2011年10月18日
街も深い眠りに入り
今日もまた 一日が終わろうとしています
昼の明かりも闇に消え
夜の息遣いだけが聞こえてくるようです
それぞれの想いをのせて過ぎていく
このひととき
今日一日のエピローグ
クロスオーバー・イレブン
12月の街はすべてが急いでいるようで
私はなんだか自分だけが取り残されていくような感覚に捕われていた
「イブの夜にこんな所に一人でいちゃダメじゃないですか」
カウンター越しにバーテンダーがそう言って微笑みかけた
今まで聖なる夜をどう過ごしてきたのだろう?
それなりに楽しい出来事もあったと思うのだが そんな事ももう思い出せない
私は返す言葉も見つけられず 氷が溶けトニックウォーターと化したグラスを煽るしかなかった
後1時間もすれば忌ま忌ましいこんなイブの夜も終わる
そう思っていた時 何か思い出しかのように不意に携帯電話が鳴った
イブの夜に私の事を覚えててくれてる誰かが少なくとも一人は居たという事が嬉しい
携帯の画面には一人の女性の名前
男女の間の友情関係というものが成立するのかどうかは分からないが
その時点での彼女は親しい女性の一人でしかなかった
「何してたの?」
私は自分のおかれている惨めな状況を冗談混じりに語った
「ギリギリまだ間に合うかな… 今から行くから待ってて」
彼女は私の返事を聞き終わる前にそう言って電話を切った
0時まで後10分という所でバーの扉に吊されたカウベルをけたたましく鳴らして
彼女は飛び込んできた
軽めの化粧とラフな服装が慌てて駆け付けてきた事を物語っている
こんな夜に私のためにわざわざ1時間もの道のりをやって来てくれた
私の中で彼女の存在が急速に大きくなっていくのを感じた
「ようやく笑顔が出ましたね」
グラスを優しくステアしながら微笑むバーテンダーに 私はまたしても返す言葉を
見 つ け ら れ な か っ た...
それから2年あまりの月日が流れた
しかし私と彼女の間の距離はあのイブの夜以前と何も変わっていない
意図的に距離をとっていたと言っても差し支えないだろう
私にとって彼女は特別な存在であったし 友情以上の感情を持っていた
しかし一回り以上も若い彼女の人生に介入し その責を負う事を恐れていたのかもしれない
そのうち私より若く相応しい人が現れるさ
私はそう自分に言い聞かせていた
だから人づてに彼女が結婚する事になったと聞かされた時も それほど狼狽はしなかった
彼女は私の事をどう思っていたのだろう?
今となってはどうでもいい事だ
知らない方がいいのだろう
私は自嘲気味に笑うしかなかった
「見合い結婚だってね おめでとう」
私は最後まで強がりしか言えなかった自分自身に
腹 が た っ た...
※この物語はほぼフィクションです 悪しからず
Posted at 2011/10/18 23:01:32 | |
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2011年10月16日
お友達がホイール交換されたということで
ひさびさに Photoshop 使ってみましたが…
Windows 7 との相性悪いです
CSへ移行かなぁ…;
Posted at 2011/10/16 21:15:55 | |
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