TAS2016.21 LM55ビジョングランツーリスモ

　マツダが"もし"もう一度ル・マンに挑戦し、そして"もし"ロータリーエンジンでの参戦が許されたとしたならば…そんな"もし"を叶える場として、ビジョングランツーリスモという企画は格好の場所だった。グランツーリスモ内で提示されたこのLM55、イギリスのグッドウッドフェスティバルで実車モックアップが公開され、そしてオートサロンで公開の運びとなった。

　魂動デザインが…どこに生きているのか正直よくわからない(苦笑)けれども、滅茶苦茶低く構えた姿勢に、左右の張り出したフォルム。現在のWECカーですら、こんな形状を実践投入するのは規則上不可能だろう。

　まあ、ビジョングランツーリスモに"規則"とか"できない"とかいうワードを持ち込むのは禁句だろう。それを置いといても、乗降性とかは厳しそうな…これもバーチャルなので禁句だったか。唯一現実味を帯びているのは左右ミラー。これこそどうして、ここに張り出した？とか思ってしまったり。

　後ろから見ると、なおさらの事低さを感じる。というか、全高とタイヤの外径がほとんど同じじゃないか。ウィングも左右の翼端板こそあるけれど、肝となるのは低いテールの整流版。エンジンを小型にできる分、オーバーハングに構造物が必要なくて、といった思想になっているのだろう。

　こうやって浮かび上がるシルエットを見ると、ちょっと宇宙船に見えてくる不思議。むしろ、張り出している4輪タイヤを小径にして、もっと空気抵抗を減らす…とか考えるアイディアは無し？空力に関しては、さすがに本腰を入れているニスモやTRD程凝っているとは思えないのは仕方がない。

　個人的にこれがベストショット。人が多いオートサロンの中で、切れる合間を縫ってようやく撮れたNDとのコラボ。なるほど、ヘッドライト部分辺りはちょっと似てなくもない？モータースポーツ、という観点では同じ土俵のこの2台、ただ、WECへの参戦は残念ながら現実的ではないし、ここはひとつ、ロードスターが頑張る、という事で。