
日本と中国の違いは 良い物を作る人ではなく 良い物を使おうとする人の 有無にある =中国メディア
中国では経済モデル、製造業の転換期に入っており、昨年から、「匠の精神」という言葉が、あらゆる場面で用いられるようになった。同時に、「匠の精神」が一体何を指し、どうすれば備わるものなのかについての議論も深まっている。近ごろでは、中国にも職人や優れた技術は存在するが、社会の受け入れ態勢ができていないという考え方が出てきた。
中国メディア・界面は28日、日本の「匠」が中国の現状について、「不足しているのは良い物を作る人ではなく、良い物を使う人だ」と指摘したとする記事を掲載した。
記事は、展示会のために先日、中国にやって来た輪島塗の塗師である、赤木明登氏へのインタビュー内容を紹介。インタビューでは中国における、「匠の精神」の状況などについても触れられており、質問を受けた赤木氏が「日本では、『作家』が自己表現以前に、人に使ってもらえる物を作る。中国では物を作る人はいるが、物を使う人が育っていない。中国に不足しているのは、良い物を作る人ではなく、良い物を使う人なのだ」と語ったことを伝えた。
また、「中国は社会の変化が急速で、人々が生活自身に注目することが少なくなっている」とするとともに、日本でも手づくりの日用品を使おうとする、動きが出てきたのは約30年ほど前、1990年代のことであるとしたことを紹介している。
さらに、「匠の精神」を得ようとする、中国の若者に対するアドバイスとして、赤木氏が「コップづくりならコップづくりで5年間、脇目もふらず同じものをやり続けること。5年が経って振り返った時に初めて、真剣に1つのものに取り組むことの、道理を理解することができる。始めたら焦ったり、浮ついたりしてはならない」と語ったとも伝えた。
1つの物事に、心を決めて真剣に取り組むというのは、簡単そうに見えて難しい。その道のりには「本当にこれを続けていて良いのだろうか、間違っていないだろうか」という、葛藤の連続が待っているのだ。どことなく浮ついたムードの中国社会において、自分を信じ、雑念を振り払って1つのことに取り組むのは、かなり難易度が高そうだが、それができれば自ずと、「匠の精神」が何たるかが見えてくるのではないだろうか。
Posted at 2020/12/18 23:05:32 | |
トラックバック(0) | 趣味