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やえなでしこのブログ一覧

2023年07月02日 イイね!

梅雨の晴れ間 夏の始まり

梅雨の晴れ間 夏の始まり「初夏」というと言葉の定義上は5月初めから6月の初めくらいまでを指すようだけど、私にとっては初夏と言えばやっぱり6月。

田んぼを包み込んでいた蛙の合唱はとりあえず収まり、セミが鳴き始めるまで一瞬だけ静まる季節。アブラゼミやミンミンゼミの五月蠅さを思えば、嵐の前の静けさという表現は決して大げさなものではないと思う。野山の緑はというとまだわずかに若さを残しつつ、一気にその勢いを強くして夏本番を迎えようとする。
そうやって盛夏に向けて動植物たちが着々と力をため込んでいく様子が見られるのが6月。だから私にとって初夏とは6月なのだ。


そんな6月を代表する味覚、さくらんぼ。
山形へのさくらんぼ狩り旅行は、ここ5~6年ほどの6月のルーティン。
歳を食ってくるとどうも保守的になってしまってしょうがないが、さくらんぼは美味しいんだから仕方ない。それに山形県はさくらんぼだけじゃなく色んな美味しいものに溢れているから、食い意地の張った私はまるで昆虫のように自然と引き寄せられてしまう。

山形県はさくらんぼの産地だけあって、この梅雨時でも雨になることは少ない(雨が多いと裂果障害が起きるらしい)。これまで私がさくらんぼ狩りで訪れるときは雨が降っていたことが無いかもしれないくらい。だからこの梅雨時のドライブ先の候補としても山形県は魅力的。

ということで6月の半ば、今年も2泊3日の旅程でさくらんぼ狩り旅行へ出かけた。

1泊目は福島県裏磐梯のときどきお世話になっているペンション。
高速道路で直行するとすぐ着いてしまうから、いつも下道メインでドライブを楽しみながら北上する。7時くらいに出発したら、私にとっての毎度おなじみ常磐自動車道谷和原ICで下道に降りて、そこからはのんびり北上。

普段なら下道における最短ルートで北上してしまうのだけれど、今回は早々に東側にそれて桜川のあたりから改めて北へ進む。今回は素敵なお昼ごはんでもと思って、益子にあるカフェに目星をつけておいたからだ。
実は茨城県の筑波のあたりから栃木県南部にかけてはお洒落なパン屋さんやカフェがたくさんある。数字の裏付けがあるわけではないけど、たぶんほかの地域に比べても全然多いと思う。これまた裏付けがあるわけではないけど、なぜそうなるかを考えると茨城県南部は割と小麦の作付面積が多そうなことと、この一帯は里山が広がっていて古民家的な建築が多いこと、あとは益子焼の産地を包摂していることや人口集積地帯の首都圏が近いことが挙げられるように思う。

さて、今日のお昼ご飯はそんな素敵なパン屋さん&カフェ銀座にある「週末食場 SONO蜩」。益子焼の窯元さんが土日だけオープンしている素敵なカフェ。雑木林の中にあって、周りの雰囲気に溶けこみやすい木を多く使った建物。中も落ち着いた感じでアンティークな小物がたくさん。



ちょっと驚いたのがこのランプ。どこのランプでしょう?


実はこれマツダのランプなのです!といっても車のマツダではなくランプのマツダ。由来はどちらもゾロアスター教のアフラ・マズダだけど作っている会社は別物。以上、世界史しかできなかった人間の豆知識でした。

ここで私が食べたのはハンバーグのトマト煮込みっていう名前だったかな。意外とボリュームがあって、しっかり手作りしてる感があって美味しい。器はもちろん窯元さんが作った益子焼で、見た目にもおいしい。



これらの器はカフェの外で販売もしているので、気に入った器があればその場で買うことができるのもこのカフェの良いところ。やっぱり料理を美味しくするのは味ももちろんだけど、器や雰囲気も同じくらい大事。せっかくなので今回はメインが乗せられるお皿を2枚いただいた。お料理も器も素敵なのでまた来よう。



昼食の後は一つ行きたいところがあって、妻にお願いして寄り道させてもらった。それがここ「いわむらかずお 絵本の丘美術館」。



いわむらかずお氏は14ひきシリーズが代表作の絵本作家。小さな頃、両親が揃えてくれたこの14ひきシリーズを私はよく読んでいた。この絵本には14匹のねずみたちが森の中で自然と共に暮らす様子が描かれていて、私はその美しく優しいタッチで描かれた動植物たちが大好きだった。
実家の周辺は暗い杉林ばかりで多様な生物の暮らす雑木林と言うのは珍しかったから、14匹の暮らす明るく豊かな森への憧憬のような思いがあったのだと思う。

森に囲まれた駐車場。やっぱりこの季節の緑は美しい。
近傍のクヌギは6月半ばながらすでに樹液を出すようになっており、洞にはコクワガタが潜んでいた。この手の甲虫が動き出すといよいよこれから来る夏の盛りを感じさせる。



ちょうどこの日は「14ひき」展の真っ最中。懐かしさを覚えながら見て回った。あいにく写真撮影ができないので様子をお伝えすることは出来ないのだけれど、14ひきシリーズが好きだった方はぜひ行ってみてほしい。ちなみに訪れてから気づいたけど、ここは展示室だけが美術館なのではなく、美術館の敷地全体が美術館そのものなのだそう。14ひきシリーズで描かれているような四季の移ろいと彼らの生活を体験できる、というコンセプトで作られているとのこと。今回は時間が無くてコクワガタを見つけた以外は建物内しか見ていないから、次回はもっとゆっくり絵本の丘全体を見て回ろう。

なお、この美術館までの道は割と狭く農道のようなところもあるので、最初は本当にこの道で合っているのか心配になるけど大丈夫です(笑)。ちゃんと美術館につきます。



美術館を出たらあとはペンションに行くだけ。
途中見つけた変な色のローソン。茶色のはたまに見るけどこれは何色?



国道294号をずっと進めば裏磐梯のふもと、猪苗代湖まで行ける。この道を通るのは1年ぶりだったけど、途中の白河市にはこの冬白河バイパスが開通していて、市街地を抜ける時間が一気に短縮されて便利に。また、小ぢんまりしていた道の駅季の里天栄はリニューアルオープンして中規模の道の駅に様変わり。国道294号の勢至堂峠手前の狭隘区間もいつのまにかバイパスされていて、この1年でいろいろ変わったみたいだ。もう夕方なので道の駅以外は特に寄り道せずペンションへ直行。



良くお世話になるペンションサッチモ。
森の中にある露天風呂とオーナーこだわりの料理が人気のペンション。
この日はお客さんがいっぱいでにぎやか。コロナ禍は終わったんだなあと改めて実感。



これはオーナーさんにお勧めされたお酒。


このペンションは日本酒が常時いくつか揃えてあってどれも美味しいのだけど、この日たまたまあった青森にある酒蔵の大吟醸はメロンみたいな香りで最高に美味しかった。酒嫌いでふだん1滴も飲まない妻でさえ美味しいと言うほど。

晩ご飯には早くもトウモロコシが。裏磐梯のトウモロコシは甘くて抜群にうまい。もう少し早い時期に行くと裏磐梯産のアスパラが出てきてこれまた抜群にうまい。裏磐梯は野菜が美味しいところ。



翌日はさくらんぼ狩り。
ペンションの美味しい朝ごはんを食べたら出発。
目的地はさくらんぼの一大産地、東根市。ここから山形方面へは白布峠を越えていくのが早い。白布峠は西吾妻スカイバレーが通る。この道は程よいワインディングと最高の景色でドライブにはもってこい。まずはペンション村を出たら桧原湖東岸の道。この道もコーナーが連続して楽しい。

白布峠に向けて登り始めたあたり。今日も緑が美しい。



たまにはクルマメインで1枚。彼方に見えるのは飯豊連峰かな?



ヘアピンカーブもあって楽しい。



開通記念碑のある駐車場ではなんと新型RS3とご対面。
写真で見るとちょっといかついなあと思ったけど、実物はめちゃくちゃカッコイイ!これまたホイールがお洒落でよい。まるで社外品みたいな凝ったデザイン。



今回通った桧原湖東岸から西吾妻スカイバレーにかけては路面状態が良いので、ドライブモードをダイナミックにしても大丈夫。交通量も多くないので自分のペースで気持ちよく走れる。

米沢まで下りてきたらそこからは高速。東根市まで一気に。
普段なら下道を通りたいところだけど、お宿に早めにチェックインしたいので時間を節約したいのと、米沢から東根まで下道&時間優先で行こうとすると国道13号をずーっと北上することになり、ちょっと退屈なので高速道路を使ってしまう。もちろん時間があれば西側の長井市から北上するルートもありだし、マツタケぶどうラインを使って東側から北上するルートもあり(あと県道5号線使うルートもあるけどこれは良く知らないです)。道の駅に寄りたいなら西側ルート、走りを楽しみたいなら東側ルートかな。

今年の東根のさくらんぼは不作だそうで。
たしか農園のご主人は低温?晩霜?にあてられたせいと言っていたような。
言われてみると同じ佐藤錦でも前年以前の写真より実付きは悪い。逆に実の数が少なくなったおかげか実の大きさ自体は例年より大粒なように感じられ、満足感のあるさくらんぼ狩りが出来た。





東根市の農産物直売所「よってけポポラ」では、山形県産さくらんぼの最新品種「やまがた紅王」が店頭にならんでいた。昨年から先行販売が開始され、本格的に市場に流通し始めたのは今年からという超高級品種。なんと1粒100円くらいします…。



このあとすぐ宿へ行きたいところだったけど、時間が少し早すぎるのでちょっと寄り道することに。東根のさくらんぼ畑からちょっと南に下って山を登ったところにある天童高原へ。時間をつぶすことになる可能性を見越して事前に調べておいた景色が良さそうな場所。



眺めは素晴らしいけど残念ながらちょっと霞んでるなあ。
適当に写真を撮ったら山を下りる。



さて、今晩の宿は天童温泉。なかなか雰囲気の良い温泉街。



我が家では年に1、2回だけ、ちょっといいお宿に泊まることにしている。
二十四節気のおもてなし「天童荘」。


このお宿、なんとポルシェの急速充電器?が設置されていた。街中では初めて見たかもしれない。これならタイカンでも安心。

天童温泉は国道13号線沿いにあり、東根市からもすぐのところにあるのでさくらんぼ狩りとの相性が良い温泉街。あくまで個人的な印象ではあるけど、山形は県の規模に反して素敵な旅館が多い。ここ天童温泉にも高評価な宿が多くあり、県下には他にもかみのやま温泉や銀山温泉といった温泉街を中心に魅力的な宿が多くあるように思う。

温泉旅館だから夜ごはんは懐石料理。やっぱり和食は地のものや季節のものがふんだんに使われていて嬉しい。茄子、とうもろこし、枝豆(だだちゃ豆?)など、早くも夏の野菜が多く並ぶ。



翌朝、目が覚めるとこの日は快晴。最終日は帰るだけにしようと思っていたのだけど、これだけ空が澄んでいるなら昨日の天童高原にリベンジしなければ。ということで再びやってきた天童高原。そこには期待を裏切らない最高の眺望が広がっていた。



山形県と言うと、こういう眼下に広がるっていう感じの景色にはあまり恵まれない県だと思っていたけど、いやいや全然そうではない。今回は午前中の撮影だけど、ここなら夕景や夜景もいけるでしょう。

何度も言うけど6月の緑は最高。そしてPENTAXの寒色系の描写も最高。



天童高原はこんなところ。



夏を感じさせる1枚。



634の松とお花畑。



あまりに天気が良いので麓に降りてからもう1枚撮ってしまった。
高・中・低の山々が重なり合う東北らしい1枚になったかな。



せっかく天気が良いので蔵王を通って帰りたいところではあるが、あまりゆっくりしすぎると翌日に響くのでこの後は大人しく帰ることにした。



今回の旅ではちょうどよく梅雨の晴れ間に恵まれ、南東北の初夏を十二分に満喫することが出来た。最近は仕事が忙しくて長期の連休でもない限りゆったり出かけることがなくなってしまったけど、今回は久しぶりに季節感を味わう旅が出来た。
14ひきシリーズに描かれているような季節感のある生活はなかなか難しいけれど、これからもこうやって時々はゆったり出かけて四季を愉しむようにしたい。

おわり



あとがき
奮発して自宅用にちょっとだけやまがた紅王を買いました。あと山形美人も。右が「やまがた紅王」、左は「山形美人」。全然大きさが違いますね。紅王は高級品だけあってもちろん美味しいですが、個人的には「山形美人」が好きです。
「山形美人」はここ最近出回るようになったらしいややマイナーな早生種なのですが、甘みも酸味も強くてさくらんぼそのものの味が濃く、私好みなのです。


Posted at 2023/07/02 22:24:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | ドライブレポート | 旅行/地域
2023年06月09日 イイね!

乗り換えました

乗り換えましたご無沙汰しております。

もう3か月も前のことになってしまいましたが、クルマを乗り換えました!


今回乗り換えたのはRS5スポーツバック 2020年式の中古車になります。
RS3には非常に満足していたのですが、唯一積載量だけ不満に思っておりまして、例えば二人以上で長期の釣り旅行に行く際は荷物が大量になってしまい、RS3の荷室容量だと毎回のように積み込みに四苦八苦してました。

ということで実はRS4の良さげな中古車がないかとずーっと探していたのです(もちろんRS4以上の新車なんて私にはお高くて買えませんので…)。

だからもともとRS5は微塵も考えてなかったのですが、よくよく考えるとアウディの5ってスポーツバックの設定があってたくさん荷物積めるんですよね。ってことに気付いて、ふと検索掛けてみたら懇意にしているディーラーさんにちょうどいいのがあったので勢いで契約してしまいました。

で、実際乗ってみて改めて実感したんですがRS5スポーツバックってめちゃくちゃ荷物積めますね!釣竿積んでクーラーボックス積んで車中泊用のマットと寝袋積んでもまだいけます。最高です。おかげで素のA5スポーツバックの完成度が半端ないことに気付きました。
半面、乗り回す楽しさはやはりRS3には敵わないです。同じRSでもRS3はホットハッチらしく弾け飛んでく感じの乗り味でめちゃくちゃ面白かったです。RS5はどっちかというとゆったり時々スポーツといった感じ。私も歳食ったのでちょうどいいかもしれません。


これまでの愛車遍歴を振り返ると、

ゴルフ5 GT-TSI 直列4気筒1.4Lツインチャージャー
ゴルフ7 GTI 直列4気筒2.0Lターボ
RS3スポーツバック 直列5気筒2.5Lターボ
RS5スポーツバック V型6気筒2.9Lツインターボ

世間の潮流に真っ向から逆らって順調に排気量を増やしております。この法則だと次に乗り換えるときは7気筒3.5Lあたりになるかもしれないです(笑)。


これからもフォトジェニックな道を求めて日本中を旅していきたいと思います。



Posted at 2023/06/09 20:34:26 | コメント(3) | トラックバック(0) | RS5 | クルマ
2023年03月20日 イイね!

野付半島 日本の最果て

野付半島 日本の最果て大地の果てるところ。
森林が荒野に姿を変え、その荒野がゆっくりと海に沈んで果てていくところ。そんな場所が北海道にある。

私が小中学生だったころ、知床の意味は「大地の果て」とか「大地の行き詰まり」などと教えられていて、てっきりそういうものだと信じ込んでいたが、実はただの「岬」あるいは「突端」という意味らしい。そう言われてみると、確かに知床岬は山脈がそのままオホーツク海に突き出た形の、まさに突端といった地形だ。そして、私としてはもっと果てと呼ぶにふさわしい場所があると思っている。それが野付半島だ。

野付半島は知床半島から少し南に下ったところの標津町と別海町にまたがる細長い半島で、砂嘴と呼ばれる砂が堆積した独特な地形からなる(関東では江の島や富津岬が砂嘴の代表例です)。

※出展:Wikipedia(パブリックドメイン)


古来、野付半島は海岸の浸食で流れ出た砂がこの地で溜まることでその地形を保っていたが、現代では河川や周辺海岸の護岸工事の結果、その砂が供給されなくなり半島としての姿が失われつつあるらしい。
野付半島の中ほどにある「トドワラ」。立ち枯れたトドマツが塩性湿原の中に残る奇勝だが、昔の写真と比べると倒木も含めトドマツの残骸はだいぶ数を減らしてしまった。半島の付け根の方も浸食と地盤沈下のせいか海がすぐ近くまで迫っていて、近い将来、野付半島は北海道から切り離されて島になってしまうと言われている(野付半島消失とトドワラの縮小そのものに因果関係があるかは調べてないので分かりません)。

トドワラ

※出展:Wikipedia(FoxyStranger Kawasaki撮影 CC BY-SA 3.0)


野付半島は、今この時間も波に削られながらゆっくり朽ちて沈んでいる。
まさに大地の果てていくところなのだ。

ふつう大地の変わりゆくスピードはゆっくりで、それに比べれば私たちの人生などほんの刹那に過ぎないが、先のトドワラの変化でも述べた通り野付半島は例外。たぶん私たちの人生の歩みの中で、野付半島が変わっていく様を目の当たりに出来てしまう。

40年前の様子を載せているブログがありました。
「40年前の北海道・トドワラ」


そんな野付半島を訪れたのは2022年10月のこと。初めて訪れたのは2018年7月だったから、そこからだいたい4年ぶりになる。
前日に宿泊した霧多布を出発し、国道244号線を北上。しばらくは森と牧草地の中を走るちょっと退屈な道だが、風連湖を過ぎたあたりで海沿いに出ると東側に海を臨みながらの絶景ルートとなる。



しばらく走ると右手に平らな野付半島が見えてくる。奥の山がある陸地は不法占拠されている国後島。



何とこの日は蜃気楼が発生していて、野付半島が浮いて見えるではありませんか。



教科書に載せていいくらいに思える見事な蜃気楼!



南側から野付半島に入るには、半島そのものが視界に入ってきてもだいぶ遠回りが必要になる。上の写真を撮った場所からはさらに20kmくらい走って、道道950号線へ右折すると野付半島がはじまる。

半島付け根のこの辺りが、いちばん陸地の幅が狭いところ。
高潮や高波で通行止めになることがあるらしい。



少し走ると野付半島ネイチャーセンターに着く。
この写真は外海側から北海道本島を望む形。



逆の外海側には石ころの海岸が広がり、もうすぐそこに国後島が見える。



駐車場でクジャクチョウが羽を休めていた。関東平野では見かけない北方系のチョウ。



ネイチャーセンターでは食事もできる。ホタテバーガーがとても美味しい。時期が合えば貴重な北海シマエビの踊り食いも可能で、意外と侮れないグルメスポット。
※写真は前回2018年7月に訪れた時のものです。





ネイチャーセンターを過ぎてすぐの辺りは美しいすすきの草原となっている。



ネイチャーセンターから数km進むと道道950号線は終わり。
一般のクルマはこれ以上先には進めない。
※写真は前回2018年7月に訪れた時のものです。



がしかし、なんとネイチャーセンターで侵入許可をもらうことが出来る。
(ちゃんと申請書の提出と身分証明書の提示が必要です)

ということで侵入許可をいただき、どんどん先に進んでみる。ただし道道950号線の終点より先はずっと砂利道が続くので、サスが硬いクルマは大変…。



しばらく進むと周囲がすすきの草原に塩性湿地が混じるようになる。ただの泥のようにも見えるが、間近で見ると泥炭のような感じ。

塩性湿地は野鳥の楽園。いずれここも沈んでしまうのかな…。



この日は本州ではめったに見られないオジロワシの姿も!
(解像度低くてすみません。。。)



クルマで行けるのはこの辺りまで。地の果て野付半島のさらに果て。
実は徒歩であればさらに奥まで行けるものの、さすがに時間がかかりすぎるので断念。

※出展:OpneStreetMap(Open Database License)






ちなみにすぐ上の写真の撮影時の足場にしていた石積みは、江戸時代の船着き場の跡だそう。今の状態からは全く想像できないが、このあたりはかつて街があったようで住居跡やお墓が埋まっているらしい。伝承によれば遊郭もあったとか。


荒野、草原、海、湿地、遺構、そして地平線。
およそ日本とは思えない景色が広がっている。

ここは野付半島。木も草も街も、みんな朽ち果てていくところ。






さて、本日の旅程もまだ長い。
感傷的なこの地をほどほどに愉しんだら、もと来た砂利道を引き返す。

ネイチャーセンターまで来たらお礼を述べて許可証を返却し、次の目的地である知床峠へ向けてハンドルを握った。こうして最果ての地、野付半島に別れを告げ、再び人の営みの中に戻っていく。




参考資料
・野付半島トドワラ付近で認められる地盤沈下に伴う急激な海進現象 2023年3月17日閲覧
https://www.gsj.jp/data/gcn/gsj_cn_vol3.no11_325-326.pdf
・「40年前の北海道・トドワラ」 2023年3月17日閲覧
https://plaza.rakuten.co.jp/hasep2004/diary/201810300000/

Posted at 2023/03/20 16:10:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | ドライブレポート | 旅行/地域
2022年07月31日 イイね!

十石峠に行ってきました

十石峠に行ってきました先週の日曜日ですが、十石峠に初めて行ってきました。

十石峠は群馬県上野村と長野県佐久穂町の境界にある峠で、国道299号線上にあります。酷道には恵まれていない関東においては指折りの酷道です。
ここは災害による通行止めがしばしばあり、私が覚えている限りでは全通していることはほとんど無いので、この貴重な機会を逃すまいと行ってみることにしました。

今回のルートです。始点と終点は道中立ち寄った道の駅です。



埼玉県側からアプローチします。秩父市街のガソリンスタンドで満タンにしておきます。酷道を走るときは何があるか分からないので、麓での給油は必須です。



まずは志賀坂峠を越えて上野村へ入ります。ツーリングやドライブ中のバイク・クルマが多くいて、ここら辺は結構にぎやかですね。





雲行きが怪しい…。
ちなみにこの写真の撮影時刻が8:45くらいです。



賑やかなのは群馬県道45号線下仁田上野線が分岐するところまででした。
私の後ろには後続車が何台もいたはずなのですが、直進したのは私と黄色のS1だけで、あとはみんな右折して下仁田方面へ行ってしまいました。。。(S1は速そうなので先に行ってもらいました)

酷道っぽい道幅になってきました。



基本は谷あいの暗めの道が続きます。あまり路面状況が良くないところがあり、落石も時々あるので注意が必要ですね。



ずっと同じような景色が続きます。



だいぶ登ったところでようやく開けてきました。



ほどなくして十石峠へ到着。きれいに整備されていてトイレもあります。標高が1351mもあるそうなので眺望を期待していたのですが、展望台に登らないとただの林の中のピークです。



しかも展望台は登れなくなっていました。



群馬県側。標高が高いだけあって涼しくはあります。



長野県側。こちらの方が道が穏やかです。



涼しいだけで他に見るべきところはなさそうなので、あらかじめ買っておいた朝ごはんを食べてたらさっさと長野県側に下ります。


長野県側は群馬県側に比べると道路幅も広めで路面状態も良いです。



すっかり降りてきました。乙女の滝までくると狭隘路はおしまいです。あとは地方国道らしい快走路が続きます。ちなみにこの写真の撮影時刻が9:45くらいです。酷道区間は休憩や撮影込みでだいたい1時間くらいでした。



山梨県側へ抜けるための国道141号へ合流する前に、適当に並行する道を走ってみたらちょっと良さげな場所を見つけました。



帰ってから調べたら「天狗岩」というみたいですね。小海線の踏切がありますので、電車がきたらいいフォトスポットになるかもしれません(1~2時間に1本しかないのでちゃんと調べてから行った方が良いです)。


帰りは甲府盆地南側のみやさか道などを通ってのんびり帰りました。
ちなみに先日ここを通った時にちょうど良い撮影スポットを見つけましたので、今回何枚か撮ってみました。今度は夜景とクルマの組み合わせを撮りに来ようと思います。





十石峠は確かに酷道としては相応の道でしたが、基本的に眺望はきかず、道のりも意外と短いものでしたので、若干物足りない感じがしました。
逆に言えば首都圏からほど近くて、途中休憩しても1時間あれば酷道部分は抜けられる道だし、舗装もまあ荒れてはいるけれどRS3の扁平タイヤでも大丈夫な程度でしたので、首都圏の酷道好きにとってはお手軽な酷道(意味不明な表現)と言えるかもしれません。

かつてはこの十石峠を米などの食料品を積んだ馬が通って上野村へ食料品を届けたようです。1日あたり十石だから十石峠だとか。江戸時代初期には上野村のあたりに関所が設けられていたそうですから、街道としての歴史はそれなりにありそうです。
こんな山深いところを数百年前から人馬が行き交っていたと思うと、なかなか感慨深いです。道としては地味な部類ですから、そうやって歴史に思いを馳せながら走る類の道かもしれません。

Posted at 2022/08/03 22:04:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | 写真 | 旅行/地域
2022年07月02日 イイね!

カカオの人工授粉と花の構造

カカオの人工授粉と花の構造久しぶりに一般家庭におけるカカオ栽培に関する内容を書きますので、興味のある方のみ読み進めてください。



今年も3月の終わりくらいから新芽展開と発蕾があり、蕾の方はGWに前後して少しずつ開花してきました。今年は実生5年目。樹勢は十分に充実していると思いますので、今シーズンは結実を目指すことにしました。

さてここでカカオの花についてのおさらいですが、日本ではあまりなじみのない幹から直接出てくる幹生花とよばれるものです。また、自然状態では自家受粉をほぼしない小さな虫媒花で、現地ではヌカカを媒介としているそうです。結果率は1%程度しかなく、ほとんどの花は実を結ばずに落ちていきます。


ということで、室内栽培のカカオの受粉には人間の手が必要だ!
と思ってこいつを調達してきました。



受粉作業にはこれしかないだろうってことで筆です!これで開花したカカオの花をわしゃわしゃして、受粉されるようにしてみました。でも結果率が低いせいなのか何度やっても全然結実しないんですねこれが…。で、おかしいなと思って花をわしゃわしゃした後の筆を見てみると、花粉が全く見当たらないのです。
なんでだろ、と思いまして花の構造を色々見てみたのですが、カカオの花はかなり特殊な構造をしていることが分かりました。


カカオの花の構造

ではここで詳しく解説します。
通常の状態、花びらを除去した状態、子房だけ残した状態を比べました。





ご覧のように葯が花びらに包まれるような構造になっており、同じく柱頭も仮雄蕊に囲まれているので、筆でわしゃわしゃしたくらいでは全然受粉しないことが分かりました。よって写真内で花を分解したように花びらを除去して葯を露出させ、そこから採取した花粉を直接柱頭にくっつける形で受粉作業をしないといけません。

肝心の受粉作業ですが、約2か月にわたって調査と試行錯誤を繰り返した結果、以下のようになりました。


受粉作業を行う時間

受粉作業に最も適しているのが、おおよそで日の出から正午までの時間です。カカオの花は夕方に開き始めて翌朝には満開になること、加えて佐藤・坂口(1967)によれば花粉の発芽(花粉管の伸長)率は13時くらいまでが高い数値を示すことから、人工授粉に最適な時間は朝から正午過ぎまでということになります。
また、Youtubeに上がっている「COCOA HAND POLLINATION」の中でも受粉作業は早朝が良いと述べられていることから、これは間違いなさそうです。
ちなみに開花後2~3日すると受粉できていない花は落ちていきますので、受粉が成功したかどうかは作業翌々日くらいには分かることになります。


具体的な受粉作業のやり方

まず花粉を取るための花を用意します。次に受粉作業の対象となる花の仮雄蕊をちぎって柱頭を露出させます。花粉を取るための花の花びらをちぎって葯を露出させ、先端についている花粉(直径0.5㎜くらいの塊になっています)を指の腹と腹の間に優しく挟むようにして指に取ります。その花粉をそっと柱頭に接触させれば、うまく花粉が柱頭にくっつきます。これで終わりです。
ちなみに産地のカカオ農園ではピンセットを用いて受粉作業を行っていましたので、柱頭に花粉がつけば何を使っても良いかと思います。また、「COCOA HAND POLLINATION」によれば、花粉を取るための花は特定のエリアに区切られた中にある健康な花を用意する(≒受粉作業を行う樹とは別の、いわば受粉樹のような樹のこと?)とのことですが、我が家には1本しかないので同じ樹の別の花で受粉させています。農園の方法で人工授粉させると、動画を見た限りでは自然受粉の5倍~10倍くらいの結実量が見られるようです。

ちなみに「COCOA HAND POLLINATION」によるとガーナにはカカオの受粉を専門に行うPollinatorというスタッフがいるみたいですね。収穫量すなわち収入を劇的にアップさせるのと同時に、若者の雇用にも役立っているとか。

私が受粉させた状態
分かりやすく撮るために樹から切り離しています。





この方法にたどり着いたのが6月下旬のことです。
こういう書き方をするからには…、なんとか1つだけですが結実に成功しました!

私の人工受粉法の変遷としては
① 筆でわしゃわしゃ
  → 結実せず
② 花びらと仮雄蕊を剥いて柱頭に花粉をつける(同じ花どうしで受粉)
  → 結実せず
③ ②の方法で受粉作業を朝から午前中に絞る
  → 結実せず
④ ③の方法で同じ樹の別の花の花粉をつける
  → 結実!
といった感じです。5月GWくらいから本格的に受粉作業を始めてようやく実を結ばせることが出来ました。日本語の文献がほとんどなく手探り状態からの出発でしたが、今になって思えばさっさと「cocoa,pollination」でググって英語の資料を探しとくべきでした。今の時代、英語嫌いはやっぱり良くないですね。

カカオの幼果
子房の肥大のせいなのか雄蕊や花びらは自然に落ちていきました。



実の生長は追って載せていきたいと思います。関東の気候ならば生長が期待できるのは9月末ごろまでです。無事に成熟までいってくれればよいのですが…。

このページが趣味レベルでのカカオ結実を目指す方の参考となれば良いなと思っております。


以上



参考文献
・佐藤 啓一、阪ロ ナミ(1967),「カカオの温室栽培に関する研究」
・Eagle The Agency「COCOA HAND POLLINATION」
https://www.youtube.com/watch?v=lXe-xptz2Nk(2022年6月28日閲覧)
・Ministry of Agriculture Land And Fisheries「Hand Pollination of Cocoa」
https://www.youtube.com/watch?v=Y0b_73zWWuY(2022年6月29日閲覧)



これまでのカカオ栽培に関するブログ
・一般家庭でのカカオ栽培における土と肥料についての考察


Posted at 2022/07/03 00:38:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | その他 | 趣味

プロフィール

「@danslemidiさん、素敵な写真ですねえ。5~6月の緑はほんとうに綺麗で癒されます。日々の中に散りばめられたちょっとした瞬間を大事にしていきたいですね。」
何シテル?   05/26 15:23
地方の県道や広域農道を寄り道しながらのんびり走るのが好きです。以前は山道を走り回るのが好きでしたが、最近ようやく落ち着いた走りを好むようになってきました(笑) ...
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