グゥイネス・パルトロウアンソニー・ホプキンス 証明天才数学者の父を持つ1人の女性が、自ら生み出した数学のひとつの証明を巡り苦悩する。彼女キャサリンの父親は偉大な数学者だった。そして精神を病んでいた。そんな父が数日前、この世を去った。父が残した膨大な数学の定理の証明。父を信奉し、その研究を少しでも理解しようとする青年、ハル。父の葬儀の前日、ハルはキャサリンの自宅でいつものように彼女の父が遺した膨大なレポートを研究していた。そんなとき百何冊もあるレポートの中から娘に宛てた文章を見つける。ハルはそれをキャサリンに見せる。キャサリンは父がどれだけ彼女の事を思っていたかを知り、生前最後に書いたひとつの証明を思い出す。父の葬儀がおわった日、ハルはキャサリンから一つのレポートが入った机の引き出しの鍵を渡される。そのレポートは今までにない偉大な数学の証明だった。しかし、彼女はその証明が本当は誰か書いたものか思い出せなかった。それから精神的に不安定になったキャサリンは父が最後の証明を自分に手伝わせながら完成させようとした日々を1つひとつ思い出そうとする。精神を病んでいた父。その証明が完成した時、ひとつの驚くべき結末が待っていた。作中、たびたび回想シーンが入るんですが、それが現在の事なのか、回想なのかがわからなくて混乱することがありました。キャサリンは父の病気とは違う、ひとつの記憶障害みたいなものに犯されていて、父が死んだことのショックもあって、自らが解き明かした証明を自分のものと断定が出来なかった。それにより精神的に不安定になり感情の抑制が利かない状態となっていました。そこに付け加えコンプレックスをもつ姉の登場により、精神が限界を迎え、自ら考える事をやめてしまう。そんな、物語です。キーとなるのは父が最後の証明を解き始めたとき、父の精神は正常であったのか?キャサリンは父の証明を解き終えた時、自らの答えを導き出せたのか?その2点です。数学の証明という少し難しい内容でしたが、とてもいい作品でした。