
昨年9/14のブログにMX72パッド装着と共にパッドラトル音と寸法設定の話をしました。今日はブレーキ鳴きの話をしようと思います。
私の車は『ENDLESS MX72パッド+アウタのみ鳴き止めシム』仕様で、効きも鳴きもラトル音も基本的には満足なのですが、私は減速しながら徐々にブレーキペダル踏力を弱めていくような運転の仕方をするので、上記仕様でもまだ鳴きが少し発生してました。踏力をしっかりと残したまま停止させれば鳴きはほぼ出ないので、原因はここになるのだと思います。
少し余談になりますが、ブレーキ鳴きはパッドとロータが擦られた際に発生する振動をパッド・ブレーキキャリパー・ナックルなどに伝達していく過程で何かしらの要因で増幅(共振)され、その増幅された振動がロータに伝わるとロータがスピーカーの役目になって空気を振動させて音になります。
その共振に至る”何かしらの要因”というのには大きく以下3つがあります。
1つ目はパッドとロータで擦られる振動の種類・条件が変わってキャリパやナックルなどの固有振動数と合致して共振するパターン。ただこれはパッドを効きの高いものに変えている(振動がより大きくなる領域まで広がっている)ので当然です。
2つ目は固有振動数の式でいうところのkで表されるバネが変化してパッド~ロータ間の振動周波数と合致してしまったパターン。共振についての詳しい説明は省きますが、kが変わるのはブレーキでいうところの各部品の接触状態が変わるというところで、パッド・キャリパ・ナックルの構成部品で接触している状態に何か不安定な要因があると起こります。これは私の車にも何かしらあるかもしれません。
3つ目はそもそもの部品単体のもつ固有振動数が変化してパッド~ロータ間の振動周波数と合致してしまったパターン。これはパッド以外変えてないのであるとするとパッドですね。
そういった観点で1300km程走った『ENDLESS MX72パッド+アウタのみ鳴き止めシム』と私の運転の仕方から考察してみました。

すると、アウタパッドは写真左下にあるキャリパのシムへの当たり方も均一で、右下のロータと擦られている側も全面が綺麗に当たった様子が伺えます。
しかし、インナパッドは写真左上にあるようにピストンの当たりが局部的で、特にENDLESSとスタンプしてある部分はほぼ当たっていないことが分かります。写真右上のロータと擦られている側を見ても内周側は当たってなくて錆が出ているのが伺えます。
たぶん、まだ残っている停止間際の微小の鳴きは、踏力を抜いていくような私の運転でこのピストンとパッドとの接触部分が不安定に変化して共振現象に発展したものと思われます。
そこでカチっと感は減ってしまいますが鳴きを止める方を優先し、インナパッドにも鳴き止めシムを貼ってみることにしました。シムはENDLESS製品ですが汎用形状品を以前に安く仕入れてあったので、それをカットして使います。

鳴き止めシムには2つの効果があり、1つは上記の接触状態の不安定さをなくす効果と、もう1つは振動を減衰させる効果です。
シムには減衰効果の方が寄与度としては大きいかもしれませんが、他に接触状態だけを安定させる方法がない(ミクロン単位で平滑面研磨など出来れば別ですが…)ので、これで試してみたいと思います。
なお、ブレーキ鳴き止めグリスは同じように接触状態変化を狙ったものですが、私のようなレベルよりもっと精度の高い接触状態変化でないと効きません。私もwako'sのブレーキプロテクタを持ってますが、これには効きませんでした。
まだシムを装着しただけなので、効果の程はまたブログで紹介します。
ただ、最近はほとんど乗らなくなっているので、少し時間かかると思いますが…。
Posted at 2020/08/14 17:31:09 | |
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