
長文のメカの話になるので、興味の無い人はスルーしてください。😅尚、今回の話はロータリーエンジンとディーゼルは該当しませんのであしからず。
ガソリンエンジンには、ガソリンを霧吹きの様に吹く為のインジェクターが有ります。このインジェクターは、吸気マニホールド(一般的なエンジン)か、シリンダー(直噴エンジン)についてるかに分かれ、直噴エンジンは直接シリンダー(燃焼室)にガソリンを吹く為、圧縮比を高く出来、高効率で燃費が良いというメリットが有り、シビックをはじめとしたダウンサイジングターボとの相性も良いです。ただ、デメリットとして、吸気系にカーボンが堆積しやすい点も有ります。
この構造の違いとクリーニング方法を解説します。
そもそも、何故カーボンが溜まるのか。
4サイクルエンジンは「吸気」→「圧縮」→「爆発」→「排気」の4行程を行なってます。
上の図は「排気」行程で、ピストン、吸気バルブ(青)と排気バルブ(赤)をそれぞれ表してます。
爆発で下がり切った(下死点)ピストンが上がり出すと同時に排気バルブが開き、燃焼ガスを押し出して排出します。このピストンが最上部(上死点)に上がる直前、排気バルブはまだ開いてる状態で、吸気バルブが徐々に開きだします。この状態を「バルブのオーバーラップ」と言い、ホンダのエンジンだとVTCで回転数に応じてオーバーラップのタイミングを制御してます。
エンジンが空気を吸い込むのは注射器と同じ理屈で、吸気バルブが開いた状態でピストンが下がることで圧力差が生じて空気を吸い込んでます。(ポンピング)その際、滑らかに且つ効率良く吸排気を行う為にオーバーラップが設けられてるわけです。
上の図は、4行程でのピストンとバルブの状態を、クランクシャフトの回転(4行程で2回転)と照らし合わせたものです。上死点を挟んでインレットバルブ(吸気)と、エギゾーストバルブ(排気)が同時に開いてるオーバーラップが記載されてるのが分かると思います。実際はエンジンの回転数、アクセル開度(吸気量)等でオーバーラップのタイミングは刻々と変化してますが…。
本題となるのはここからで、オーバーラップ時に開いた吸気バルブ側に一瞬ですが、燃焼ガスが吹き返そうとします。吸気行程時には吸い込む空気で押し戻されますが、長年乗り続けると、この吹き出したガスに含まれるカーボンが、吸気バルブの裏側(傘の部分)やバルブ付近の吸気マニホールド内に堆積していきます。
今までのインジェクターが吸気マニホールドに取付された一般的なエンジンだと、ガソリンと空気が混ざった混合気が吸気バルブを通過するので、ガソリンに含まれる洗浄成分や、燃料タンク投入タイプのクリーニング剤で、カーボンの堆積を清浄することが出来ます。
しかし、直噴エンジンはインジェクターがシリンダーに取付されてるので、吸気バルブは空気しか通過せず、吸気バルブの裏側はカーボンが堆積していきます。
上の写真はたまたま見つけた直噴エンジンをO/Hした際の、吸気バルブに堆積したカーボンです。ここまで、カーボンが堆積すると正常に吸気が出来なくなり、エンジン不調になったと思われますね。
あと、吸気系の汚れとなるものにEGRが有ります。これは排気された燃焼ガスの一部を、再度吸気マニホールドに送って、燃焼温度を下げて燃焼効率と環境負荷の低減を図るシステムです。
こちらも吸気バルブにカーボンを堆積させる要因となります。
じゃ、直噴エンジンはどうしたらいいのか?って事で、下記にそれぞれのエンジンに対してのクリーニング方法を記載します。

(出典 和光ケミカル様)
上の図は、皆さんご存知の「ワコーズ」のクリーニング剤、フューエルワンとRECS(レックス)の清浄範囲を表したもので、一般的なエンジン(インジェクターがマニホールド)と直噴エンジンの比較した図です。(写真なので、拡大して確認してください)
直噴エンジンには、燃料タンク投入タイプのフューエルワンは、あまり効果が無いのがお分かりかと思います。
直噴エンジンはRECSの様に、ブレーキのバキュームホースから薬剤を点滴で投入する方式が最良です。勿論、一般的なエンジンでも清浄範囲が広がるので、効果は大きいです。
ただ、RECSは専門業者に施工してもらわないといけないので、自分はDIYでQMIの SX7000を使用して、同じく点滴方式でクリーニングしてます。
詳細は整備手帳でアップしてますので、興味がある方は観てください。
尚、このSX7000はホンダなら、ほとんどのDが施工してくれると思います。
もし、ご自分で作業されるのなら、自己責任でお願いします。
今まで乗ってきた車や、嫁さんのN-boxはインジェクターがマニホールド内(ポート噴射)なので、定期的にフューエルワンや写真のLOOPのフューエルクリーニングを投入してます。
愛車のエンジン構造に応じたクリーニング方法を選択してもらえたらと思い、ブログにしました。
長文お読み頂き、ありがとうございました😊
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2022/05/04 01:30:07