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2009年08月15日 イイね!

『69 sixty nine』

『69 sixty nine』村上龍の小説の名前です。

これまで生きてきた中で、一番驚いた時のことをお話しします。

時は1990年頃の夏・・・場所は群馬県にある野反湖(のぞりこ)。

その頃は毎週のように釣りに出かけていて、春シーズン初めは箱根・芦ノ湖、5・6月は奥日光・湯ノ湖や中禅寺湖、盛夏になると標高がより高い、ここ野反湖へ。たいてい金曜の夜に出て、夜中に着いて仮眠して、土・日と釣りして帰るというパターン。

そんなある週末、朝早くから湖岸で狙うも釣れず、サカナの気配もなく、根性無しの私は飽きてしまって、上のクルマを停めていたところへ戻って小さなテーブルと椅子を出してコーヒーなど飲みながら、その時読んでいた『69 sixty nine』の続きを読んでいました。

-・-・-・-・-

数年前に映画化もされたこの作品は、1969年の長崎県・佐世保の高校を舞台に、村上龍の自伝的とも言われている青春小説(1987)。自分で買った記憶はないので、夫が読んで面白かったから、と私も読んだのだと思います。

これがもう、ゲラゲラ笑うほど可笑しくって、通勤電車で可笑しい場面に出くわした日には、もうこらえるのが大変という感じでした。今読んで同じように可笑しく感じるか分からないですが、本当にお腹が痛くなるほど笑った記憶が。

-・-・-・-・-

クルマを停めていたのは、道路からちょっとそれた、3台ほど停められるスペースで、他の釣り人のクルマも停まっており、そこから10分ほど歩いて湖岸に降りられる場所でした。

私は早く続きが読みたくて、夢中でゲラゲラ笑いながら読んでいて、その人が近付いて来たことにまったく気が付きませんでした。涙流す勢いで笑いながら読んでいると、突然前から「すみません」と男性の声が。

気配をまったく感じてなかったので少し驚いて、あらやだ、一人ケタケタ笑っているところ見られてたかしら?恥ずかしい・・・と思いながら顔を上げると・・・村上龍が立っていたのです。

あまりにも驚いたので、ただ目を見開いて、岸に打ち上げられたサカナのようにクチをパクパクさせながら(何か言いたいのだが、何を言って良いのかわからない)その人の顔と、今まで読んでいた本の文面とを、交互に行ったり来たり。

あなたの小説をちょうど読んでたところです、ほら、これ・・・と言えばいいのかな、などと瞬間的に頭をよぎったと思いますが、何も言葉が出せず。その人は私の様子をきっと妙に思ったはずですが、もう一度、「すみません、湖岸に出るにはどこから行けば良いのですか?」と道を訊いてきました。

ハッと我に返った私は、「あ、そこの間から下っていけば湖に出られますよ」というような内容のことを、「そこ、道あるから、まっすぐ、すぐわかる」とか何とか単語をつなげて答えました。

「あ、そうですか、どうも」とその人は国道の方に停めてあったクルマへ戻り(私のいたところはもう空きスペースがなかったので、路肩に停めていた)ウェイダー、ベスト、帽子、サングラスとフライフィッシングの格好に着替えて、再度私のいたところを通って、どうも、と会釈を交わして、湖岸へ降りて行きました。

まだぽかーんとしていた私は、その人が戻ってこなさそうな頃合に、停めていたクルマを見に行きました。行って見ると、栃木ナンバーの赤のテラノ。。。どうみても、(当時よくある)普通の釣り師のクルマです。

その時点でも、村上龍だったと信じてやまない私は、きっと龍さんは栃木に別荘でもあって、そこでこのテラノに乗っているんだ、などと妄想モードに。でもやっぱり良く似た他人かな、村上龍が釣りをするというのは聞いたことないし・・・。

そうこうしているうちに、ねばっても何も釣れなかった夫が戻って来たのですぐに村上龍を見た報告をしました。岸で会わなかった?ねぇ、ねぇってば!作家の村上龍っ!

どこどこで有名人を見た、と言ってもいつも「またまたー。きっとよく似た人だろう」と取り合わなかった夫は、その時も、え~っ?そんな人おらんかったよ、またお得意の見間違いか思い込みでしょう、と。

釈然としないうちにも、自分の中でも、さすがに龍さん本人ではないだろうと思い始めていたので、それで終わりました。

夕方、場所を変えて湖の反対側を狙おうと歩いていると、前から数人のフライマンのグループが歩いてきて、「龍さん」を見つけた私は夫に、「ほら、あの人、見て見て」と小声で。

山登りと違って、釣り師同士はさほど挨拶は交わしませんが、すれ違いざま、あ、どうも~と何となくお互い挨拶。通り過ぎてから夫に質すと「本人だ!」とその時ばかりは激似であったことを認めてくれました。その位、似ていました。真相はわからないのですが、やはりそっくりな他人様であったと思います。

何だか尻すぼみのエンディングでスミマセン。

人間、本当に驚くと口をパクパクさせて言葉が出ないということを知りました。後にも先にもあの時だけです。(驚きの種類にもよるでしょうが)

あの激似では、きっと同じような体験を別のところでもされていた方かもしれません。もしこれをお読みでしたら、コメントくださーい。'90年ごろで30~40歳くらいの方。まだFFはやられてるでしょうか?(笑)

※画像は「龍さん」に遭遇した時ではありませんが、'88に野反湖でキャンプした時のものです。群馬県六合(くに)村。最後に行ったのが2002年、いや2003年にも行ったっけかな?10月初めには紅葉も過ぎ、雪がちらちら降り始めたのを覚えています。熊笹が一面に生えていて、ちょっと他の山上湖とも趣が違い、とても良いところです。野反湖のことはまた何度か書くかもしれません。大好きな場所です。


クリックで救える命がある。
Posted at 2009/08/15 17:36:29 | コメント(4) | FF | 日記

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'06年8月に縁あってインサイト(ZE1)に出会いました。 軽くて走りはキビキビ、流れるようなフォルムにうっとり。赤信号ではそっと息をひそめる愛らしいインサイ...
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