
近年は国産、国産メーカーによる、モータースポーツ参戦は下火になってしまいましたが、かつては「市販車をベース」にした、ラリーやツーリングカーレースに積極的に参加することで、市販車の高性能化と、ブランドイメージ向上に貢献。
とくに1980年代は、ターボエンジンの普及もあり、モータースポーツは、市販車の高性能化には欠かせない存在でした。
そこで、モータースポーツ参戦を目的に開発された、往年の2リッターターボ車を、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「 セリカ GT-FOUR 」
トヨタ初代「セリカ」は、優美なデザインの、「スペシャリティカー」として1970年に発売。それまで特別な存在だった高性能な、DOHCエンジンの普及に貢献しました。
その後、代を重ね、1985年には当時のトレンドを取り入れて、駆動方式がFFとなった、3ドアハッチバックの4代目を発売。
リトラクタブルヘッドライトと、角を削り取ったようなボリューム感あふれるボディラインが特徴で、トヨタは「流面形」と呼称していました。
そして1986年には、最高出力185馬力を発揮する、2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンと、センターデフ式フルタイム4WDシステムを搭載した、「 セリカ GT-FOUR 」が登場。
足まわりは専用チューニングの前後ストラットを採用し、ブレーキはフロントベンチレーテッドの4輪ディスクが奢られています。
1988年には「TTE」(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)が、WRCにセリカ GT-FOURを投入し、1990年には常勝だった、ランチア「デルタ」を破り、カルロス・サインツが、日本車初のドライバーズタイトルを獲得し、性能の高さを証明しました。
ラリーで活躍したセリカは、ハイパワーなフルタイム4WD車というイメージが定着し、5代目と6代目にも「GT-FOUR」がラインナップされました。
なお、GT-FOURの価格は297万6000円(東京価格)で、FFトップグレードの「GT-R」が207万7000円でしたから、かなり高額なモデルだったといえます。
Posted at 2021/02/13 23:25:03 | |
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