こんにちは!
二回目の投稿ですがよろしくお願いいたします。
(本文中の画像の引用元のURLは文末にまとめてあります。)
思ってたよりも116iに乗っている人が多くてうれしいです。
決してパワーがあるわけではないですが
運転しやすくてそれでもってきびきび動いてくれてとても楽しい車です。
さて本日の内容ですが、私が研究で使っていた
イナータ
というものが何なのか少し紹介をしたいと思います。
(本文中の内容が間違っていたら訂正をお願いいたします..)
簡単に言うと・・・
加速度に効くサスペンション
です。
サスペンションといえばばねとダンパで構成されてますよね。
(TRD Sportivo プリウス サスペンションセット for 50系 より)
図の左側がダンパ、右側がばねですね。それぞれの役割ですが
①ばね ⇒変位に対して力を発生
②ダンパ⇒速度に対して力を発生
となりますよね。
乗り心地をよくしたい場合ならばねを柔らかく
走りを重視したいならばねを固く
ダンパは振動の収束を早める役割といった感じです。
じゃあイナータは何なのかという話ですが、前半でも述べましたが
③イナータ⇒加速度に対して力を発生
となります。
そもそもいつ出たのかという話ですが、2002年に当時ケンブリッジ大学にいらっしゃった
Malcolm C. Smithさんが開発いたしました。その時にSmithさんが投稿した論文が
"Synthesis of Mechanical Networks: The Inerter"
となります。
構造について分かりやすい論文はMichael Z.Q. Chenさんが執筆されている
"The Missing Mechanical Circuit Element"
という論文に詳しく掲載されています。
実用化されたのは実はF1が初です!
2005年のMcLaren MP4-20に搭載されていました。
(McLaren Formula 1 - Heritage - MP4-20 より)
ちなみにライコネンがスペインGPでこの車体で初優勝しています。
シーズンを通してみると10/19勝してるなんてすごいですよね...
じゃあイナータがなんでいいのか、加速度に効くと何がいいのかって話ですよね。
こちらも簡単に言うと
サスペンション特性の
選択肢の幅が広がった
っていうのが分かりやすいと思います。変位、速度に加え加速度にも対応できるようになった!
色々組み合わせれば特性がいろいろ変えられるぜ!といった感じです。
具体的にどういう利点があったのかですが、ノーズダイブしにくくなります。
ノーズダイブによって車体の荷重変動が生じて不安定になってしまいますよね。
特に空力が大事なF1ではできるだけ避けたい動作です。
ノーズダイブについてはサイトで分かりやすい図がったので引用いたします。
(扇法律事務所 ノーズダイブとスクワット より)
ばねを固くすれば済む話じゃね?
と思いますよね。そうもいかないのが難しいところです。
先ほど述べたようにばねは変位に比例した力を発生します。
つまりばねを固くするとサスペンションが動かず
サスペンションとしての機能を果たさなくなってしまうのです。
イナータを加えることにより
加速度が抑えられる⇒速度が変化しにくくなる⇒ゆっくり変化する
「ゆっくり変化する」ここが大事です。本来のサスペンションの機能をできるだけ損なわず、
ノーズダイブも極力抑えられる中間の性能ということです。
サスペンションだけでも奥が深いですね..
実はイナータに関してですが車だけでなく建築にも使われています。
慣性質量ダンパと呼ばれていたりイナータとそのまま呼ばれていたり・・・
本日はここまでにしたいと思います。
読んでくださってありがとうございます。
引用元
①TRD Sportivo プリウス サスペンションセット for 50系
https://www.auto-acp.com/prius/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9-%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/TRD-Sportivo-50%E7%B3%BB-detail1281.html
②McLaren Formula 1 - Heritage - MP4-20
https://www.mclaren.com/formula1/heritage/cars/2005-formula-1-mclaren-MP4-20/
③扇法律事務所 ノーズダイブとスクワット
http://ougi-law.com/15249247427257
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2019/02/17 22:39:37