
掲載の承諾を得てませんが、
ネットで宣伝のために公開されてるので
勝手に良しとしてしまいます。
ちゃんと(ほぼ)毎月買ってるし。
巷に溢れているバイクのライテクについて少しずつ書いてみようと思います。バイク、特に
SS(スーパースポーツ)に興味の無い方は全然面白くないと思うので、スルー願います。
また主にバイク雑誌等に書かれている、力学的におかしいと思われる事を書きますが、
私は物理の専門家ではありません。いつの日か、専門家の先生がこの記述に気付いて
正しい解説書か何かを出してくれる事を切に望みます。
*********************************************************************
タイトル画像は今月号のビッグマシンです。いつもはあまり力学的な解説を
書かない雑誌ですが、今回は珍しく物理の説明が冒頭にあり、しかも大チョンボしてます。
記事をそのまま転載しますと、
『運動エネルギーは重量の2乗に比例し、速度の2乗に比例する。』
読んでてこちらが恥ずかしくなりました。
E=1/2mv^2
誰でも知ってる運動エネルギーの公式です。
運動エネルギーは重量の1乗に比例します。
続いてライテク解説サイト
http://www.bikebros.co.jp/ridetech/index.php?e=31#comments
同じくそのまま転載。
『たとえば車重が200kgのバイクの場合、100kgのバイクに比べるとブレーキングには
2倍の距離が必要だということ。』
そりゃ変でしょ?
記事の意図からして、ブレーキ性能は十分にあるという前提の上だと思います。
すると、持ってるエネルギーは停まるまでに路面とタイヤとの摩擦力が行う全仕事量に
一致する筈なので、
タイヤと路面との摩擦力×制動距離=運動エネルギー、
そしてタイヤと路面の摩擦力は重量に比例します。
この式を解くと、制動距離=v^2/2μg
(vは制動開始時の速度、μは路面との摩擦係数、gは重力加速度)
重量は制動距離と実は関係なしという事になります。
おいおい、過積載のトラックは制動距離が伸びるじゃないかと思われる方がおられるでしょう。
上記の計算は、車重が大きい→運動エネルギーが大きい→制動距離が伸びるという説明の
ロジックが適当すぎてダメだと言ってるだけです。
実際は、車重が重いとスリップ率(μ)が変化し、車重に応じて大きくなるタイヤと路面間の
摩擦力に見合ったブレーキ性能が無いとディスクとブレーキパッド間の滑りも発生するだろうし、
重いと停まりにくいという結論に違いはないのですが、もう少しまともな考察をして欲しい。
ある雑誌では間違った力学的知識から勝手な考察をし、誤ったバイクの操作方法に関する
結論を導き出して繰り返し記事に書いています。知らずに実践すると事故を起こしかねません。
よく思うのですが、これはゴルフの打ちっ放しに生息してる教え魔に似てます。
あんたはゴルフが上手いのかもしれないが、言ってる事は力学、運動生理学、幾何学だぜ?
これらに精通したゴルフ上手の人に私は出会った事がありません。
どこかの大学の力学の教授と、ホンダの技術者との対談によるライテク解説本が
出ないかな~。
Posted at 2012/07/19 23:59:54 | |
トラックバック(0) |
ライテク | 日記