え~~、“北の将軍様”のミサイルが発射された日曜日は家族サービスで出掛けておりました「平和ボケ」な16nightsです(^^;
“飛翔体”とはよくぞ付けたネーミングと感心するミサイルに対して、実際の監視迎撃任務に就いていた現場の要員の方々の緊張と重圧は相当なものだったと思いますし、秋田・岩手の住民の方々の不安も大変なものだったとお察しします。
そんな緊迫した日に何を暢気に、なんて言われそうですけど、これはまぁ言い訳になりますが、何の軍事訓練も受けたことなく今回の騒ぎに対して支援する力も機会も無い一庶民としては、事の推移をただもう見守るしか無かったというのが正直なところではあります・・・(汗)
ただ、それが無関心だからと言うわけでないことだけはご理解頂きたく(^^;
国連安保理が何のアテにもならないことは報道を見るまでもなく当然の結果でしょうし、だからこそ脅威に対する日本独自の防衛手段についてこれからが議論の正念場のような気がしますが、マスコミの論調は「取り敢えず危機は去った。メデタシメデタシ」で終息を図ろうとしているように感じます。なにか釈然としません・・・。
今回の“迎撃”については、“北”がミサイルを発射した時点で撃ち落とすものと思ってましたし“北”に対してもそのように「警告」していたのだと思っていましたが、どうやら私の浅はかな勘違いだったようです。確か発射された前日の報道で、「予定通り飛ぶのであれば通過は黙認、日本領内に落ちてくる“不測の事態”に備えての迎撃態勢だ」と言っていた気がします。正直「アレッ?」と思いましたが・・・。
もっとも、アメリカが「米本土を狙ったものでない限り迎撃しない」とトーンを下げたところから打ち上げ直後のタイミングで日本独自での迎撃は実質不可能だと言うことは分かっていましたが・・・。
なにせ現在の迎撃システムは大気圏外300㌔の高さを飛ぶミサイルを撃つようには出来ていませんし。迎撃衛星(キラー衛星)でも有れば別ですが・・・。
それでも、十数年前からの地道な迎撃システムの構築があったからこそPAC3をはじめ現実の装備として「万が一の落下物に備える」ことも出来たのだと思ってはいます。これがなければ強気の発言も出来ず、もっと舐められた行動を取られていたと思います。
だからこそ、もっと実効力のある抑止力としての武装をすべきですし、その為には憲法改正を踏まえた上で国家戦略として“先制攻撃”や極論としての“核武装”も含めた議論をすべき時期にきたような気がします。
マスコミの論調は、ミサイル発射が終わって「危機が去った」というもののようですが、実際には中距離ミサイル“ノドン”が300発以上も実戦配備されている脅威を全く取り上げないことにマスコミの汚さを感じます。
自衛隊の現状の装備では、突然ノドンを300発も打ち込まれたら全ての迎撃は不可能でしょう。発射から僅か10分もせずに日本領土に着弾します。しかも移動式の発射台からでは予測も不可能に近いです。このような、今回のテポドンを迎撃不可だったのとは違う意味で非常に危険な状態なのを全く報じない。
しかもノドンに搭載可能な小型核弾頭の開発に成功したとも聞きます。
通常弾での攻撃であれば、ノドンが何発落ちてこようが日本が屈することはなく軍事的には十分反撃できるでしょう。ただし都市部は地獄絵図でしょうけど。
そして、撃ち漏らした何発かのノドンにもしも“核”が搭載されていたら?それが日本の何処かで爆発したら?正直言ってアメリカ本土を標的にする飛ぶかどうかも分からないテポドンよりも、“実戦配備された”ノドンの方が数百倍恐ろしいはずで、それは絵空事でなく突然空から降ってくるかも知れない危機なのです。
その危機から目を逸らし論点を逸らそうとするマスコミはまったく以て信用なりません。
私も当然ですが戦争を望んでいるはずもなく、世界で唯一の核攻撃を受けた“ヒロシマ・ナガサキ”を故郷に持つ者として日本が核武装することには本当は反対です。
しかし、日本を取り巻く厳しい状況がその理想世界の実現をどんどん難しくしている。対話でその緊張を和らげ共存共栄を図れる相手であれば良いのですが、現実に日本に敵対する“北”は日本に数百発のミサイルを向け、“核弾頭”さえ載せるとあっては、残念ながら穏和な対話路線を諦めねばならない瞬間が迫っているようにも思えて怖いです。
過去、歴史上何度同じような緊張の高まりの末に戦争となった事例があるか数え切れないほどですし、こんなことを書いててナンですがまた「歴史は繰り返す」のかと思うと暗澹とした気持ちになってしまいます・・・。
なんとかならないものでしょうか?ホント・・・。
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国家戦略そのもののミサイル防衛
4月7日1時35分配信 産経新聞
テポドン2号改良型とみられる北朝鮮の長距離弾道ミサイルがまたも、日本列島を飛び越した。相次いだ工作船事件同様、北朝鮮がわが国の主権を事実上侵す暴挙に出る度に、安全保障上の課題が浮き彫りになる。そもそも、米国が進めていたミサイル防衛(MD)に前向きになったのも1998年、テポドン1号の列島越えが契機だった。今回の発射もさまざまな課題を突き付けている。
98年同様、日本と米国との間に微妙な温度差が出ている。米国にとり最大の懸念は、北朝鮮が米本土に撃ち込めるミサイル技術を有しているか否かだった。結果は、技術の進捗(しんちょく)は認められたが、そこまでのレベルではなかった。従って、米国がどこまで日本と対北政策で共同歩調をとるのかは不透明だ。政治・外交・経済上の譲歩を暗に要求する「軍事情報操作」が懸念されている。米軍収集データが日本に十分引き渡されない可能性すらある。
情報操作に対処するには自らの情報収集力を高めることだ。発射直後にミサイルの噴射炎を関知できる、現在は米軍に頼る早期警戒情報(衛星)の保有も選択肢。ミサイルの形状も識別するXバンドレーダーなど、地上の高性能レーダーとイージス艦を一体化させた複合・立体的な索敵→迎撃も必要だ。青森県の航空自衛隊分駐屯基地には米軍のXバンドレーダーが配備されているが、配備・運用に関する独自性が理想的なのだ。
国内の行政も深刻な問題だ。例えば、国防に使用できる電波の周波数帯が極めて限られている。優先使用権も確立されていない。レーダーといった電波発信機器の場合、国内法を考慮して製造される。ところが、輸出用は度外視されているものが多く、領域ではフル出力を出せない。テレビなど、民間の電波と干渉し合うことになるからだ。発射に失敗し、日本領土に着弾することを想定し東北地方や首都圏に配備された地対空迎撃ミサイルPAC3に連結したレーダーもそうした制約をひきずっている。非常事態には、国防用電波が十分に活用できる国家の仕組み構築が望まれる。
国民と自衛隊の接点でも課題が山積している。
落下が懸念された地域の人々の不安は、「何が落ちてくるのか」に尽きた。建物内に入るべきか否か、自治体も明確な回答を出せないうちにミサイルは襲来した。地域展開した自衛隊関係者は「避難訓練など意識向上を図る絶好機」という考え方と「いたずらに不安をあおるべきではない」との間で揺れた。「避難」と「パニック防止」のバランスをどうとるか、ダメージ・コントロール研究を進めるべきだろう。
一方、北朝鮮のミサイルには、0・1ミリグラムを吸い込めば死亡する有毒物質ヒドラジンが燃料として利用されている。空気に触れると即、発煙するほど揮発性が高い。ミサイルの一部が燃え尽きずに落下した際の消火や住民救出に備え、自衛隊では化学防護衣を用意していた。ヒドラジン相手だと、背負った空気ボンベから空気を吸い込む空気マスクがさらに必要となる。ところが、防護衣は何とか手当てしたが、空気マスクに至っては全く足りない。山火事でヘリコプターから散水する装置は自治体が購入し、自衛隊のヘリ部隊が保管するなど一部では連携が成功している。この種の連携拡充は急務となった。
情報伝達や軍事上の対処過程で幾つかのミスはあった。だが、それは軍事的に「成功の元」とみるべきである。世界のまともな軍隊はシステムなどで不具合が発見された場合、徹底的に洗い出し、改良を重ねていく。その繰り返しによって完成度をあげていく。実戦経験がなく、今回のような舞台が少ないことは、国民にとっては幸せだが、自衛隊にとっては必ずしもそうとは言い難いのだ。
指摘した課題のほとんどに予算手当が絡む。だが、防衛関係費は過去7年間で2000億円以上も削られている。北に発射中止を求めるよりも、MDシステムで撃墜する方が抑止効果は高いことからも「兆単位」の負担を覚悟せねばならい。実のところ「負担」は陸海空3自衛隊の統合運用に深刻な影を落としている。今回、3自衛隊の協力は円滑であった。
だが、限られた予算のパイ獲得に、3自衛隊は優秀な人材を割き、時に対立さえする。戦力低下を招いているのが現実だ。
ところで、MDシステムは単なる兵器ではなく、外交手段であり、国家の大戦略そのものだ。従って、偵察衛星の関係コスト同様、早期警戒衛星を含めMDについても、防衛関係費ではなく内閣官房費から拠出すべきだろう。今回のミサイル発射がもたらした最大の「戦訓」はそこにある。
ニュースURL↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090407-00000507-san-pol