「明日暇?ならドライブいかない?」と、某センセーから電話。
そういえば。最近発足されたスマートの会にサクラとして入会を強いられたっけw。
確かそこに告知が…次週の事かと思っていたのだけども…そっか。
…曜日感覚がまるっきり抜けていて…
翌日、朝イチに吉野自動車さんに向かって、先日葛西から引き上げてきた黄色いスマートを預けられた私。
ビカビカに磨き上げられ、全く見違えるよう。
先日、たまたまオークション会場から引き上げる際に、なんとなくついていった時の車。
なんでもオークションはネットで入札出来、「下見屋」というのがいるらしく、実際に見なくとも意見を聞いてくれるシステムらしいのだけども、その方曰くあまりいい評価ではなかったのでドキドキだったそうだ。
「もともとの色がそうさせてたんだね」
くすんだコケのように見えたのかもしれない。
ちょっと磨くとビカビカになったそうだ。
引き上げ時のスマート。画像ではわかりにくいが…オークション会場。
「スマート700cc。何代か前。確か軽枠もあったよね」
あえてその程度の知識しか持たないようにしている。
先々月だっけか。センセーが名古屋から「ゴルフカートのような物」を持って帰ってきた。
屋根もドアも窓も…ない。矢印の先は 安全面の「バー」だけがガルウイングのように上がる。
しゃべっていたら24時を廻り…外気温は0度だか。車の中に霜がおりていて爆笑をした。
申し訳ないけどこんな車は知らなかった。
たまに流れてくるネットニュースでも写真が流れてくればコンプリートカーかと思う位で。
「ウケ狙いにも程がある」
30年程前、こうゆうのを「節操がない」と言っていた。
「なんでこんなのがいいのかな 意味わからない」
これは、他人が言えば失礼な言葉であるが、身内のようにお付き合いが長くなるとある意味「誉め言葉」となる。
内心「あぁそっか」
だいたいオープンカーやバイクは冬に買うもの。
センセーはオープンカーが好きで…ジープやロードスター、少し前迄はトライアンフのオープンだもんなぁ…。
スマートか。外野としては想定外。確かにチョイスとしてはイイかも。
この辺は私の中の車への気持ちとマッチしている。
「それにしても窓もないの?!フツーの…カブリオレもあったでしょうに」
「これがいいんだよぅ!」
…そうなんだ^-^;
でも調べて世界に何台、日本には50台弱しかないそうだ。
…レアかぁ… 実際のところ、中古市場でも売りに出されると即売らしい。
センセーから「乗ってみる?」と言われたけども、他人様の車はあえて乗らないようにしている。
フェラーリの時もそうだった。普通ならば喜ばしい申し出なのだが、それに甘えるとロクなことがない。
悪魔のささやきなのだ。いわゆる覚●剤と一緒。
危険なものほど面白い。
載せてもらったお礼にお世辞の一つでも言わねばと、良い所を探すもので…それが「印象」となり、言霊となり…感染してしまい身を亡ぼす結果となる。
過去に何人もそうゆう人を見てきた。というか、センセー自身もそうだ。
こうゆう場合は「興味がない」と貫き通すのに限るw。
話を当日に戻す。
吉野社長から操作系を軽く教わって。
とはいえ、カブリオ(れ)は すでにホロは開けられていて。
特別な操作も何もない。
細かいところはウィンカーレバーが逆、という、初心者外車アルアル。
右手だけで運転しようとしてしまうと、ついついワイパーを動かしてしまう。今回も数回やってしまったのは、書くまでもあるまい。
どうやらパワステはないらしいが、全く不要か。ふんふん。
あくまでも普通に走り出した。
「んま、こんなもんかな」
外車にとって、特に癖もないのが誉め言葉。
今時はそこいらの軽自動車と比べると…と、ついつい思ってしまうのだが、それは内装の快適とか豪華さとかか?。
このスマート、何年オチだっけ?!庶民が乗れる外車というのはいつの時代でもこんなもんなのかもしれない。
逆にいうと、その分国産車は素晴らしい。特に軽自動車はよくできている。
後で知るのだが、この車の内装に関してはグレードや年式によるものらしい。
お借りしたスマートは「まるで商用車のよう」だったが、全く気にならない。
屋根や窓をあければ、エアコンだって関係ない。スピードをあげたらオーディオも聞こえないからどうでもいい。
純粋にドライブを楽しめばいい。チョイ乗りやバイクのようなものか。
そもそもわたしゃ、オープンカーに乗ることは滅多になく…その辺はセンセーとは反対で、ビンボー症のせいか屋根有りの方が良いと考える。
晴れの日の爽快さよりも、雨の日の苦痛さの方を考えてしまう。
またオープンカーは大抵ホロを被せると、狭くて不快感があるので…乗れないし選ばない。
サンルーフですら「雨漏りトラブルが面倒」と考えてしまう。
一時期、前妻用にカプチーノを所有していたことがあったが、雨漏りの件でワーワー言われ、ヒドイ目にあった。日本のような気候にはオープンカーは合わないと考えているタイプ。
しかし…この歳になり「少しはイイかもね」と思っていたのも事実ではある。
もともと前妻との離婚をきっかけに「ここから先の人生折り返しは、車の事は考えないで楽しもう!」と決め込んでいた。
その前の人生は車漬けだったから離婚されて…という反省ではなく。ただただ食わず嫌いも駄目かな?と思っただけで…
なので積極的に知らない物を吸収しようという考えはあり…以前は毛嫌いをしていたオープンも…悪くないかもと考えていた。
朝の冷たい風がおデコを冷やす。
「帽子、被ってくりゃよかったかなぁ」
三郷から常磐道に乗り…
料金所スタートで多少モタつくかな?!とアクセルを踏み込む。
オートマの操作、シフトダウンをさせてみる。
ふとルームミラーを見ると、軽く白煙が舞う。
「あらあら…いかんいかんカーボンでも溜まっているかな」
後ろを走っていた仲間が、トランシーバでワーワー言っているように聞こえるが…風切り音で全くわからない。
事前にこの車を調べていたが…
アーシングで調子が良くなるだのこんな小さなエンジンなのにツインプラグでDIだのと、ちょっと様子がおかしいところがある。
物の考え方からすれば、ツインプラグが高性能に繋がるわけではない。
燃焼の理屈からすれば「ちゃんと火」が付けばいいのだ。
これはL型で散々やって学んだ。
何かが駄目だからプラグを2本にし、デスビが駄目だからDIにする。そう考えるとこの車、点火系は過剰な設定。
製造コストだってグンと跳ね上がるのだから、なにか理由があるのだろう。
ある程度回してないとカーボンが溜まりやすいのか。市街地ばかりを乗る設定なので、いつでもエンジンがかかるようにするためなのか?。
何かを設計段階で予見されていたからこうなってるのか。
エンジンの傾きが大きいから、インマニの向き、インジェクターの気化具合で失火しやすいのか…?どうなのかは知らん。
…んまぁその辺は…ズブズブの素人のオッサンにはどうでもよく…
「トロトロ走るより、ある程度廻してプラグを焼くのが良しなのだろうな」と考える。
守谷で集合。合流し…そこから北へ。
何人来るのかなーと思ってたら8台とね。
私は回走屋のようなものでw。
「すこし試してみようかしら」と、センセーのクロスブレードを追いかけてみる。
出発時はトロかったエンジンはだんだん調子が出てくるようになってくる。
「走行2万キロ弱」以前のオーナーは本当に足代わりしか使わず、放置されていたのだろうか。回せば回すほど調子がよくなるのがわかる。
しかし、驚くのが「速度を出しても怖くない」こと。
足回り、ボディ剛性の関係か?。
速度といってもたかが知れているが、それでも私が前に乗ってたフィット、しかもRSは「ボディ剛性が高められてる」なんて本当かどうかわからない噂もあったが、このスマートと同じ速度だとフィットはヨレヨレだった。
足だけではない、Aピラーとドアの隙間が開くのがわかる位だった。
みるからに腰高で、トレッド、ホイールベースを考えると…高速で巡行なんて軽自動車では考えにくく、「この車、良く出来てるな」と思うようになってきた。
峠道に入り。
「オートマのシフト操作を強いられるだろうな」と思って操作してみるのだが、全く慣れないし、忙しいのでメンドクサイ。
逆にオートマモードに入れて走ってみたら、こっちの方が断然気持ちよくシフトチェンジをしてくれる。
「このAT賢いなw」思わず笑ってしまった。
あとで聞けば、600ccからこの車の世代の700ccに変わった際、この辺が改良されレッドゾーンあたりでシフトチェンジしてくれるらしい。
気持ちよく峠道を駆け上がる。狭い峠道だから十分楽しめる。

おっと、タイヤがカピカピなんだ…と思いながらも、タイヤが鳴く事もなく、面白いように曲がっていく。
「足回りが良い」と言うことか。タイヤをちゃんと接地させられているのだろう。
とはいえスピードレンジは低いけど…キモチイイ。
確かセンセーは「RRだから」と言っていたな…
RR…乗ったことが無いもん。
一般的に車は本来FRが良しと言われるが、良いと思った事は一度もない。
朝日峠…昔 FFのAE92で走り回っていた事がある。この車はノーマルでも十分楽しかった。評判で86の方がとか101の方がとか言われたが、92は楽しかった。
その後数台乗った…R32GT-Rにも乗ったが、峠道ではただ怖いだけだった。スピードや車幅、根性不足だと思っていたが…安心感なのかもしれない。
「何十年ぶりに(純正で)足回りが良いと思った車に乗ったな」
実際本当にこの車の足回りが良いのかどうかは定かではないがそう感じた。
まぁもっともここ10年ばかりは車の趣味から遠ざかっていたし、所有以外の車に乗る事は殆どなかった。
思いおこせば…借りていたミニか…シトロエンか。それでも30年近くなるので感覚は忘れてしまったけども、これらだってチープなハズの足回りなのに「しなやか」だった。
車好きならイタズラにショックやバネを変えたくなるはずだが…どこまでいってもその乗り味には敵わないはず。
傍から見てもスピードレンジは低いだろうけど…恐怖感がまるでない。
腰高で、お買い物車のはず…なのに気持ち良く走れるのには笑いが止まらない。
休憩のパーキングで。

「やっぱ700ccは速いね」と言われる。
どうやら私の腕ではなさそうだw。
クロスブレードとはこんな車。
屋根もドアも窓もない。
節操もないのだw。
「雨降ったらどうするの」 「かっぱ着る」 ってねw。
内装は「一応」防水仕様なのだとか。
話をお伺いしていて、一番困るのは、ドアがないので物が落ちる事らしい。
アイコスのホルダーをどこかにおっこどしてしまったことがあるらしい。
センセーのクロスブレードは600cc。世代的には700ccの方が後になるそうだ。
吉野社長の白は1000ccだがNAとのこと。
山からの下りは、吉野社長と車を交換してみた。
内装は私が借りてきた700ccとは全く違い、イマドキのそこいらの国産車のようで豪華で。
誰しも選ぶならコッチよね。ちょっとしたデートにも使えるもん。内装だって飽きなそうだ。
しかし下りのコーナーで、どうゆうわけか、700ccよりも恐怖感が芽生える。
腰高感というか…なんというか。いや、それだけ700ccが良く感じたみたい。
1000ccはパワステ付き。
パワステ無しでのダイレクト感が良かったのかな。
あとは…何か車体が重く感じる。ロールセンターとか…まぁ素人が専門用語を並べるのはカッコワルイのでやめましょうかね。
たぶん…タイヤ外径、扁平率等を含めた足回りのバランスの問題なのかもしれない。
「乗り心地の良さ」に振ってしまったのか…味付けが違うように感じるが、何が違うのだろう。
市街地に入り、直線を軽く踏み込む。
「十分速いじゃん、これ!」
踏み込むとちゃんと加速をし、共にお尻が沈み、700ccよりトルク感があるように思える。
踏み込めば普通に走る…これを遅いというのなら…体感?。
オートマの設定か、タイヤの直径…つまり味付けなのかも…。
バイクで言うと中免枠の中での「4スト400ccと2スト250ccの違い」か…
1000ccはこれはこれで速い。トップスピードが出ないというのは…まぁこの手の車で10km/h差が付けば、なかなか追いつかないもんなぁ。
たぶんほんのちょっとの差じゃないかと思う。ATの関係とか… でも十分楽しい。
700ccだって走りがいいかというと…欠点がある。
料金所スタートの、加速するまでのタイムラグがはちょっと疑問で、モタモタモタっと加速しないことがある。
だからといって、それは問題にはならない。
逆にいうと、世間様からみた印象通りで、本来の正しい姿であり、追越車線を走ったり、峠道で気持ちよさそうに走る方がおかしいのよw。
今回だって、朝日峠のPAでは他の車好きの方々からはどう映ったであろう。
知らない方から見れば「可愛らしい車の集団」しかし操るのはオッサンばかりだもんなぁw。
昔、360ccの軽をこねくりまわしていた頃…「プアマンズ・ミニ」と呼ばれていた。
スマートは、いうなれば、プアマンズポルシェなのかもしれない。
悪く言えば…「原付」…いや「サンダル」かもしれないが、でもサンダルがオシャレさんってかっこいいもんな。
そう考えると、ちょいのり足車がコレというのは、すごく楽しいということ。
360ccの限界の低さは非常に楽しかったのを思い出す。
当時はパーツなんてロクに売って無かったし…かろうじてヤフオクが始まった頃。
無理してボロボロのミラのタービンを買ったりしたよなぁ。今では新品が手に入る。
今や、スピードを出せる所はどこにもない。
先日も、当事者同士の事故の話なのに、他人のドラレコの動画でニュースになって取り上げられていた。
事故がどうこう、違反がどうこうという話は別として、日本中全員正論を語ってては肩身が狭い。
いくら当事者が「いい音」と思っていても、興味のない他人からすれば「騒音」で。
正直言うと私ですら、センセーのもっているふぇらりのエグゾーストノートが良いとは思えなかった。
これはセンセーのが悪いのではなく、私自身がそれだけ「一般人」「ただのオッサン」に成り下がっているということ。
あれだけサーキットのパドック裏で血が騒いだのも…今じゃなんとも思わないかもしれない。
なので…仕事場に置いてあるZも、走らせる熱意の原動力にならない。
もっとも、仕事で精一杯、老眼が始まり…四十肩にもなったw。
何をするのにも おっくぅだけど… お恥ずかしい話、この歳で今月、初めて家族が増える。
…そんな中…
そう考えると…合法的に楽しく、スピードレンジも低めに設定…のこの車は非常に楽しく、センセーも「ナイスチョイス」だったと思う。
しばらく車から離れてしまっている私としては…
うーん…考えてしまう1台でした。