以前より気になっていたのが「アーシング」。
外装がプラスチックで、中のコアが鉄だとはいえ、全体的に電気が弱いとされている車種。私自身、車検の際にライトがつかなくなったので配線を引き回したり…
なんて原因不明の症状が出ている。まぁこの辺の話は実際にハンドルポストのレバー周辺の配線やスイッチが熱をもち、それで配線が飛ぶ…なんてこともあるそうなのだけども、この車、他の人の故障例を見てみると、割と電気的なトラブルが多いような気がする。症状をみると「熱をもつ」ことが多いそう。
熱をもつといえば、たとえば溶接のキャプタイヤがそうで。
溶接の熱…ではなく、配線が熱を持つ。
配線不良でもなければ、容量が足らないわけでもなく。
ホルダーとか…まぁ継ぎ目継ぎ目で熱を持つもので、そんなのテスターで測ったところで数値は出ない。
ガンガンに電流を上げて溶接してなくとも…こんなもん。
これがアーシングに似てる。
経験上、良く電気を使うトコは「独立した配線」をした方が何かと都合がいい。
ノイズを他に廻さないためにも、独立配線が望ましい。
おいおい!純正最強なのではないかよぅ?
配線の経年劣化とか…実際あんまり関係なく、配線では「純正最強」はちょっとちがう。昔から少しでも端折ることばかりに考えているのは、この車に限らず、国産車も同じ。そもそも「スイッチがダメになる」というのはカチカチやってダメになるだけではなく、そこに設計以上に大電流が流れてしまう事がある。昔から配線1本でも、リレー1個でも部品として減らしたい考え方、それが運動性能につながっていく世界だからしかたない。
外車の場合は特にスイッチ類は国産にかなわないことが多い。
例えば今ではスーパーカー扱いされているR32あたりも、設計が雑でスイッチがダメになることが多々あった。しかし古くはS30フェアレディZやハコスカは何十年たってもスイッチは健在だったりする。昔の車の方がお金をかけ、しっかりと作ってあったのよ。
コスト面、また配線は重さにも影響が出てくる。
性能を若干落としても「シンプルさ」だったり、苦肉の策として考えられている…としては純正最強なのだが。
また、ノイズ対策にしても有効で…
まぁぶっちゃけ純正製品の場合そんなにノイズが出るものだとは考えにくいが、通常プラスとマイナスをかけるようにコンデンサをつける。コンデンサの親玉がバッテリーであるわけで…
効果はどう出るの?
ん?配線の容量不足を解消する程度ですよ。
ただ古い車には特にそれが有効だけども、別にコレがビックリするくらい車が速くなることはない。あくまでも微々たる潜在能力を発揮させるだけの話で、それがその人、その車にとって有益かどうかの話。チューニングというものはそうゆうもの。
さて実車の話。
過去にこの車でアーシングで流行ったことがあるそうだ。
ATのシフトチェンジがいくらか早くなるからだそう。これは各専門ショップやチューナーも同じことを言っている。この車、いわゆる「ノンクラッチ」で、モーターでレリーズフォークを押しているからであろう。容易に納得できる。
あとは点火コイルの周辺。これはDIのくせに2コイルなので計6個のコイルがついている。点火というのは バシッと電気を流した方がいいので、この辺も後々欲しいかな。
他の方の施工した画像で、その他のとこを見てみると…
インジェクターやスロットルバルブにつけているのはちょっと意味がわからない。
あまり効果が望めないところにも引いているものが多いようで。それは無害ではないけども、効果が望めないところは省く。でも私はその方々の施工方法はバカにしたりしない。たとえカッコだけだとしても、それで十分の理由。私の場合は今後のことを考えての作業性を重視するだけ。
実作業。
この車、バッテリーが助手席足元にあり、マイナス端子はすぐ近くでボディアースとして落としてある。
エンジンルーム側でも同じで、まとめてボディアースにつなげてる。
つまり、マイナスの配線は端折られボディを「利用」している。
この車のアーシングで一番効果が得られるであろうと思うところはここで、マイナス端子からエンジンルーム側のボディアース部に直接引く。まずこれだけでも効果はあるはず。「んなわけねーだろ?」と突っ込みたいかもしれないけども、まずこれだけで端子の数が2個減るのだ。
溶接の配線の理屈を考えると、端子、ジョイントは1つでも減らすべき。
知らない人からいえば「溶接のような大電流の場合は…」と突っ込まれそうだが、確かに車よりは多少、ほんの多少電気的には大きいが、実は溶接というのは似たようなもので。さらに「使用効率」が割と低い。つまり各部「冷える」時間があるが、車の場合「常に流れている」ことが多い…のが熱につながる。
またこの溶接の話もアーク溶接の一例では、時と場合によるが2~30V付近で80A程でも連続使用でぶっとい22スケの配線が熱くこげたりもする。車では13Vで80Aなんて話はザラにあるわけで…そう考えると、他人の話とは思えない。
だから「ボディアースの方が大きな電気を流せるじゃん」となるが、もう一度書く。溶接にしろ車にしろ、ボディアースの部位の「端子付近」がダメになる。古い車を見れば一目瞭然だが、バッテリーのマイナス側の配線がダメになる。ダメとならずにも、何かこう、胴の部分が黒々と炭化している。
助手席のシート外し、バッテリーのマイナス端子から車内を通してエンジンルーム蓋周囲にあるグロメットを通し、インタークーラー上あたりにあるマイナス端子にダイレクトにつなぐ。
あぁそうそう。
今回は「シフトチェンジが早くなる?」とされているミッション、特にクラッチのアクチュエタのボルト付近でアースを取ってやろうという狙い。
結果は…
「何か全体的に調子が良い」「なんだかわからないけど、今日は調子がいいな という日みたいな感じ」のよう。何かこう滑らかな…そんな感じを受けた。
これだけでも大きな効果。十分楽しい。
が、ミッションやクラッチ操作の違いはあまり感じられなかった。
どうやら私が狙った対策ではなかった様子。
それでもまぁ、アーシングとしての効果は感じられたわけで…
もう何本か増やし、もう少し遊びたいトコ。