今回取り上げるのは日産のラティオです。型式はN17型で2012年の登場時のものとなります。
2012年にそれまでのティーダラティオから8年ぶりのモデルチェンジで登場しましたが、旧型とは異なりセダンのみとなったことから単にラティオとなりました。
そしてマーチ同様新興国重視の車種となりタイで生産されて輸入する形となりました。プラットフォームもマーチと共通のVプラットフォームを使用しています。
従来のティーダラティオはクラスを超えた上質感が売りで、木目調パネルや本革シートの設定やティアナと同じ骨格のシートなどが特徴でした。売れ行きもこの種のセダンとしては好調でモデル末期でも月1000台程をキープしていました。
しかしラティオは
本来は新興国向けで
タイで生産されることから分かるようにコスト削減を徹底したクルマで、この後の画像を見れば分かりますが本当に各部の造りが安っぽいものとなってしまいました…かつてのサニーの後継というよりはそれより下のマーチセダンといっても言いようなものです。
加えて3気筒で1.2Lのエンジンはマーチやノートと同じですが、それらより重くなるセダンには不向きで動力性能の不足が目立ちました。
これらの欠点にもかかわらず、価格が従来のティーダラティオとあまり変わらないのです…
さらに同じくモデルチェンジでコストダウンしたとは言えまだだいぶマシで普通だったカローラアクシオともあまり変わらないのです…
当たり前ですがこれでは販売不振に陥ってしまいます。
しかもこれに日産は旧型末期と同様の月1000台の販売目標を掲げましたが、当然のことながら届きませんでした。
流石にまずいと思ったのか2年後にはマイナーチェンジで大型メッキグリルやピアノブラックパネルを装備して多少マシになりましたがやはり元々ケチった造りなので好転せずその2年後には消滅しました。これにより日産から5ナンバーのセダンが消滅し、またサニーから続くコンパクトセダンの歴史も国内では途絶えました…
実際に街中で見ていても旧型のティーダラティオやさらに前のB15サニーの方が多く見ますし、たまにラティオを見ても営業車なことがほとんどで個人ユーザーは中々見ないです…
当時のCMです。まさかCMはないだろうと思って探したらありました。でも何か通常のTVCMとはちょっと違った感じですね。
絶版から3年経つにもかかわらず、
未だに登場時の公式動画がアップされているのでこちらもアップしてみます。
何か同じプラットフォームを使うマーチやノート同様旧型より安っぽいせいか、それら同様に個人的にもあまり好きになれないんですね…
そのため結構辛口のコメントになってしまいますが、好きな方はゴメンナサイ…
コンセプトのページです。それらの全てにこだわったと書いてありますが本当なんでしょうかね…
コンセプトのページです。流れるようなシルエットと書いてある通り、ハッチバックベースにトランクを付けてセダンにしたが故の後付け感が無くなったのは評価出来るポイントだと思います。マーチベースとは言えボディは別ですし。
コンセプトのページです。アイドリングストップをモデルチェンジで搭載するようになりました。
インパネのページです。現行のノートやマーチとも似た雰囲気のインパネですが個人的にはこのインパネがどうも好きになれないんですよね…
助手席側がスカスカで何も無いので装飾を加えたフィットやグレイスと比べると見劣りする気がします…現行ノートも売れているんだからインパネを新しくして欲しかったです…
あとこれはラティオとマーチだけですがこのオムツのように出っ張ったホーンパッドもカッコ悪い気がします…
インテリアのページです。日産本社ギャラリーで乗ったことありますが中は本当に広かったです!後席のレッグスペースも余裕がありました!
新興国向けとは言え中国や北米などでも販売されるので比較的広めにとったのでしょうか。
環境性のページです。HR12DE型を搭載し国内向けセダンで3気筒エンジンを搭載するのはかつてのスズキ・フロンテ800以来となります。
しかしせめて4気筒のHR15DEは設定するべきでは無かったのでしょうか…
室内空間や装備のページです。前述の通り室内の広さは本当です。どうやらメーカーとしては室内とトランクの広さはティアナ並みとのことらしいです。
装備のページです。フロントにもアームレストは付けておくべきだった気がします…ちなみにリアのアームレストもGだけです。
あと電源ソケットがサイドブレーキの脇にあるのは意外ですね。
安全性のページです。
実はVDCをグレード別設定(最上級グレードのGのみ標準・それ以外はオプション)にしているのには裏があって、本来は2012年10月1日以降に型式指定を受けるクルマに装着が義務化されているんです。
しかしラティオは数日後の10月5日の発売で型式指定を受けたのはそれより前になるために一応法的にはOKという訳になるんです…
何ともセコい話ですよね…
クルマに安全性というのは重要なことですしそこで手を抜く日産って一体…そう言えばあれ程プロパイロットのような新技術を開発しておきながらトヨタやホンダのようにマイナーチェンジしてでも様々な車種に装備するどころか、2019年現在でも未だに自動ブレーキすら付かない車種が多くあるのはどうなのかと思いますね…
グレード一覧です。充実のラインナップとありますが3つのみです。しかもオートエアコン・リアアームレスト・インテリジェントキーすら付くのは最上級グレードのGだけです。
このカタログにはありませんがこれら以外に法人向けのBというグレードもあります。樹脂製のドアハンドルやブラック塗装されていないピラーなどが特徴です。
ボディカラー・シート地とアフターサービスです。シート地はティーダラティオにあったベージュ系は無くブラックのみとなります。
主要装備一覧です。
主要諸元と助手席回転シート車の紹介です。XとGだけに設定されています。
裏表紙です。
価格表です。日産の本社ギャラリーでこのカタログを貰った際に付いてきたものとなります。
ここからはオプションカタログの紹介となります。
パッケージオプションとしてプレミアムパッケージというのが設定されています。しかしここでようやくドアミラーウインカーが付くというのが…
それでもアルミ履いてスポイラー付けたら少しは印象変わりますね。
インテリアのオプションとして木目調パネルが設定されています。これはこういったセダンに乗るなら是非とも付けておきたいところですね。
旧型にはあった訳ですし。
ナビゲーションシステムには日産車共通のテレマティクスサービスのCARWINGSを採用しています。他が貧弱なだけにナビだけがだいぶ立派に見えますね…
なお現在販売中の新車ではNissanconnectに移行したので過去の物となりました。
スピーカーが推奨オプションではまさかの2スピーカーです。新興国でならこれでも良いのかもしれませんが、こんなところからもやる気の無さを感じてしまいます…
せっかくいいナビなのに勿体ない…一応4スピーカーもあるにはあるんですけどね…
チャイルドシートや便利グッズなどです。ここら辺は他の車種とも共通のものが多いですね。
オーディオはCDプレイヤーのみならずAM/FMラジオ単体機まで設定されています。営業車需要の多い車種らしい部分ではありますね。
シートカバーはレースの半カバーのみとなっています。
オプション一覧などです。左下にあるモデルカー、実は中の人は持っていたりします笑
ミニカーコーナーでも作って別の機会に紹介しようかとは思います。
裏表紙です。