ちょっと考えただけでも、これだけの物が必要なのだ!
ここで注意点を一つ。
上記のバフは、洗車傷を落とす目的のバフで考えて見た。 洗車傷よりも深い傷を落とす場合は、少し手順や工程が変わる。
「バフ」をよく理解し、どこまでやるのか、先に良く考えてから始めた方がよい。
○ バフと言うのは、傷だけを消してくれる魔法の道具ではない。
塗装面の最上部のクリア層に出来てしまった傷の一番深い位置まで周りのクリア層を削って慣らしてしまう作業なのだ。つまり、より深い傷を消そうとすれば、それだけ塗装面を守ってくれるクリア層を削ってしまうと言う事を忘れずに。
○ クリア面を突き抜けて、塗装面や、更にその下まで達してしまった傷は、バフでは修正不可能。高速走行時に出来た飛び石の傷なんかは、結構深い場合が多い。
クリア層より深いかどうかの判断は、水をかけると見えなくなる傷はクリア面。水をかけてもはっきり見える傷はクリアより深い。
クリア層を突き抜けてしまった様な深い傷は、バフでは無理なので、タッチアップペイントや、クリアコート剤を塗って、
傷口が広がらない様、応急処置をしておくと良い。
クリア層の傷でも、比較的深い傷は、バフをかける前に、耐水ペーパーで傷を中心に、少し広い範囲を削ってならしておくと、作業時間の短縮になる。
耐水ペーパーの1500~2000番位の傷なら初心者でも割りとすぐに落とせるので、いきなり800番とか使わずに、出来るだけ目の細かいペーパーでじっくり攻めた方が良いと思う。
但し、先程も書いた通り、深い傷を取ると言う事は、その傷の何十倍もの面積のクリア層を、傷の一番深い部分まで削ってしまうと言う事を考えると、ある程度の妥協も大事。
話を洗車傷に戻しましょう。
洗車傷はどんな傷?
これは十中八九、洗車スポンジや、拭き取りタオルに、ホコリや荒い残した砂、黄砂等が付着したままでボディを擦った為できた傷です。
ホコリを被った車をそのまま乾拭きしたら、必ず傷が付きます。
例えタオルが高級マイクロファイバーだったとしても、タオルに絡め取った砂埃を擦りつけてしまうのだから、当然傷になりますよね。
ただ洗車時は、常識的に先に水洗いしてから始めるでしょうから、
流しきれなかった汚れがあっても、それほど大きな固形物ではないでしょう。
なので、洗車傷は比較的浅い傷が多い。
頑張れば極細目+スポンジバフでも殆ど目立たなくする事が出来る。
次に、作業工程を考えてみる。
作業を始める前に、工程と時間的なスケジュールを念入りに考える。
車を念入りにチェックして、バフが当たりにくい場所、バフを当てたくない場所、等の確認。
スポイラーやデカル等、外してから作業するのかも考慮
ステッカー、ドアプロテクション等を外すかどうかも考慮
工程 1. 気合を入れて洗車
砂埃が微塵も無い程に徹底的にやらねばならない。
工程 2. コーティングを落とす洗剤で洗う
ワックスやコーティングをした車なら、それらを完全に落とさなければならない。
この工程は非常に重要で、コーティングが残っていると、バフに絡み付いて目詰まりしてしまう。
洗剤によっては、プラスチックパーツ等をマスキングしたほうがよい。
工程 3. 鉄粉落し
新車に近い車なら必要ないが、数年乗った車には必ず鉄粉は付いてくる。
フロント部分やボンネットは外から来る鉄粉、フロントホイール後方のパネルやドアの下半分は、自車のブレーキから来る鉄粉が多いと思う。
鉄粉が多く、塗装面がザラザラしている場合は、鉄粉粘土を使う。
鉄粉粘土は、どんなに気をつけて使っても、それ自体が多少の傷を作るので、
鉄粉が少ないようなら、液体の鉄粉除去剤を使いたい。
(但し、液体のみでは、大量の鉄粉を除去するのは難しいと思う)
バフ中に水がたれて来ない様、良く拭き取り+乾燥させる
さて、ここまでの工程、早朝から始めたとしても、チャレンジャークラスの車なら、既に半日が終わろうとしてるのでは?
工程 4. 綺麗になった車体に色々な角度から光を当て、傷の多い場所、深い傷の場所等を確認しておく。
工程 5. マスキング
バフを当てたくない場所。 プラスチック部分 ゴム、ガラス、バックカメラのレンズ、テールライト、サンルーフ、、とにかく徹底的に。
注意点は、粘着の強いテープは使わない。或いは、粘着を弱らせて使う。
特にゴム部分は、劣化防止+光沢のコーティングがされていて、強いテープで
マスキングすると、剥がす時にゴム表面のコーティング部分も持ってかれて、その部分の光沢を失う事がある。テープの跡が残ると、除去も大変。
工程 6. バフ
いよいよバフです。
最初は、30cmx30cm位の小さい範囲を丁寧に一筆書きして拭き取り、
バフの効果を確認すると良い。
一巡目で全然効果ないならコンパウンドを変えるかバフを変えるか判断する。
バフの拭き取りに使うタオルは、必ずコンパウンドを変えるごとに交換する事。
工程 7. 洗車
バフを綺麗に落とす為に洗車をする訳だけど、ここで洗車傷を付けない様に慎重に!乾燥は、ブローワーが有ると非常に有効です!
次にコーティングをする為に脱脂剤も使う事。
工程 8. コーティング
と、まあこんな感じで、とにかく時間がかかります。
おまけ
リョービとルペスの簡単な比較(個人的感想)
リョービの良い点は、コンパクトで比較的軽く、扱いやすい。
リョービの不満点は、パッド交換時、パッドを上に向けて地面に置くと転がる。 パワーが無い(初心者には安心)
ルペスの良い点は、持ちやすく、パワー(トルク)がある。パッドを上に向けて地面に置く事ができる。パッドの稼動範囲が広く、広い面積のバフが楽
ルペスの不満点は、とにかく重い!サイドパネルは一苦労。パッドの稼動範囲が広い為、狭い場所は作業しにくい。