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やえなでしこのブログ一覧

2019年10月18日 イイね!

釣行長駆2,500㎞ ──最果ての地を目指して

釣行長駆2,500㎞ ──最果ての地を目指して最果ての地、というと思い浮かべるところは人や見方によって様々かと思う。
シンプルに大地の端っこの地なのか、はたまた辺境の地なのか。前者は地理的な意味で、後者は文明的な意味から見た最果ての地である。

本州の最果てというと、北ならば大間崎や竜飛崎がまず初めに思い浮かぶ。確かに地理的には津軽半島の北端は竜飛崎で、下北半島のそれは大間崎だ。しかし、私にとって本州の北の果てはそれだけではない。私にとっての本州の最果ての一つは下北半島の南西端、九艘泊なのである。
(この表現にお気を悪くされる方がいましたら申し訳ありませんが、ノスタルジーを誘うという良い意味で最果てと表現しています)

日本全国、津々浦々に道路は続いている。しかし、続いているといっても全てが環のように終わりのないわけではなく、ときどき道が果てるところがある。九艘泊はそんな道の果てるところの一つだ。九艘泊の奥にはもう何もない。人の住めない断崖絶壁である仏ヶ浦が数十kmに渡って続くだけだ。九艘泊そのものも小さな漁村だが、一番近い街である脇野沢の中心街から九艘泊に至るまでの数kmの道程も、また同じように小さな漁村が点在するだけなのだ。
地図上、脇野沢の中心街から北上する国道338号線は佐井村を経由して大間町へ繋がっている。しかし、この道は冬季閉鎖となることもあり佐井村の中心部へは川内から青森県道46号線あるいは253号線を経由するのがメインの行き方なのだろうか、国道338号線の交通量は非常に少ない。すなわち、川内の街で県道46号線が分岐して以降、九艘泊に向かってはひたすら辺縁の地を目指すようなものだ。そのおかげか、大湊より西だと量販店の類は川内の街にあるマエダストアとホーマックニコットしかない。

その土地々々が栄えるかどうかは、安定的に農耕ができる肥沃な土地があるか、豊富な天然資源があるか、良い港に恵まれているか等その土地自体の潜在力によって決まる場合のほかに、通過交通があるかどうかという要素もある。
例えば現在東北地方第二の都市として栄える福島県郡山市は、東西と南北を結ぶ街道の結節点として発展してきたし、逆に千葉県が埼玉県に対して人口や経済規模で劣るのも通過交通が無いという側面に起因するのは恐らく一つの解であると思われる。埼玉の背後には北関東や東北、果ては北海道まで控えるのに対し、千葉の奥には千葉しかないのだ。

九艘泊にはもうその先に続く何かはない(正確に言えば国道338号につながる細い市道のようなものはあるようだ)ので通過交通はなく、九艘泊には九艘泊を目指してきた人──すなわち釣り人か、十数件あると思われる集落の住人しかやってこない。文字通りの最果てなのだ。海が穏やかな時、この港町は本当に静かだ。ウミネコの声が美しく響くほかは、時折やってくる漁船や車の音しか聞こえない。



さて、そんな九艘泊を目指して横浜を発ったのは10月18日金曜日の早朝、まだ空が白み始める前。今回は即位礼正殿の儀の祝日に合わせ5連休が取れたので、陸奥湾の大型のマダイやサワラ、ブリをメインターゲットに、一人、本州の最果てを目指すことにした。一人旅は確かに寂しいが、それはそれで自由気ままに旅ができるので楽しい。特に今回は天気が目まぐるしく変化することが予想されたので、宿を取ることなく車中泊で済ませることにしたからなおさらだ。
ちなみにRS3はCセグメントハッチバックだが工夫次第で車中泊が可能だ。興味のある方はこちらのブログをご覧いただきたい。

私は地方へ釣行に出向くときは、道中のドライブをのんびり楽しむことにしている。流石に今回は下北半島の九艘泊が目的地なので高速道路を使わざるを得ないが、それでも松尾八幡平ICで降りて「八幡平アスピーテライン」を経由して東北随一の高原道路を楽しむ。



ここは個人的に日本三大スカイラインに位置付けている道で、眺望抜群の2車線の快走路が続く。その後はそのまま下道を北上して秋田経由で青森に突入した。

私は一人旅をするときは食事は最低限のものしかとらないので、安く早く済む丸亀製麺やはなまるうどんを特によく利用している。この2ブランドは全国チェーンだけあって普段住まう横浜にもあるし、当然今回はるばるやってきた青森にもある。しかし、同じチェーンではあるけれども、横浜とこちらでは雰囲気が少々異なる。都市部の店舗と違って、地方ではだれもそこまで急いでいない。店員さんが一人一人にかける接客時間は当然長いし、お客もそれを急かすような雰囲気にはならない。
弘前の丸亀製麺の列に並ぶ間、ふとこの雰囲気に時間の流れの遅さを覚えた時、私は同時に生き急いでいたことを実感した。地方を流れる時間はゆっくりだ。青森に限らず三大都市圏から離れれば離れるほど時間の流れが遅くなって、みんなが余裕をもって生きている。私もかつてそんな時間の流れの中で生きていたことを思い出しただけでも、今回の旅は収穫があったと言える。

その後、途中で釣具の調達、睡眠、陸奥湾内の釣り場の下見をして最終目的地である九艘泊に着いたのは翌19日の夕方だった。途中、天候の良い北陸まで逃げることも考えたが、せっかく青森まで来たので下北半島で粘ることにした。
先も述べたように大湊を過ぎるとコンビニすらなくなり、釣りエサや物品の調達がままならなくなるので、21日まで釣りを満喫するため大方の買い物は下北半島の中核都市、むつ市の中心部(むつ市は広大で、九艘泊もむつ市になる)でさっさと済ませている。最果ての九艘泊まで来てしまうと、何かの買い物のためにむつ市中心部まで戻る羽目になると片道1時間は見ないといけないのだ。

肝心の釣りはというと、真鯛狙いの19日の晩は空振りに終わったが、20日早朝のショアジギングでは50cmを超える良型のイナダ(ブリの若魚)をキャッチ。その日の昼間の投げ釣りでは再び空振りに終わるも、21日早朝のショアジギングでやはり同サイズの良型のイナダを再びキャッチ。19日夜から21日朝まででイナダ7、サバ1、メガネカスベ1(リリース)、アイナメ1が主な釣果。


ブリは釣り上げたばかりだと美しいエメラルドグリーンの体色をしています。


九艘泊漁港から平舘海峡方面を望む。



目的3目のうち、大きさは足りないまでも鰤をキャッチすることができた。また、実はショアジギングでまともな獲物を上げたのは今回初めてで、ロッドの入魂も完了できたので私としては十分な成果だ。それ以外はまた次回の釣行にとっておくとしよう。
やはり地方での釣りは良い。ちょっと不便なところはあるが、自分だけのペースで釣りが出来てあれだけの魚が釣れる。まだこのゆっくりと時間の流れる地で釣り糸を垂れたい気持ちはあったが、目指す我が家は遥か南860km先にあるので、後ろ髪を引かれる思いで21日9時30分に九艘泊を後にした。

下北半島から陸奥湾東南部を望む。東京湾と違って陸奥湾は本当に広いです。



朝の時合に合わせた生活をすると夜は必然的に床に就かざるを得ないので、この日は車中泊と言え実に9時間睡眠を達成していた。Cセグメントハッチバックでも、ちゃんとベッドメイクすると意外と睡眠が捗る。ということで体力にはまだ余裕があったので、帰路はさらにのんびりと全部下道で帰ることにした。
もちろんただ延々と4号線を帰るだけではつまらない。せっかく青森まで来たので十和田湖を経由して帰ることにした。




単に十和田湖に行ったことが無かったのでその姿を拝みたかっただけなのだが、無知というのは恐ろしいもので、十和田湖を目指していたはずなのにいつの間にか奥入瀬渓流の横を走っていた。恥ずかしながら奥入瀬川が十和田湖を源流とすることを知らずに、ハイシーズンを迎えつつある国道102号線に突入してしまっていたのだ(完全にハイシーズンになるとマイカー規制になる)。景観は素晴らしいが人も車も非常に多い。しかし三大都市圏を遠く離れ、空港からもさして近くはないこの地でこの集客力は目を見張るものがある。



観光バスがそこら中に路駐する阿鼻叫喚な大渋滞を何とか抜け、紅葉の美しい十和田湖畔を走る。ここには写真映えしそうな場所がいくらでもありそうだが、それはまた今度誰かと来た時に堪能するとしよう。
あとはそのまま奥羽山脈西麓に沿って延々と南下を続け、万世大路を経て4号線へ。途中数時間仮眠をとったものの、そのすこぶる順調なペースのおかげで22日早朝には栃木県まで到達していた。
イナダ7匹は夫婦二人ではとても食べ切れないので、4号バイパスが終わったあたりで進路を東へとり、途中実家に寄ってイナダとアイナメをおすそ分けした。実家で少し仮眠した後、さすがに首都圏は下道を使う気にはならず、無難に首都高を使って22日15時過ぎには無事横浜の自宅に到着した。

本州の最果てから実に1日半。またこの生き急がされる地に戻ってきた。ここでの生活は自らの生命をぎりぎりと削っている気がしてならないが、一方現在の愛車に代表されるような物質的豊かさを享受してしまっている今の身としては我慢して受け入れねばならないのだ。

さて、その日の晩ご飯はイナダのお刺身。釣ってすぐ血抜きしているので鮮度は最高だ。お店では売っていない美味しい魚を食べられるのが釣りの醍醐味の一つ。イナダは時々スーパーの鮮魚売り場にも並ぶが、ここまでの鮮度のものはまず無い。
イナダサイズとなると、腹身にはサシが入るとはいえブリと違い脂はそこまで乗っておらず、青魚そのものの味を楽しめる。鮮度が良いので臭みは全くなく、僅かに感じる酸味のおかげでとても爽やかな味わい。脂ののったブリも美味しいが、このイナダも非常に美味しい。




以前の相棒であったGTI以上に、RS3と地方への釣行は相性がいい。
高速だろうが下道だろうが往復2,500kmの道のりも全く苦にしない。
高速道路を走れば矢のような直進性と意のままに加速するパワーで全く疲れ知らずだし、山道を走れば(ホットハッチとしては重量級だがそれでも)安定したコーナリングと絶大なストッピングパワーで颯爽と駆け抜ける。所詮はコンパクトカーだから入り組んだ港町もお手の物。でも、非舗装路だけは勘弁な。

さあ、次の釣行はどこへ行こうかな。
Posted at 2019/11/04 23:00:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 釣行 | 旅行/地域
2019年10月18日 イイね!

RS3(A3) で車中泊する

RS3(A3) で車中泊する自然相手の遊びは何があるか分からないのがまた良いところで、気象、海象、時刻、季節によって何を目的に何処で何をするか、その時々に応じて変えていかなければなりません。

今回、青森は下北半島での4泊4日の釣行の際、天候が定まらなかったため目的地を臨機応変に変更できるように、普通の方はまずやらないと思いますがRS3を車中泊モードにしました。なお、A3やゴルフ7も基本的に同じ車ですから、同じようなもの好きの方がおられましたら参考にしていただけると思います。


完成形はトップ画像の通りです。これを作っていきます。実際には寝袋の脇にさらに釣竿をしまい込みますので、就寝スペースはもっと狭いですが。

まずは助手席側の後席を倒します。
流石ベースがゴルフだけあって広大な空間が生成されますが、これでは日本人成人男性の身長だと少々足りません。ということでスペースを拡張します。



次に助手席を最大限前へスライドさせます。



そうするとスペースは拡張されますが、このような間隙ができてしまい寝袋が敷けません。



ということで何か荷物を入れ込んで間隙を埋めます。今回は釣行でしたのでクーラーボックスとタックルボックスがちょうどよく間隙を埋めてくれました。



でもまだ少し隙間が残っていますので、適当な小物で埋めてしまいましょう。
まずはヘッドレストを引き出して、



今回はLEDランタンがちょうどよかったのではめ込みました。



これで寝袋を敷いて枕を置くことができます。



改めて完成形です。身長172cmの私だとちょっと足先がハッチにつくくらいですが、実際に寝る際は横を向くと足が曲がるので問題なく寝られます。170cm以下の方だと普通に寝られるでしょう。



ちなみに、運転席側のシートは倒さずにそのままにしておくとキャンピングカーで言うエントランス代わりになります。ここから乗り込んで寝袋へ入るのです。



私は床面にタオルケットを敷いていますが、硬いのが気になる方は何かマットを敷くと良いかと思います。それでも流石に寝心地は良いとは言えませんが、テント泊が大丈夫な方でしたら8時間くらいは平気で寝られるかと思います。
Posted at 2019/10/27 15:03:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | RS3 | クルマ
2019年10月05日 イイね!

オフ会のち夕景撮影

オフ会のち夕景撮影みん友の方にお誘いいただいてツーリングに行ってまいりました。
知識として頭に入っていても、こうして集まってみると世の中には色々なクルマがあることが改めて分かります。スポーツ性を追求したサラブレッドのようなクルマ、普通の乗用車をメーカーがコテコテにチューンしたクルマ、人も荷物も載って走りもいいバランスされたクルマ。

T型フォードが登場した当時は移動の手段でしかなかったものが、今では立派な文化です。そんな文化の中で生きる同好の士が集う場というのは素晴らしいものですね。実はオフ会は今回が初めてでしたが、また何かの機会があれば参加したいと思いました。お誘い下さりどうもありがとうございました。

やはり、クルマは所有する者の人生を豊かにしてくれます。



箱根で解散した後はまだ時間があったので、せっかくだからと西伊豆スカイラインで夕景を撮ってきました。ショアジギングロッドも車中に忍ばせていたのですが、いつもこの辺りでは釣りばかりしているので今回は写真にしました。


タイミングよく撮れた何かの鳥と船。



この撮影シチュエーションは最近のアウディやワーゲンが得意とするところです。プレスラインによる陰・陽とLEDヘッドライトがアクセントになります。



御前崎方面遠景。空自の御前崎分屯地と浜岡原発まで写っています。



宇久須漁港遠景。海面が波立っていて風が強そうですね。
ショアジギングではなく写真撮影にしたのは正解だったかもしれません。



日の入りまでスカイラインをうろうろしていたので、ラグビー日本vsサモア戦を後半20分まで見逃すことになってしまいました。でも綺麗な写真を撮れたのでまあ良しとします。
Posted at 2019/10/06 17:10:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 写真 | 旅行/地域
2019年09月21日 イイね!

懐かしさと斬新さが共存する島

懐かしさと斬新さが共存する島私が生まれ育ったのは千葉の片田舎で、米、野菜、果樹、林業などの第一次産業が盛んなところだった。
あたりは独特の地形を有しており、「谷戸」(千葉では「谷津」という)と北総台地が織りなす南関東特有のものだ。台地の上には畑や果樹園が広がり、谷津には小川が流れその周囲に水田──これを谷津田という─が広がるこのあたりだけの風景。

今は日本有数の都市である横浜に住んでいるが、宅地開発された中に残された自然公園の一角や、都市開発より前から建っているであろう家屋などを目にすると、ふと懐かしさを覚える。よく考えれば開発前の横浜も台地と谷津から成る地形であったはずで、その名残は私の故郷の部分々々を切り取ったものと同じ見え方になるのも頷ける。

そんな南関東の台地と谷津が織りなす地形とそっくりな景色を持つのが石川県の能登島だ。
最高標高179mの低山帯にところどころ低地があり、そこに水田が広がっている。千葉の谷津に比べるとやや高低差が大きいが基本的な構造は同じ。杉林が多いところもそっくりで、とても懐かしい感じがする。

ただし能登島と谷津が決定的に違うのは、能登島は水田の隣がすぐ海になっている点だ。あぜ道の隣がすぐ堤防になっており、当然それを越えればすぐそこに穏やかな内海が広がる。






これは千葉の谷津に育まれた私には衝撃的で、懐かしさを覚えながらも斬新さを感じるというよく分からない感覚が生じる。メダカが泳ぐその5m隣にはイワシが泳いでるって、日本中探してもそうはないと思う。しかも能登島の海というは関東と違って遠浅ではない。田んぼの隣でさえすさまじいカケアガリ(海底が急な坂道状になったところ)になっており、メダカの泳ぐ50m隣はイルカも泳ぐ水深20~30mの砂地が広がる(能登島ではイルカウォッチングができる)。とにかく能登島は不思議な島だ。

さて、今回RS3を能登島へ向けて駆った目的はドライブではなく釣行で、この時期接岸しているキジハタを釣ろうというもの。関西ではアコウと呼ばれ比較的メジャーな高級魚ではあるが、関東までくると個体数の少なさからか知名度は高くない。
その高級魚を釣ってやろうと金曜夜を徹して意気揚々と出かけたものの、今年はハズレ年らしく当たりすらほとんど無い。だがしかしそこは能登島。水深は逆境を克服する。投げ釣りに切り替えるとイシガレイが釣れてきた。




関東では晩秋から早春に狙う魚だが、そもそも絶対数が少ないレアな魚だ。それがここ能登島では周年釣れるらしい。生物相が濃いというのもあるだろうが、やはり水深があると釣れるものが違う。ここはマダイの数も多そうだから、一発大物の可能性もあって期待感あふれる釣り場だ。

能登島での土曜の晩ご飯の一品。マグロ以外は能登周辺の海の幸。



今回は3連休の突貫釣行であったため、実釣時間正味1.5日間でこのイシガレイ(最大は40cm)を中心にイシモチやシロギスがそこそこ釣れた一方で、残念ながらキジハタやマダイは釣れなかった。来シーズンになったらこの島でリベンジを果たそう。ついでに尺ギスも釣れたらいいな。

子どものころから慣れ親しんだ田んぼが広がる風景のわきにすぐ、こんな可能性を秘めた海が広がっているのだから、やっぱり能登島は不思議な島だ。
Posted at 2019/10/05 01:41:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | 写真 | 旅行/地域
2019年09月07日 イイね!

酷暑の中に初秋を感じる 山梨南部周遊

酷暑の中に初秋を感じる 山梨南部周遊都市部に住んでいると、ときどきある種の寂しさを覚えることがある。
具体的に言うと、気温の変化以外で四季を感じることが難しいという点についてだ。私がまだ故郷で暮らしているころは、例えば春の訪れは庭のフキノトウや冬眠から覚めたテントウムシなどが教えてくれ、皆が寝静まった夜の寝床で遠くの田んぼから聞こえてくる蛙の合唱で春本番を知る、といった具合に、それはもうそこかしこで色々な四季の変化を感じることができた。

今の時期だと、仕事を終えて駅から自宅までの道を歩いていると、実家の方ならこの時期この時間だともっと虫の声がにぎやかだったなあ、と寂しくなることがある。そんな寂しさには、地方へ出かけて四季を思い出すことが一番効く。

さて本日は、初秋の味覚であるぶどう購入をメインの目的に、山梨南部を周遊する日帰りドライブに出かけた。

この日は妻が珍しく早起きしてくれたので6時前には出発することができた。途中、国道1号線でこのタイミングでの工事渋滞には辟易させられたが、8時過ぎには「道の駅どうし」まで至ることができた。この道の駅はいつ行っても活気にあふれている。ツーリングのメッカともあってクルマ、バイク共に多様な車種が集まるからだ。だからトイレ休憩だけでも十分楽しい。

休憩もほどほどに最初の目的地である「湯之奥金山博物館」を目指す。山中湖北岸の山梨県道729号線で富士山を拝みながら走り、いつもは渋滞している「道の駅富士吉田」から先のあたりもスムーズに通過。休日とはいえ、この時間であれば渋滞はないようだ。その後、道の駅なるさわで買い物しつつ、10時過ぎには博物館に到着した。

ここではミンミンゼミがたくさん鳴いていました。相変わらず野山は緑真っ盛りですが、アブラゼミがいなくなってミンミンゼミとツクツクボウシだけになると、もう夏も終わりです(やや主観入り)。




湯之奥金山博物館は一見地方によくある地味な博物館だが、金山ともあって砂金採り体験ができる。砂金採り自体は別の金山でもできるが、ここはあまり混むことが無くのんびりできるのでときどき夫婦で訪れている。

砂金採り体験室。冬は温水になります。1回30分\700です。


今回、夫婦二人での成果。初心者は30分で5粒取れれば上出来だとか。持ち帰り用にプラ容器を貰えますが、専用の容器も売っていて次回持ち込めば追加で入れてくれます。




砂金採り体験を終えた後は「道の駅みのぶ富士川観光センター」でちょっと早い昼食を。ここには「スヴニール」というバラ園に囲まれたフレンチのレストランがあり、店員さんの応対が良く味も悪くないのでこの辺に来る際はよく利用している。フレンチとはいっても家族連れも利用できるカジュアルフレンチで、Tシャツ短パンでも大丈夫だし、価格も観光地の定食程度なので気兼ねなく入れる。

本日の魚料理、コロダイとヘダイのポワレ。食べ比べるとヘダイの方が少しクセが強ったかな。でも淡白な白身でどちらも美味。下のリゾットもサクラエビ入りで美味しいです。


スヴニール周辺のバラ園。意外と広いです。
普通に見て回るだけでも30分くらいは居られるかも。




スヴニールでは最近話題の羽田市場を利用しているらしいです。
まさか山梨の山の中でこの魚種を食べられるとは思いませんでした。




羽田市場が気になったので調べてみた。どうやら漁師・漁協と飲食店をつなぐサービスのようだ。空輸を活用していることと介在する業者が少ないことで、好きな時に好きな量を入手できるとのこと。
しかし釣り好きとしてはコロダイ・ヘダイ・クログチ・イラの組み合わせには驚きを禁じ得ない。4種ともに味はいいが市場での評価はそれほどは高くなく、関東の一般家庭には絶対に流通しない魚だ。そんな魚種を自信をもって送ってくる羽田市場、あるいは自信をもってそれを選んだスヴニールのシェフには賞賛の言葉を申し上げたい。こうやってまだ日の目を見ない魚種に認知されていくことで、生産者も消費者もきっと幸せになれる。

話が脱線してしまったが、昼食をとった後は本日のメインである観光果樹園「光果園」に向けて出発する。光果園への最短ルートは中部横断道と国道140号線だが、ここはドライブを楽しむべく別ルートをチョイス。
今回のルートはこちら
※鰍沢口駅前のみ通行止めで迂回。

まずは国道52号線に戻り北上する。国道52号線はもともと交通量の多い道であったが、並行する中部横断道が波高島まで開通して通過交通がそちらに回ったため、のんびり走れる道になったようだ。鰍沢口を過ぎたあたりで右折し、金川曽根広域農道に入る。ここからが今回のハイライトとなる道で、御坂山地北麓を走る景色の良い広域農道だ。また、この道は東へ行けば行くほど果樹園が広がるようになっていく。どこの果樹園でも、もう桃の果実の姿が見えないところから夏の終わりを感じる。

茅ヶ岳と八ヶ岳、甲府盆地をバックに。
※ここはY字路になっているので、駐車する場所に注意が必要です。




この道は多くの部分で北側の展望が開けており、開放感のあるドライブが楽しめる。しばらくすると盆地へ向けて下って行ってしまうようになるが、その手前でみやさか道へ分岐すれば今度はこちらの道がその役割を担う。みやさか道は笛吹市境川町大窪のあたりで広域農道から分岐する道で、正式名称東八農免農道という。

初秋とは言えまだまだ残暑(というかもはや酷暑)は厳しいです。陽炎がゆらゆら。


みやさか道の途中にあるふるさと公園。
ここは景色が良いだけでなくリニア新幹線が見られる展望台もあります。




みやさか道が終わってから少し走ると光果園に到着する。初めて訪れたのは確か3年前の桃狩りだったと思う。その年は7~8月に3回も桃狩りに行き、その最後が光果園だったのだが、ここが断トツで一番甘くておいしかったのでその後毎年通うことにしている。




今回はぶどうは買うだけにしようと思っていたが、農園の方があまりにも熱心に勧めるので、じゃあそれならと結局シャインマスカット狩りもすることになった。
実はぶどう狩りはこれが初めてで、まあ普通の果物狩りだろうと思っていたが、やってみると実に面白い。ぶどうは他の果物に比べて個体差が大きく、粒の大きさ、房の大きさ、房全体の形や熟し方などいろいろな要素を持っており、どれを狩ろうか選ぶ楽しさがある。よくよく吟味したうえで選んだ一房は自分だけのオンリーワンだ。


これが我々の選んだ”一房”たちです。




他にもし桃がまだ残っていれば買って帰ろうと思っていたが、そこはやはり初秋、道中で感じたように桃はシーズン終了となり優良な品種はもうないとのこと。桃好きには残念な話だが季節ものだから仕方ない。でも、これから秋が進めばぶどうに加えて栗がはじまり、キノコもどんどん出てくるし釣りもハイシーズン真っ只中。それらが落ち着いた後は山の錦が私たちを迎えてくれる。

日々の生活で感じる寂しさの代わりに、初秋の訪れが湧き立たせる大いなる高揚感と、さっき狩ってきた今晩のデザートへのささやかな期待感を胸に、ちょっと早いけれども帰路に就くことにした。

Posted at 2019/09/09 23:02:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | ドライブレポート | 旅行/地域

プロフィール

「@danslemidiさん、素敵な写真ですねえ。5~6月の緑はほんとうに綺麗で癒されます。日々の中に散りばめられたちょっとした瞬間を大事にしていきたいですね。」
何シテル?   05/26 15:23
地方の県道や広域農道を寄り道しながらのんびり走るのが好きです。以前は山道を走り回るのが好きでしたが、最近ようやく落ち着いた走りを好むようになってきました(笑) ...
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