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2019年12月03日 イイね!

トヨタ初EV UX300e の電池システムを分析する 

トヨタ初EV UX300e の電池システムを分析する トヨタ初EV UX300eが発表されました。
これに搭載される電池システムの構成を分析してみたいと思います。

特許を調べました。

最近公開された特許で、この電池システムのものと思われる文献がありました。

特開2019-185970 蓄電装置

※以下から全文閲覧できます。
https://www.jpo.go.jp/support/startup/tokkyo_search.html

この特許から、電池システムの構成を読み解きたいと思います。





写真を見ると、ブロアの後段のダクトになにやら箱状のものがありますが、
この箱の正体ですが、どうやらエバポレーターのようです。特許には冷却器とあり。電池専用クーラーがついているようです。

側面のダクトですが、灰色をしています。
これは、ダクトの外周部の結露を防止するための断熱材とのこと。

そもそもこの特許ですが、この電池冷却用のエバポレータのドレン水の処理方法についての内容です。
エアコンと同じく、エバポレータが結露してドレン水が出るわけですが、エアコンのように水を直接、パイプで外へ出す構造にはなっていません。
冠水路走行時等に、ドレンパイプを通して電池ボックス内に水が侵入するのを嫌っています。
ではどうやって水を排出するかというと、ドレン水を小さなタンクへ貯蔵しておき、蒸発させて排出するようです。
タンクから外部へ蒸気が排出できるように、水は通さず蒸気のみを通す素材(ゴアテックス等と記載あり)を通して、蒸気を排出する構造のようです。
なるほど。。



以下、妄想です。

これまで、電池の冷却方式としては、水冷プレートを電池の下に敷き詰めた水冷式が最も良いのかなと思っていましたが、結露問題があることに気づきました。
つまり、水冷プレート方式では、水冷プレートを冷やせば冷やすほど、水冷プレートは結露するはずで、この水分は電池近傍にたまったままになります。
電池底面の広範囲な冷却プレートに結露した水分を、うまく排出する方法は思いつきません。
電池ボックス内を乾燥密閉すればできるかもしれませんが、長期の気密維持は無理でしょう。
そうすると、結露防止のために水冷プレート温度はあまり下げることが出来ず、
せいぜい外気温と同じ程度までの冷却しかできないのではないかと。。
参考にクラリティPHEVの電池冷却系を見てみると、水冷式とはいえ、水を循環させてラジエターで放熱するのみ。
これだと結露しませんが、外気温以下には冷やせません。



しかし同じ水冷式でも、エアコン系と熱交換して積極的に冷やす構成も存在するとおもいます。テスラなどはそういう構成だと思うのですが、結露問題はどうしているのか??

やはりガンガン積極的に冷やすには、エバポレータで集中冷却し、ドレンも集中処理した上で、除湿された低温のエアを電池ボックスに導通させる本方式が実は優れているのかも知れません。

ヒートポンプも搭載されているでしょうから、エバポレータを加熱出来るはずで、冬期の電池加温もやるのかも知れません。
エアコンで調温された車内空気でのただの強制風冷かと思っていましたが、思いの外、お金を掛けています。
急速充電繰り返しで電池温度が上がって充電速度が・・・という話にはならないはず。
C-HRのEVの電池も写真見る限り、同じ構成と思われます。
Posted at 2019/12/03 21:15:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ

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