
油圧フロアージャッキって、サスペンションメンバーの中心にかければあっという間にクルマが持ち上がって左右のタイヤが浮くのですが、当たり前ですがそれって人間の力では絶対に不可能ですよね。
自分の愛車のカントク号ですら、重量が1トンあるんですから。
ニュースで、痛ましい事故の記事がありました。
「バンパーの交換中 車の下敷きに…男性が死亡 親族に頼まれて作業 何らかの拍子でジャッキ外れたか」

どんな状況で挟まれたのかは分かりませんが、原因は3つ考えられます。
① クルマが動いた
乗用車のパーキングブレーキは、パーキングブレーキ・レバーを引くとワイヤーが引っ張られて、リヤブレーキ(ドラムorディスク)を効かせてタイヤの摩擦力でクルマが動かないようにします。
そのリヤタイヤが接地状態でも、フロントを左右同時にジャッキアップする時は自分は万が一の為に、⬆上図のように必ず後輪に輪留めを掛けます。
勿論、リヤを左右同時にジャッキアップする時は当然、リヤのタイヤが浮いてパーキングブレーキの効力が失われるので尚更です。

② 車載パンタジャッキを使って倒れたか
そしてクルマの下に潜る作業がある時は、必ず「リジットラック」いわゆる〝ウマ〟を使います。
画像のように油圧フロアージャッキを外す前に必ずリジットラックを手で揺すり、足で軽く蹴って転倒しないか確認します。

車載のパンタジャッキは、赤い矢印の方向に揺すると簡単に倒れます。
接地面がオレンジで囲った面積しかないからです。
あくまでも、緊急時のタイヤ交換用に1箇所だけジャッキアップする時に使うもの。
これでクルマの下に潜るのは危険です。

③ 油圧フロアージャッキだけでリジットラック〝ウマ〟をかけずに下に潜ったか
画像のようにサスペンションメンバーの中心を油圧フロアージャッキでジャッキアップすると簡単にクルマが持ち上がるのですが、何らかの原因で油圧が下がったりジャッキアップポイントから外れた場合、当然クルマが下がって挟まれます。
油圧で簡単にクルマが持ち上がるので油断が生まれますが、1トンの車重で挟まれれば身動きとれません。

自分は画像のようにリジットラックで支えた状態でも、2つの対策をしています。
① クルマの下にタイヤを敷いて、万が一、リジットラックが倒れた時に脱出するスペースを確保する
② ツナギの前ポケットにスマホを入れておく
(万が一、挟まれた時に電話で連絡が取れるように)

このように何気なくジャッキアップされてますが、単純計算すると車重1トンを4箇所のリジットラックで支えると、1箇所に250キロの荷重がかかっています…

今回のジャッキアップ事故の記事を見て、慣れた作業による油断の危険と、改めて万全の対策をしなければならないなと思いました。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2023/03/22 06:07:31