2009年02月16日
母の願い
故郷、上田庄にて蟄居を言い渡された兼続(妻夫木聡)は雲洞庵にて一月が過ぎていた。
兼続は雪の中で己を見つめなおす日々を送っている。
そこへ与七(小泉孝太郎)が訪ねてくる。
蟄居を言い渡された兄、兼続を見舞ってやってきたのだ。兼続は与七に自分はもう景勝(北村一輝)の元へは戻れないかもしれないと弱音を吐く。
また兼続は両親の近況を訊ねるが、与七は言い淀んだあと母、お藤(田中美佐子)が倒れた事を話し、一度家へ帰って来てほしいと頼む。
しかし兼続は会わせる顔がないと断るのだった。
一方、上田庄の樋口家では病状が少し落ち着いたお藤が惣右衛門(高嶋政伸・兼続の父)の髪を梳いていた。惣右衛門は蟄居を言い渡された兼続を案じるが、お藤は初陣を果たした与六はもう一人前の男だから大丈夫だと微笑むのだった。
その頃上杉軍は能登七尾城を攻めていたが、小田原の北条氏が越後へ向け進軍を始めた事を受け、ひとまず春日山城へ戻っていた。
そんな春日山城へいる上杉謙信(阿部寛)のもとへ病の為療養していた直江景綱(宍戸錠)が拝謁にやってきた。
謙信にいたるまでの三代の上杉家の当主に仕えた景綱に謙信はいたわりの言葉をかける。
景綱は娘、お船(常盤貴子)の婚儀も決まり、あと思い残すことは兼続の蟄居の事だと語る。
景綱は自分の甥ながら人の心の痛みを知る兼続は、景勝、そしてこれからの越後の国に必要だと謙信に話す。
そして、どうか兼続の蟄居を解いてもらうよう頼むのだった。
景綱のそんな心の内を察し心配いらないと言う謙信。
その事に安堵した景綱はこれが最後となるであろう謙信からの酒を受け、謙信からわが第一の家臣だと言われたのであった。
この3日後、上杉家筆頭家老直江景綱は妻と娘に上杉家の行く末を頼むと言い残し、この世を去った。
秋を迎えた上田庄樋口家ではお藤が庭で紅葉を見ていた。ふと兼続の事を思ったあと、お藤は倒れ、危篤となった。
雲洞庵へお藤が危篤だとの知らせを受けた兼続は気持ちを押し殺すが、和尚に一喝されどうにか母の臨終に間に合う。
お藤の最期の言葉を最後まで聞けなかった兼続は自分は親不幸者だとなじる。しかしそんな心でいたら本当に親不幸者になってしまうと諭され、坐禅を組み母の想いを感じながら泣くのだった。
母の四十九日が来て法要が行われた樋口家へ婿を取ったお船がやってくる。
お船は惣右衛門へお藤との思い出を語る。
お船は信綱(山下真司)という婿を取り人妻となって落ち着きが出ていた。
お船が帰る事になり大湯まで付き添う事になった兼続は着いた先で、お船に身を清めて行くことを進められる。
風呂から上がった兼続はホタルを見つけ追いかけるとそこには紅葉の木があった。
そこで兼続は亡きお藤の幻影に紅葉が散る訳を語る。
そして兼続は上杉の侍として紅葉のような家臣となる事をお船に宣言する。
その姿を見たお船は、やっと兼続が自分に追い付いて来たことを感じ、もう少し早くそのことを父、景綱が聞いていれば、兼続を自分の婿とし、直江の名跡を継がせていただろうと話す。
兼続は驚いてお船を見つめるが、お船はそんな兼続に微笑むのだった。
今回自分を見つめなおすことになった兼続は自らの道を見失っていることに気付く。そんな兼続に母の死、お船の結婚というダブルショックが襲う。
兼続は母が自分に何を言い残したかったのか考える。
そして季節外れのホタルに導かれ、紅葉の教え。上杉の侍としての生き方を見いだす。
最後、兼続がお船に紅葉の木の前で上杉の侍の生きる道を語り、もう泣かないことを宣言するシーンは鮮やかな紅葉に彩られとてもいい雰囲気でした。
次回、第八回・謙信の遺言

Posted at 2009/02/16 00:21:06 | |
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