2010年06月18日
オフィスに届く信販会社発行のマガジン。少し前の号に「音楽プロデューサー・松任谷正隆氏」をゲストに迎えたインタビュー記事が載っていました。
以前からオンエアしていた、彼がパーソナリティを務めるFMのトーク番組。スポンサーが、SEIKOからこの信販会社に変わったようで、いちおう新番組ということで、ラジオの番組作りや毎回ゲストから話を聞きだす、引き出す方法など話しています。
いろいろな肩書きで活躍している「ま」さんですけど、最後のライフワークとしてインタビュアーになりたいと思っているそう。このインタビュー記事のタイトルでもある「一生つきあえるもの」とは何だと思うか?との編集部の質問に、やっぱり音楽かな、ベッドで横になったまま、歌いながら最期を迎えたいと思っています、と。
2年前の夏にひとりフィーバーした「職権乱用」の本を引っ張り出して並べてパチリしました。章ごとにあちこちパラパラと読み直すと、私の少ないクルマの知識もこの2年でいくらかは増えているので、また面白い読み方ができることを発見。ふむふむ。
私はメカやテクに詳しくないので、山道やサーキット走行のインプレッションやスペックよりも、「生活臭あふれる」とご本人も呼んでいたように、必ず自宅までクルマを持ってきて(こさせて)家のガレージに置いて、家から走り出して、日常の空間で何日かを共にしてインプレを書くというアプローチが私にはとっつきやすかったです。先日も本屋さんで見かけたので、まだ売ってるんだ~と嬉しかった。第何版まで進んだのかな?
書かれているクルマの情報はどんどん古くなるのだろうけれど、表現や見方、感じ方、それの表し方が好き、文章も。
一番最初は「アウディと冠婚葬祭」のタイトルで「アウディA6でかみさんの親父の葬式に行った」という文で始まる。
「借り物とはいえ、何となくこれで行きたくなった」理由が「スタイリッシュなのに、どこか奥ゆかしさがあり」「押し付けがましくなく、偉そうじゃない」し「二人で落ち込んだとしても空間は狭すぎず、かといって広すぎもしない。ドライビングに専念しなくちゃいけないふうでもなければ、漠然と走るわけでもない。どことなく凛としそうだった」から。
「朝早くから起きてヘアメイクや着付けをしていたかみさんは、走り出してものの5分でこっくりこっくり。帯やヘアスタイルの関係上、シートにしっかり寄りかかれないらしく、丸めた背中がちょっぴりかわいそうだ。」
「Sラインサスペンションの付いた特別モデル」だから足元ははっきりと硬い。でもボディの剛性感により「不快ではなく、それどころか気持ちいい。眠いはずの自分が覚醒していられるのもこのサスペンションのおかげで、助手席では彼女が舟をこげる程度にリラックスも出来る」・・・
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冒頭のこの章からぐっと引き込まれて読んでしまいました。でも書かれている一つ一つのことは、外国のエキゾチックな、またはとっても高価なレストランで出される、自分では食べたことのない食事について書かれているのを想像力を総動員しながらついて行くようなものでしたけど。ふむふむ、となぞる体験が1台もないもので。でも読んでいて楽しいのは文章が好きなんだな、きっと。
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ユーミンのお父さんと言えば、10年以上前の彼女のコンサートで買ったプログラムに、ユーミンのマネージャーの一人の女性が、ユーミンのお父さんと話しをした時のことが書いてあったのを覚えています。マネージャーさんがお父さんに会った時に、(手元にないので正確な文章ではないですが)「これからもよろしくね。由実ちゃんはとても気立ての良い子だからね。」と言われた、と。「気立ての良い人」・・・なかなか使うことは少ない、言われたこともないですけど、とても良い褒め言葉だなぁ、とその時思いました。
あと、ユーミンが書いた自伝的な「ルージュの伝言」で覚えているのは、「私は親が米つきバッタをしているところを見て育った」というくだり。裕福な商家で、たくさんの使用人やお手伝いさんもいたけれど、サラリーマン家庭で育った人とそこが自分は違う、というようなニュアンスだったかと。これも当時意外な感じで記憶に残りました。
何だかまとまりなくなりましたが、職権乱用、面白いですよ。宣伝しても私には何も良いこと、特にないんですけどね。
終わり。
Posted at 2010/06/18 22:39:35 | | 日記