
30年以上も同じ仕事をしてきた「ベテラン職人さん」でも、これだけ意識の差があるのか、という話です。
中古で買ったエクストレイル、買って早々にドレンプラグからオイル漏れが発覚。購入店に連絡すると『大丈夫だと思ってドレンパッキンを再利用したからそれが原因かも』と軽く返されました。
さらに『近くの修理工場でパッキン交換してもらってください。修理費用はこっちで持ちますから。』って・・・・唖然としました。この人は自分の仕事にプライドは無いのかな、と。
この整備士さん(兼この店舗の社長)もう60過ぎくらいの大ベテランだと思いますが、ビギナー整備士でも守る「オイル交換時には、必ずパッキンを新品に交換」という基本ルールを守らない訳です。自身の経験からくるものなのでしょう。『これぐらいなら大丈夫』って。
しかし設計開発部門に身を置いた立場からすれば、「必ず新品に交換」と整備マニュアルでずっと言い続けることには必ず理由があって、たとえ99%の確率で「古いパッキン再利用」でも問題ないにしても、残り1%でトラブルが発生する確率が残るのならば(人の命を預かるものなのですから)必ず交換してくださいよ、という気持ちが込められているのだと思います。
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一方、私が20年近く通っている床屋さんがあります。ここの理容師さんはカット、シャンプー、ドライしてくれた後でも、気になるところは徹底的に修正カットを入れてくれます。男性ショートカットで大体1時間、長いときで1時間15分くらい時間をかけてくれます(事前にもう少し修正したいんだが、時間ありますか?って確認してくれます)
先日その理由を訊いてみたら、以下のようにお話してくれました。
『自分が担当したお客さんが、日頃どんなヘアーメイクしているかを想定してカットしているんです。時間をかけずにドライするだけのお客さんの場合、手ぐしでさっと整えるだけで、スタイルが決まるように。そしてその状態が1ヶ月は維持できるように。』
『若い時にはここまで時間かけて調整しなかったんですが、そうした場合、お客さんが帰ってからすごく気になるんです。あのお客さん、自分のカットに満足してくれたのかどうか、って。だからお客さんに満足してもらうのはもちろんですが、自分の不安を払拭するためにも、気になるところは徹底的に直しを入れるんです。』
この床屋さんでカットしてもらうたびに、「自分のやったことでお客さんに迷惑をかけないか」ということを強く意識した、微塵も手を抜かない仕事のやり方に、ものすごくプロ意識を感じます。刺激を受けます!
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同じ仕事を何十年もしてくると、これだけ仕事への取り組み意識が変わってしまうものなのですね。自分も、決して手を抜かないように、人に迷惑をかけないように最新の注意を払っていきたいと思いました。仕事だけでなく日頃の生活においても。
Posted at 2020/09/14 11:01:54 | |
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