
日本海クラシックカーレビューの道中で立ち寄った安曇野アートライン。以前、ブログ仲間のtrekkerさんがブログで紹介されていた、山岳写真家・田淵行男記念館へ真っ先に立ち寄りました。
趣きのある山小屋風の建物に、数々の山岳写真と氏が愛用した写真機やテント、ピッケルなどの登山道具、高山蝶研究家としても知られる氏の蝶のイラストや写真などが展示されとても興味深く、ここも私ひとり貸切りでゆっくり見ることが出来ました。
「地史の落とし子たち」とは展示パネルにあった言葉で、氷河期の終焉とともに北アルプスの高地でしか棲むことができなくなった高山蝶たちのことをさします。現在、転売目的の乱獲や観光開発による幼虫たちの食草の伐採に起因して個体数が激減しているそう。また、氷河期という寒冷な時代に繁栄していた種なので、地球の温暖化が進む現在のような時代では、ますます生息が困難になっているそうです。
登山道具では、単独行を好んだ氏が使っていた小さな黄色い一人用のテント、ドイツ(←スイスか?)の名工が鍛えたピッケル、大きなカメラ・・・常念岳だけでも206回登行したと読んで、峰々に神々しく朝陽が当たる写真は、数え切れないシャッターのうちの1枚なのだとあらためて感じました。
※広島県に住む、夫の同い年の従兄弟が蝶が好きで(昔から年賀状にプリントごっこで蝶の写真を刷るほど)1セット買い求めた蝶の細密画&写真ポストカード。送る前に並べてパチリ。
「この地史の落とし子たちに安らかな旅をつづけさせねばならぬ」
---1959年に刊行された田淵行男作品集「高山蝶」の冒頭の言葉だそうです。
Posted at 2008/09/09 23:50:03 | |
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