前回、「台風ってヒマ過ぎる」なんてブログを上げましたが。
いやー、色々と大変でした。
あ、僕んちは何とも無かったんですがね。
表で重石を乗せただけのオイルの空缶が吹っ飛んだ位です。
「カラン!!ガンガン・・・カラン・・・」と遠くに転がってったので「あ。飛んだ。そのまま遠くまで行っちゃえ」と思っていたら、「カラ・・・カラカラ・・・ガラン!!」と次の吹き返しでちゃんと戻って来やがって、仕方なく取りに行ってズブ濡れになった位です。
(^^ゞ
大変だったのは、ウチの事務員さん。
水戸の外れの新興分譲住宅地に住んでいるんですが、目の前が小川と田んぼで、那珂川が増水するとたまに田んぼが水で埋まるんです。宅地は盛土してあるので多少高台になっていますが、背面は崖地で出入りの道路は小川沿いという立地です。
今までの台風でも気にかけていたのですが、出入りの道路まで水が来る事はありませんでした。
で、今回も気になったので、国交省のHPで那珂川の水位情報を見ていると、上流の黒羽辺りの水位が上昇中で、氾濫危険水位に近付いていました。
以前河川の仕事をした時の経験から、黒羽で増水すると旧御前山村で6時間後に増水する事は知っていたのでその下流側に住む事務員さんには「すぐ逃げられるようにしておけよ」とだけ伝えて午前1時頃に床に就きました。
あんまり外野が「逃げなきゃダメだ!!」とか騒いでも迷惑かと思いまして。
で、翌朝日曜日。
ものすごくいい天気で、気持ちよく7時半まで寝ていました。
目を覚ましてスマホを見てみると、5時頃に事務員さんから「ウチ、もうダメです。義理の姉の所に避難します」とラインが入っていました。
すぐに電話すると、泣きじゃくっちゃってとにかく大変な様子。
僕に何が出来る訳でもありませんが、とにかく現地に向かいました。
僕の家はひたちなか市。
那珂川の北側なので川を渡らなければなりませんが、国道6号は大渋滞で全く動きません。
那珂川沿いの農免道路でもあちこち水が出ていましたが、その度に山側に迂回しながらなんとか国道118号の橋を渡れました。
那珂川は堤防の天端まで1mもない位まで増水していて、今にも溢れそうです。
地元ラジオでも水戸北インター周辺は水没しているとの事だったので、渡里町から浜見台霊園を抜けて城里町に出て、城里町の高台から降りるルートでなんとか近くまで行く事が出来ました。
びっくりです。
見渡す限りの泥水です。
この下は交差点なのですが、キャラバンが水没しているそう。全く見えません。
目的地の方。
手前の家は床上浸水しています。
奥の方はよく見えません。
山側を迂回して、後ろの山から行ってみました。
途中まで崖を降りると、なんとか家が見えました。
完全に床上浸水していました。
本人は那珂川の北側に避難していて、増水後は橋を渡れなくなってしまって状況を把握出来ていません。
電話して「家が見える所まで来られたけど、どうなってるか知りたいか?」と聞くと「知りたい」と言うので、写真を送って再び電話すると、大号泣。
まあ、そりゃそうですよね。
(^_^;
掛ける言葉なんて考えつかず、「大丈夫だから。絶対なんとかなるから」とだけ言って電話を切りました。
んで、考えます。
「どーすっぺ。大丈夫って言っちゃったぞ。なんとかなるなんて、チョー無責任だぞ。まるで俺が泣かせたみたいなモンじゃねえか、なんとかせにゃならん」と今世紀最大クラスに脳ミソをフル回転させて考えます。
「まずは掃除の準備だ」と、必要そうな物を頭の中でリストアップして行きます。
「まずは泥を出すのにスコップ・・・それから水洗いするのにホースとゴムレーキ・・・水道が出るか解らないから、水タンクも必要だな・・・ハイウォッシャーと発電機・・・」
とても僕の車には乗りそうにありません。
会社の社長の軽トラを借りる事にし、社長に電話すると「日曜日にナンだ!?」。
ええ、ごもっともです。
が、事情を説明すると「会社の物全部使っていいから、キッチリ手伝ってやれ。手が足りなきゃ下請にも声掛けろ」とお墨付きをもらいました。
口は滅茶苦茶悪いけど、人情味溢れる社長なんですよ。
(^^ゞ
で、また那珂川を渡って会社に軽トラを取りに戻り、岩間インター近く資材置場に走ります。
途中で那珂川を渡ると、まだまだものすごい水量ですが午前中より少し水位が下がり始めた様子。
「一人じゃどうにもならんぞ」と思い、いつも面倒を見てもらっている部長にも相談して、社内で動けそうな人に片っ端から連絡を取って人員も確保します。
リストアップした物も相談し、不足が無いかダブルチェック。
ハイウォッシャーは部長宅のケルヒャーを借りる事にしたり、「発電機の燃料の携行品忘れてた」と危なく気付いたり。
とりあえずコレだけあればなんとかなるかな。
(^_^;
帰りに再び現地に寄って、明日作業出来るかを確認します。
家の周りは多少引き始めていましたが、進入路は全く見えない状態で、消防の救助ボートが走っている程です。
この時点で8人程集めていて、下請さんにも協力をお願いして電気屋や雑工さんも手配していたのですが、入れないとなると迷惑を掛けてしまいます。
が、「その時ゃ俺が謝ればいいや」と入れる方に賭けて、午後からでも夕方からでも作業する事にしました。
事務員さんには「掃除する道具も全部用意したし、人も集めた。俺達で綺麗にするから大丈夫だからな」と電話すると、「ごめんなさい~」とまた大号泣。
「オマエが何を悪い事したんだ、謝ってんじゃねぇよバーカ!!」なんて言いながら、こっちまで貰い泣きしそうになったとかならなかったとか。
(^^ゞ
で、小心者の僕は作業が出来るまで水が引いたか心配で、夜中に見に行きます(笑)。
入り口の道路はもう水はありませんでしたが、泥がどの位残っているのか、車が入っていけるのか暗くてさっぱり解りません。
が、とにかく翌朝集まって現地に向かう事にしました。
社長からも「水災保険入ってるかも解らんが、とにかく会社で面倒見るから全部直してやれ」とハッパ掛けられましたしね。
(^^ゞ
で、翌月曜日。
総勢11名で向かいます。
辺り一面泥だらけです。床上に泥が堆積していると思っていたのですが、うっすら残っている程度で思ったほど酷くありません。
川下から水が来て引いて行ったので、濁流が来なかった事が幸いした様です。
後々使うかと思い写真をかなり取ったので、特定出来ない程度の物を少々。
1階は床上70cm程まで浸水していて、水浸しでした。
とりあえず庭にブルーシートを敷き、
小物から電化製品まで部屋の中の物を全て運び出して捨てる物を分別し、軽トラで災害ゴミ置き場までどんどん運びます。
近所では漏電でボヤが出たみたいですが、ウチは電気のプロまで連れて来ているのでカンペキです。
電気屋さんには電気系統の調査を進めてもらい、同時に外部の水洗いも進めて行きます。
で、内部の物を全部出した所で床の水を掃き出しますが、壁から水が染み出て来ます。一部を撤去してみると、グラスウールが水を吸っていたので腰の高さまでボードを解体して、グラスウールを撤去して行きます。
床も一部開口して確認。
床下にグラスウールが入っているタイプの断熱だったのでグラスウールが水を吸ってしまっていますが、床下にはスペースが無いのでどうしようも出来ません。後日床を剥がす事にしてとりあえず掃除に入ります。
この頃には、電気屋さんのお陰で建物の電気は全て復旧。
続けて外部の機器を調べて、出来れば使えるようにしてくれとお願いすると、「バラしてエアーで水気を取って絶縁不良を無くせばなんとかなるんじゃないか」との事。
で、「エコキュート使えるよ~」「エアコンもOK~」「IHも大丈夫だ~」「洗濯機も動いたぞ~」と、家電もテレビと冷蔵庫以外は復活しました。
先が見えてきたこの頃には「んじゃ~風呂でも入るか~」と冗談も出る位ワイワイと作業を進め、事務員さんも随分笑顔を見せる様になって来たので、ちょっと安心。
(^^ゞ
床と建付家具の中の泥は、ハイウォッシャーで水洗いしてどんどん拭き上げて行きます。
会社のユニック車も呼んで、重量物もどんどん運びます。
で、3時頃には大体片付いてしまいました。
(^^ゞ
あ、僕?
「オマエはアッチ」
「コレ3人で運べ~」
「コッチ洗え~」
「家主はコッチで分別してろ~」
「オラ~、軽トラ満載だぞ~!捨てて来~い」
・・・相変わらず口だけ番長でございます。
あ、弁当の段取りとかもちゃんとしましたよ。
( ̄∇ ̄)
手伝ってくれた皆さんのお陰で、あの辺りでは一番作業が進んでいましたよ。
捨てちゃったカーテンの代わりにブルーシートで目隠しもしてきたし、ほぼバッチリです。
(^^ゞ
その後は水災保険にも入っている事が確認出来たので、床も全部撤去する段取りをして、作業を終わりにしました。
手伝ってくれた皆さんには、本当に感謝です。
(^^ゞ
今まで水害のニュースを見ていても「大変だな~」と他人事でしたが、身近な人が被災して大変さが少し解りました。
「コレで〇〇さん(僕の本名)、ボランティアもカンペキっすね」なんて言われましたが、あいにく器が小っちゃい人間なので無償で見知らぬ他人を助けるつもりまではありません(笑)。
が、「重い物あるので手伝ってもらえませんか」なんて周りの家に頼まれると「オーイ!!ちょっと3人行ってやれ~」「オウ!アッチに2人~!!」なんて出来る範囲で手伝うだけでも(僕は行ってない)、それなりに助けになるのかな~なんて思ってみたり。
(^_^;
とまあ、「身近で被災した人が居て大変でした」と書いたつもりでしたが、結局は「ダイジョブ何とかなるよって無責任に言っちゃうと、スッゴく大変だぞ」ってお話になりました。
(^^ゞ