロード無い方が良い』と思い込んでいたのでショックの有効ストロークをちゃんと確認して組んでませんでした。
そこでショックのロッドにタイラップを巻き、1G状態で許容ストロークの中央辺りになるようプリロードをかけ、走行で7割くらいまでの沈み込みに抑えるように車高調整したところ、乗り心地が変化。
大きめ段差通過で車体に響くような音がしていたのがマイルドになりました。
プリロードは8kg/㎜で20㎜分(160kg相当)くらいなので、フロント1輪の軸重:382kg(※)の半分近くの初期荷重になるまで縮めてます。
※…バネレートと車高を色々と変化させたデータから逆算
これで解決~!と思いきや、今度は路面のうねりや凹凸で車がヒョコヒョコと跳ねるようになってしまいました…。
なんというか、凹凸をバネが吸収するというよりバネが縮んだ反発力で車体が揺すられている感じ。
30㎜(240kg相当)まで敢えて強くプリロードをかけてみましたが、完全に跳ねまくるのでかけ過ぎてもダメなのは明白。
だったら今度は減衰力調整で無駄な動きを抑えてあげれば良いだろうと考えて硬くしたところ、正解。
MAQSの時は最弱が一番乗り心地が良かったので一切イジってなかった減衰力ですが、30段調整の最弱から10段くらい硬くしたあたりで良い感じに。
と、ここで気付いたのですが、減衰力を硬くしたら大きめ段差の衝撃がかなりマイルドになってます。15段くらいまで硬くすると『ガンッ!』が『ゴンッ…』に変わり、段差通過で初めて車体に響かない乗り心地を手に入れました。思わぬ副産物!
これで理想だ~!とニコニコしながら走っていたら、速度の上がる国道のうねり路面で超不快な挙動に…。
路面が低くなった時にサスが伸びるのではなく車体ごと傾くような動きをして、うねり路面で車体全体がずっとユサユサと揺られてしまいます。
超気持ち悪い…。
やっと衝撃力を緩和できる方法を見つけたのに高速で動かない足になり、迷宮入りしてしまいました。
冷静に考え直してみます。
バネレートは乗り心地に比例するものの、大きな段差の衝撃をマイルドにするにはショックの有効ストロークの中央付近で使えるようにプリロードをかけて調整することと、減衰力を硬めにすること。
でもこれだとショックがスムーズに動かずに車体全体が揺られてしまう。
だったら、もっと強いバネ力でショックを動かせば足がスムーズに動くのではないか。
そこで元の10kg/㎜を借り直し、プリロードは150kg相当をかけセッティングしたところ、高速のユサユサ挙動は無くなり、段差の衝撃音も『ゴンッ』と上質になって、乗り心地全体が向上!
同じ10kg/㎜でもセッティング次第でこんなにも変わるものなのかと考えさせられました。
ひとまず満足のいく仕様が見つかりました。
➡HAL-Spring:10kg/㎜ 152㎜ Φ65 低反発 プリロード150kg(15㎜)
ただ、8kg/㎜の時に178㎜に伸ばした方が更に上質感が増したのと、更にレートを上げて12kg/㎜にしたらどうなるのかが気になってきたので、継続して研究してみようと思います。
Posted at 2025/03/15 21:49:21 | |
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