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宮城SRミーティングの帰り道、突然エアコンが効かなくなってしまいました。
帰ってから調べると「エアコン リモコンミラー」の10Aヒューズが切れていました。
このヒューズの先はA/Cリレーを介してマグネットクラッチのコイルに繋がります。
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コイルの抵抗値を測ってみると0.6Ω・・・12Vで計算してみると20Aも流れることになります。
正常なら3.5Ωあるらしいので完全にレアショートしちゃってます。
R12の世代だとコンプレッサーアッシーでしか部品設定が無く、それすら製廃です。
中古も見つからなかったのでコイル巻き直しに挑戦することになりました。
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まずは取り外しです。
センターのM6ボルトを外して、最初にクラッチ板を引き抜きます。
R32の事例を調べるとネジ穴にボルトをねじ込むと外れるらしいけど・・・
ネジ山の無いΦ8の穴でした。
※写真は外した後
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ネジで押せないなら引っかけて引っ張るしかないので、治具を自作。
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建築用の巨大ワッシャーをプーラーのベースにします。
穴が大きすぎるのでピロカラーで隙間を埋めました。
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セットして抜き取り。
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プーリーはスナップリングを外して、普通のプーラーで抜き取ります。
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ようやくコイルが見えました。
これもスナップリング止めですが、奥まっている上にサイズが大きくて強力、鏡で見ながらの作業で大変でした。
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外したもの一式。
軸の所にはフェルト付きのリングがありました。
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どうせ故障品なので、躊躇なくコイルをほじくり出します。
耐熱120℃のポリウレタン銅線が使われていたようです。
接着剤は叩いて割っていくことでキレイに剥がせました。
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鉄枠に収まるサイズにコイルを巻くために、3Dプリンタでボビンを作りました。
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電動ドリルで回して巻き取る作戦でしたが、速度の加減が上手く出来ずに断念。
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ラチェットレンチにセットして手動で回すことにします。
キッチリ隙間なく。
銅線は耐熱200℃のポリアミドイミド銅線0.7mmを使用しました。
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巻き終わったら縛って取り出します。
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コイルに巻くガーゼは使い古しの綿100%Tシャツから切り出しました。
プラス側の配線は耐熱200℃のタナフロン電線を使用。
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コイルのサイズを調整したりガーゼが重ならないように巻き直したりで3回目で鉄枠に収めることが出来ました。
最終的に4.0Ωになるまで巻くことが出来ました。
同じ線径、同じ巻き径の条件だと、多く巻くほど磁力は変わらずに電流のみ下がるはずです。
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エポキシ接着剤で隙間を充填します。
これも耐熱200℃です。
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銅線の隙間まで行き渡らせるために、タッパーに真空ポンプを繋いで真空脱泡をしてみました。
様子は動画のリンクにて。
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コイルをツラに収めるために押さえつけながら硬化させます。
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硬化条件は常温24時間か120℃で1時間ですが、加熱のほうがしっかり硬化するようです。
ホットプレートでホイル焼きしました。
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カッチカチに硬化した後、はみ出した分を削りました。
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鉄枠のメッキも傷つけたと思うので、サビ止めに塗装しますが、取り付け部分はアース導通のためにマスキングしました。
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逆起電力防止のためにフリーホイールダイオードを追加です。
マイナスからプラスに向かうように3Aの整流用ダイオードを接続しました。
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謎のフェルトはキレイにして金属リングに接着しなおしました。
付いている意味はコンプレッサー軸からのお漏らしをキャッチするためでしょうか?
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逆の手順で元に戻して、無事復活することが出来ました。
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