これまで静電気や電気系統の導通改善を皆様に色々御紹介して参りました。しかし誰でもしっかり理解してマイカーを元気にして楽しんで頂こうと思い、今回総集編として完全マニュアルを公開致します。
これを読んで頂ければ、誰でも簡単な攻略法が見つかる様に纏めさせて頂きました。
ただ、あくまでも素人が研究・検証して来たものを纏めたものですので、間違っていたらごめんなさい🙏
第一章 入門編
先ず、何でもそうですが問題を解決するには、その事象を知ることから始まります。
これは車に溜まる「静電気」と、流れる「電気の導通」がどういう物かを理解する事から始めましょう。
1.静電気とは?
静電気を簡単に説明すると、物質にはプラスイオンとマイナスイオンが通常は同じ数存在し、バランスを取っています。これが何かのきっかけにより、プラスイオンが増えたり逆にマイナスイオンが増えたりします。この状態を静電気が溜まると言い、物質的には不安定な状態と言えます。
このようにイオンバランスが崩れる事を帯電、バランスが取れている状態を中和と呼びます。
このメカニズムを解りやすく説明しているリンクを掲載しております。
「静電気の基礎知識」
https://www.keyence.co.jp/ss/products/static/static-electricity/basic/incidence.jsp
静電気の種類は3つに別けられます。
①摩擦
文字通り2つの物質が擦れあって起きるもの。
車では、エンジンが回る事で内部のピストンとシリンダーが擦れあって起きたり、タイヤと道路が擦れあって起きます。また走行時の風とボディもこの部類に入る事になります。
②接触
2つの物質が接触する事によりイオンが移動してバランスを崩す状態。
車ではエンジンオイルなどの油脂類、ラジエーターの冷却水、ガソリン、静電気に接触している樹脂類がこの部類に入ります。
③剥離
これは車の場合ですと、人とボディや座るシート等があげられます。冬場にパチッと痛い想いをすることがあると思いますが、これがその原因となります。
一般的には帯電しやすい物は、プラスチック、繊維類が特に帯電しやすい物となります。
それでは入門編として詳しくは、こちらをご覧ください。
「静電気はどこに溜まるの?(これから始められる方向け)」
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/44087817/
なおこのリンクで使用する放電柵として導電性アルミテープをおすすめしてますが、導電性でないアルミテープでもほぼ同等の効果が出ます。大きく違うのは非導電性テープの場合、接着糊が帯電してからテープに流れ放電します。
少しタイムラグがあると言えばわかりやすいでしょうか。
以前はトヨタさんも導電性のテープを推奨していましたが、現在は唱わなくなりました。ご参考に。
それともうひとつ大切な事をお話します。
良く放電用に使うアルミテープが汚れていると放電しなくなるのではと思われる方がいらっしゃいますが、心配ありません!
アルミテープが放電する場所はギザギザカットされた断面からです。アルミ面からではなくエッジ(端)なのです。
だからトヨタさんのテープはフォークの様に放電するエッジの長さを稼ぎ細長い部分を複数作る事で放電効率アップを狙っています。
特に細長い部分があるとより効果的になります。これだけは、しっかりご理解ください。
おそらく、これらの施工をしてみると変化に気付くはずです。
それだけ静電気がお持ちの車の性能の邪魔をしていると言う事ですね☺️
これはパワーアップではなく本来の性能に近づいたと言うことです。
もし気付かない場合は、どうしてなのかこのあとの第2章(実践編)にて詳しくご説明させて頂きます。
2.電気の流れ
車は単純に説明すると、エンジンに付いているオルタネーターでエンジンの回転を利用して発電し、バッテリーで流れる電気を保持しつつ動かす機械です。
家庭用の電化製品は安定したAC100V電源に守られて稼働しますが、車の場合は、バッテリーという小さい蓄電池で全てを賄わなければなりません。
エンジンスタート~各種電装パーツ(ライト・ワイパー・エアコン・カーナビ...)等、たくさんの電気を必要とします。
エンジンがかかってしまえば、オルタネーターが助けてくれますが、負担は大きいものです。ましてや小さい部屋ひとつぶん位の大きさがありますので、配線も長いものは4mにも及ぶ物もあり細部に渡り分岐させますので、安全確保の為のヒューズも多数使われます。また配線の途中に接続端子も多数使われています。
そして基本直流電圧なので、車体をアースとして使い全体に電気を流しています。ここが電気的ロスを持つ1番の根元となります。
このような事から一般的な電気製品に比べると、自動車は圧倒的に電気的ロスが大きいと言えます。
また最近は様々なセンサー類等、回路的にも複雑化されコンピューター管理も増えております。それがトラブルの要因になる場合も増えて来ております。
そこで、より本来の安定した性能に近づけるべく簡単に出来る改善のポイントを解りやすくご説明させて頂きます。
①アースラインの安定化
これは昔から良く行われていますが、アーシングというアースラインを強化(安定化)することを意味します。
ここでどのような施工をすれば良いのかは、下記の通りです。
A.アースラインのボディ接続するボルトを導電率の高い物に変える。
B.アーシングラインの導通性アップ
となります。
先ずAについてご説明します。
アースラインに接続されている電気系統のボルトを純正から導通性に優れたボルトに交換する事です。
我、関東感電倶楽部で推奨するのは、黄銅製のボルトに変える事です。導通性能の高いボルトも市販されておりますが、黄銅製のボルトが圧倒的安さで導電率が高い物です。
これだけで、一気に導通性はアップし、エンジンのかかりが良くなる、オーディオの音が良くなる等、結果は一目瞭然。
最近の車はメーカーさんもちゃんと考えており、重要なアースポイントは導通性能を確保する為にボルトのネジ穴はしっかり導通するように工夫はされています。ただボルトまではコスト的な部分と安定感を求める為に強度の高いボルトを使っています。それを若干強度は落ちますが黄銅ボルトに変えちゃおうという事です。
強度が落ちると言っても、電気回路に使う程度のトルクなら問題ありません。
このボルトは店頭で手に入れる事が困難な為、AmazonやYahoo、MonotaRO等で購入可能です。
メーカーさんとしては「タキゲン」さんが有名で、全国あちこちに営業所があり、そこで直接買うことも出来ます。
次にBについてご説明致します。
NGCJAPANさんのアーシングヘルパーを取り付けてみてください。これで更に変化こが体験出来る様になります。この手法は理に叶った手法と言えます。
https://ngc-japan.com/info/?p=1954
これはアースラインのケーブル端子の芯線全体を銅製の特殊ワッシャーで接触させ導電率の高い特殊加工されたボルトでアーシングするというパーツです。
でも、ひとつで約2000円もするボルトと特殊ワッシャーが買えないお父さんは、ホームセンターで売っている銅板をカットしてワッシャー形状に加工して擬きとして作っちゃいました☺️
これはバッテリーのマイナス端子からのボディアース部の取り付けをアースボルトに変えてアーシングヘルパー擬き加工してあります。これだけで安定した電流が流せる様になりました。
★注意点
銅は時間が経つと酸化して腐食したりします。それを防ぐ為に表面をコーティングしてあげる事が必要となります。取り付け後にワックスやグリスを塗布することで防げます。
これらを施工することで、アースラインの導通性を良くする為にわざわざアーシングケーブルを付けなくても改善出来ると言うことです。
以上2点がアースラインの重要なポイントとなります。
②接点の導通性能アップ
これは車に限らず電気製品全般に言える事ですが、必ずパーツとパーツを繋ぐ為にラグ端子や電気回路の保護の為にヒューズが使われます。
そこには電気と電気が接触する必ず部分があります。
それらは見た目密着しているように見えますが、実はミクロな見方をすると部分的にしか接触しておりません。
導電改善剤を塗布して接触面積を増やし補う事で安定した導通が可能となります。
おすすめなのはこの2つ。
A.エツミ産業「ナノカーボンペン」
同じ素材を使った商品で「ナノカーボン」という商品もありますが、こちらは筆状の物で塗布するためにムラが出やすい物で、場合によっては逆に導通不良を起こす場合もあるので、使い勝手としてはナノカーボンペンをおすすめします。
これは非常に小さいので、ヒューズの導通部やリモコンキーの接点等に使うと、びっくりするほどビンビンに電流が流れるようになります。
B.スパークグリス ハイパー
これは銅ベースのペースト状になったグリスで、温度特性が非常に優れており、普通の銅ベースのグリスは火にかざすと燃えてしまうのですが、1100℃でも燃えないという物です。高熱になる部分にも安心して使えます。
入手経路としては、ヤフオクで流通しております。
これをバッテリー端子やケーブルの接点等に塗ってあげるとこれもたちまちビンビンに流れるようになる物です。
これは開発者の方が手作り的に作られており、たまに在庫がなくなる事もありますので御注意を。
あとはオマケで、お子さんをお持ちのご家庭なら、学習机の引き出しに鉛筆が転がっていると思いますが、これも接点復活剤として流用可能です。
金属同士を密着させる様に端子等に刷り込むとこれもそこそこ元気にしてくれます。芯の材料がカーボンですのでバッチリ導通します。試しに電池の端子等に刷り込んで見てください。
おっ!と思うはず。
下記のリンクにて、これらのポイントについて詳しく説明させて頂いております。是非一読してみてください。
究極の電気導通を目指すには?
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/45152419/
このサイトで伝えたい事は、新車は当然芯線全体がきっちり導通してますが、経年劣化で芯線の表面が腐食して導通性も劣化してしまいます。
それを本来の導通性に戻してあげようという事です。
これで初歩の誰でも簡単に出来る電気の流れを良くする方法を御紹介させて頂きました。
★注意点
あくまでも現状仕様の電気的導通を本来の流れに近づけるという事であり、パワーアップする訳ではありません。そこを誤解されない様にしてください。
どうでしょう?今まで興味の無かった方も、やってみるかな?という気になって頂けましたでしょうか?
これをご理解頂けたら、次のステップに参ります。
ご興味のある方は第2章(実践編)をご覧ください。
written by koppepapa