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やえなでしこのブログ一覧

2020年06月21日 イイね!

ただそこには自然だけがあって

ただそこには自然だけがあって新潟県は胎内市、飯豊山地に抱かれるようにそのホテルはある。

奥胎内ダムに続く道とホテルを除けば、ただそこには自然だけがあって、ほかには何もない。そのホテルの名を、奥胎内ヒュッテと言う。


民家や商店などはしばらく走って麓まで下りなければ無いし、もちろん街灯すらない。当然ながら電波も届かないから、ホテルのロビーでwifiを拾わなければネットも電話も通じない。途中の道路は猿に占領されていることも。。。そんな一見不便と思えるようなところだけれども、なぜか時々行きたくなってしまう。奥胎内ヒュッテはそんな不思議な魅力のあるところだと思う。

首都圏の私の家からだと関越道と下道で6~7時間ほど。新潟県胎内市の一番奥だから奥胎内。ちょっと遠いけど、このあたりの道路事情は北陸というよりはむしろ東北のそれに近いから、交通量はかなり少なく自分のペースで気持ちよく走れる。遠いことは遠いのだけれど、運転が好きな人ならそれが苦にならない。

ホテルの内装は比較的シンプルで華美な感じではないが、よく手入れされていていつも清潔に保たれている。食事も美味しいのでコストパフォーマンスは高い。

奥胎内ヒュッテ正面玄関。



1年前に宿泊した時の朝食。




そして今回はそのヒュッテの主催する探鳥会に参加してきた。この探鳥会は毎年6月の土日に開催されているようで、アカショウビンやコノハズクをメインに色々な鳥を探そうというもの。

奥胎内の自然は濃い。
鳥類をはじめ生物相が豊かなのはもちろんのこと、自然以外は何もないことも相俟って、全身で自然を感じられる。ふと耳をすませば、「きゅるるるるるるる」というアカショウビンの声や弱弱しいハルゼミの鳴き声が聞こえ、河原に降りれば水面を流れるひんやりした空気が、湿度を増してきた六月の肌に心地よい。

胎内川の水面に広がる冷気。



別に探鳥会に参加しなくとも、ホテル横の林の中や散策路の途中にイスでも置いて読書や昼寝をしても良いし、日帰り入浴もできるようなので適当に散策した後にのんびり湯船につかっても良い。レストランもあるので昼食も問題ない。自然が濃いので虫も多いが、苦手な方は少なくなる秋に行くと良いと思う。
とにかくここは大自然に囲まれて何もしない、ということが出来る。何もしなくても勝手に大自然が疲れた心身を癒してくれる。もし能動的に自然に触れようとすれば、野鳥だけでなく多種多様な動植物が出迎えてくれる。

セグロアシナガバチの初期コロニー。



見事なモリアオガエルの卵塊。水面から離れたところに産卵する珍しいタイプのカエル。孵化した幼生はそのまま下の池に落っこちて成長する。



クロマドボタルの幼虫。ツチボタルとも呼ばれ、一般的に知られる蛍とは違い幼虫は陸で生活する(実はむしろ水棲の方が珍しい)。もちろん光る。



これまた見事なウスヒラタケ(と思われる)。美味しそう。



さて探鳥会はというと、姿は見えなかったもののアカショウビンはもちろん、コノハズクの鳴き声もバッチリ聞くことが出来、運よくオオルリのつがいを撮影することもできた。実は私は野鳥には全然詳しくなく、今回は友人の希望で探鳥会に参加したのだけど、意外にバードウォッチングも楽しいかも。

これはキツツキ系?





観光地を周るのも楽しいですが、たまにはこういうホテルもいかがでしょう。

ただそこには自然だけがあって、というのも意外と贅沢なものだと思います。



2020年の秋に利用した際の紹介はこちらからどうぞ



追記
まるで奥胎内ヒュッテの回し者とかステルスマーケティングとか、そういった類の内容になりますが、別にそういう訳ではありません。ただ、奥胎内ヒュッテを運営する株式会社胎内リゾートは、胎内市も出資する赤字の第三セクターのようです。
地方の素晴らしいものが正当に評価されて富む世の中を、というのは私のモットーの一つです。奥胎内の良さがいろんな方に伝わって評価されることを願い、このブログを書きました。
Posted at 2020/07/05 23:49:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 写真 | 趣味
2020年04月12日 イイね!

ドライブに行けないので仕方なくラーメン二郎作った

ドライブに行けないので仕方なくラーメン二郎作ったドライブに行けなくてむしゃくしゃしてやった。
全然車に関係ない内容だが後悔はしていない。


コロナウイルスによる外出自粛要請が出ていますので、最近の休みは家に籠ってひたすら料理ばかりしています。本当は食材の買い出しさえ出かけない方がいいんでしょうけど、食べない限りは人間生きてはいけませんので、料理というのは(普段使いのスーパーで賄える限りは)この状況下でも楽しめる趣味の一つだと思っています。

ということで今週は簡易版家二郎(豚骨ラーメンの1種)をつくりました。
時間がかかるだけでそんなに難しくないので、ジロリアンの方や二郎に興味のある皆さんもこの機会にぜひ家二郎を作ってみてください。それでは今回のレシピをご紹介いたします。


材料(8杯分くらい)

A.豚背ガラ1kg(同量のゲンコツでもOK、写真は下茹で済み)
A.豚バラ肉1kg
A.にんにく1塊
A.にんじん1本
A.生姜1かけ
A.キャベツの芯1本
A.ネギの青いところ2本
B.しょうゆ500ml
B.ほんてり200ml
B.味の素おおさじ1杯
・もやし適量
・キャベツ適量
・にんにく数片
・東洋水産「山岸一雄」監修 つけ麺専用中華麺(製麺しない場合)

簡易版なので普通のスーパーでも揃いやすい食材や量で作っていますが、やる気と体力のある方は既製品の麺ではなく日清製粉のオーション粉で製麺したものを使ってください。本物の味に近くなります。
なお、なるべくコンロが2口以上あるところで作ると良いです。


作り方
①豚骨と豚バラ肉の下処理
豚骨は10分程度下茹でしたあと、灰汁などの汚れを落としてから骨に着いた肉をむしり取っておきます。
むしり取ったお肉は二郎には使いませんが、醤油・酢・ごま油・白ごま・刻みネギで和えると別途美味しく食べられます。豚バラ肉は可能であれば脂身の部分を削ぎ取っておいてください。この脂身は煮込み続けると分解されて細かい背脂になります。


②スープづくり1

①で下処理した豚骨・豚バラ肉・削ぎ取った脂身と、それ以外のAの材料をおおよそ書いた順に投入してください。そのほうが後で灰汁と肉を取り出しやすいです。野菜は皮からも出汁が出ますので、剥かずにそのまま投入します。水はお鍋いっぱいに(写真は約6.6Lのパスタ鍋)。
沸騰したら中火で煮続けます。その際、しばらくは灰汁が出ますので適当に取ってください。


③豚(チャーシュー)づくり1

1時間30分ほど煮込んだら豚バラ肉だけを取り出してください。
取り出した肉は材料Bを混ぜ合わせたタレの中に漬け込みます。
冷まさずに入れてよいです。冷える過程で味がしみこみます。


④スープづくり2

豚バラ肉を取り出した後、30分ほど煮込んだらネギの青い部分を取り出します。でろでろになって溶けてしまうので。さらに1時間くらい煮込んだらにんにく、にんじんを取り出します。あとは3~4時間中火で煮込めばベースのスープは完成です。


⑤豚(チャーシュー)づくり2
豚バラ肉は一般的なスーパーに売っているサイズなら1時間、それより大きい場合は2時間と、大きさに応じて漬け込んだら取り出してください。これで豚(チャーシュー)は完成です。残ったタレはそのまま醤油ダレとして使います。


※今回はたまたまオーション粉の在庫があったので空き時間に製麺も行いました。
 麺切りを間違えてうどん幅の方で行ってしまった。。。
 なお製麺についてはここでは割愛します。



⑥野菜と刻みにんにくの準備
麺の茹で始めに前後して、キャベツは一口大にちぎって、もやしと一緒にレンジでチンして火が通った状態にしておきます(コンロに余裕があればさっと煮てもOK)。再現を目指す店にもよりますが、キャベツ:もやし=1:9~3:7くらい。トッピング用のにんにくは、お好みのサイズのみじん切りにしておきます。


⑦麺ゆでと麺上げ
今回のように既製品の麺を用いる場合はやや硬めに茹でてください。麺が茹で上がる前にどんぶりに醤油ダレを入れておきます。スープは予め2~3分かき混ぜ続けて脂を乳化させておき(これ重要)、麺が茹で上がる直前にどんぶりへ注ぎ入れます。
因みに乳化させないと完成時に脂の層ができて別物になってしまいます。例えば永福町系大勝軒は冷めないための蓋代わりにわざと表面に脂の層を作っていますが、二郎の場合は如何に脂を美味しく食べるかにフォーカスしていますのでこの作業は欠かせません。


⑧できあがり

麺が茹で上がったらスープの入ったどんぶりへ入れ、その上から⑥で準備した野菜をガシガシ乗せて、余ったスペースに適当に切った豚と刻みにんにくを乗せたら完成です。麺が太すぎる以外はそれっぽいでしょ(笑)


近所のスーパーでも揃う材料で作ったので二郎としての再現度はほどほどだと思いますが、ラーメンという括りで見れば十分なものだと思います。東洋水産の麺も十分美味しいのですが、今回私が行ったようにオーション粉を用いて製麺するとそれだけで完成度がぐっと高まります。

本気で二郎と同じものを作ろうとすると、肉のハナマサのような業務スーパー的なお店に行って暴力的な量の食材を買いそろえ、より多くの時間と体力を投入しなければなりません。そんな本気二郎のご紹介は、コロナウイルス終息後のいつかの機会にできればと思います。


今回は誰でもできるお手軽版ということで、この未曽有の国難を家に籠ることで乗り切るための一助になれば幸いです。是非皆さんもお試しください!
Posted at 2020/04/12 18:44:11 | コメント(2) | トラックバック(0) | 料理 | グルメ/料理
2020年02月15日 イイね!

香川周遊

香川周遊うまいこと休暇が取れたので香川県に行ってきました。

いつも週末の仕事終わりに入浴してからそのまま出かけるので、香川に着いてうどん屋を全力ではしごした後はお昼寝することにしています。さすがに夜通し走ってうどんをぶち込まれると眠気を抑えられません。

ここは「さぬき空港公園アドベンチャーゾーン」という公園で、いつ行っても空いていて芝生でゆっくり寝られるので、さぬき空港公園お昼寝ゾーンと呼ぶことにしました。



日本最大の造船会社、今治造船の丸亀新ドックの雄姿。
1,330t吊りゴライアスクレーンが3基連なる威風堂々たるドックです。


恐らく国内の大規模造船所としては最新の工場だと思われます。同じく1,330t吊りというのもゴライアスクレーンとしては恐らく国内最大です。撮影当時は残業の最中で、ゴライアスクレーンが稼働しており止まるタイミングを計るのが大変でした。なお、この造船所は最新式ということもあって照明が充実しており非常に明るいです。ゴライアスクレーンとともに、生産性と安全性を追求する今治造船の姿勢が感じられます。

三菱重工や三井造船など専業でない日本の大手造船が苦戦する中、世界の競合に伍するべく国内造船業の旗手として走り続ける今治造船は、このドックの威容も重なって私の心には非常に頼もしく映りました。
今治造船の人もそうでない造船所の人も頑張ってください!当然私も(造船業ではないですが)頑張ります。私たちは日本の製造業を諦めない!

さて、モノづくりに対する気概を改めたところでこれはゴライアスクレーン上部構造のアップ。住友重機械製のようです。闇夜にぼうっと浮かぶ巨大な鉄桁からは、ある種の妖しさすら感じられます。



一方こちらはある種の狂気を感じさせる、本屋なのに観覧車。
しかも別に繁華街にあるわけではなく、むしろ埋め立て地の工業団地の中にあります。



しかし香川県というのは夜景の撮影に全く難儀しません。
関東だと高層建築からの眺め以外は平野周縁部にわずかに撮影スポットが点在するだけですが、このあたりはその独特な地勢からそこら中に撮影スポットがあります。



これは徳島ですが帰り道は鳴門の渦潮に寄り道しました。
太平洋に(頑張れば)自転車で行ける距離に住んでいた私にとっては、瀬戸内のような広大な内海は新鮮です。島やそれをつなぐ長大な橋梁がそこら中にあるのもまた、その感覚を強いものにします。同じ内海ですが、容易にすべて見渡せてしまう狭い東京湾とは全く異なる佇まいです。



今回改めて感じましたが、西に行くと人の手が入ったものが写真の題材になりやすいです。どこに行っても見かけの人口や交通量が多く、かつての日本の重心が西にあったことが感じられます。造船所がそうであるように大手製造業の拠点も西の方が多いですし、そもそも明治維新は薩長から始まりましたしね。

東日本の大自然も良いですが、
西日本の人の営みというのも良いものだなと思いました。
Posted at 2020/02/15 11:44:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | 写真 | 旅行/地域
2020年01月04日 イイね!

B級ライセンス取得しました

B級ライセンス取得しましたみなさん明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
(トップ画像は内容とは特に関係ないです。新年に関係ありそうな写真を昨年撮った中から無理やり引っ張ってきただけです)

ところで昨秋にオートテストに参加したのですが、その時に国内B級ライセンスの申請資格をいただけたので、せっかくならということで最寄りのJAFで手続して2020年のライセンスを取得しました。




国内B級だと予想以上に簡単に取れるんで驚きました。ハードルは限りなく低いどころかほぼ無いです(笑)。もちろん免許さえあればマイカーを持っていなくとも取れます。モータースポーツの門戸は、我々一般人が思っているより遥かに広く開かれているようです。

せっかくこのクルマに乗っているので、今年はどこかアクセルべた踏みできるサーキットを走ってみたいなと思っています。
Posted at 2020/01/04 17:24:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | RS3 | クルマ
2019年11月22日 イイね!

晩秋の北琵琶湖 寂しさと豊かさ

晩秋の北琵琶湖 寂しさと豊かさあの楽しかった秋が終わりを告げようとしている。農産物や山野の実りの収穫、山の紅葉もひと段落し、最近ではいよいよ日の入りも早くなって冬を感じるようになってきた。
自然を楽しむことをライフワークとする私としては、晩秋と初冬の境目の時期が最も寂しさを感じる時期だ。多くの動植物の活動が完全に停止する瞬間だからだ。これが冬至さえ過ぎてしまえば、長日植物たちが春の準備を始めてくれるから希望を絶やさずにいられる(スキーシーズンに突入するというワクワクもあるかもしれない)。

いつもなら自分で行先は決めるのだが、今回は妻が珍しく希望を言ってきた。ということで今回の目的地は北琵琶湖。マキノのメタセコイア並木を観光して、長浜市は湖北の宿で羽を休める旅。翌日は私にはめずらしく都心部である名古屋の栄にホテルを取っていて、やはり妻の希望でひつまぶしとモーニングを愉しむことになっているが、私の書く日記の趣旨には合わないので割愛する。

夫婦でうまいこと有休を合わせられた11月22日、何とか妻を起こして朝6時過ぎに自宅を出発、そのまま新東名をひたすら西進する。RS3と設計速度の高い新東名の相性は抜群に良い。普段使いには硬すぎる脚が、舗装状態の良い新東名では最高の仕事をしてくれる。おかげで疲れとは無縁の行程だ。新東名~新名神全通後、もし(まずあり得ないと思うが)速度無制限になった時には、新幹線と同じスピードでより快適な乗り物になることだろう。

新東名を快適に走り切り、中央道と合流したのち名神高速となってからも流れはスムーズ。そのまま順調に北陸自動車道の木之元ICで高速を降りて、12時前後にはマキノのメタセコイア並木に到着した。しかし色づきはまだ始まったばかりのよう。メタセコイアは普通の広葉樹に遅れてピークを迎えるらしい。針葉樹だしカラマツと同じようなものかな。




想像していたよりメタセコイア並木は長い。並木には北側から突入する形になったが、最初の方にあったのは間隔が広く樹齢が若めのすっきりした並木。メインの駐車場となるマキノピックランドの北側がメインとなる並木で、雰囲気としては素晴らしいものがある。ただし並木に突入して以来、平日だというのに人出が多く、ピックランドの第1駐車場は満車に近い状態。のんびり停めたいのでやや遠めの第2(臨時?)駐車場に停めることにした。駐車台数が表す通り並木周辺にも人がたくさんいて、どうにもじっくり写真撮影することは叶わなそうだ。並木と並ぶ目的地「並木カフェ」で季節のスイーツを堪能し、軽く並木周辺を散歩してスマホで手っ取り早く写真撮影してこの地を後にした。ハイシーズンではみんカラに載せられるような写真を撮るのは難しそうだ。

さて、メタセコイア並木を観光した後は適当に北琵琶湖を周遊することにした。長浜市湖北にある今晩の宿へは、国道161号線~国道303号線~国道8号線と経由するのが最短だが、地方のドライブを楽しむためにはなるべくそのような主要な道は避けねばならない。
マキノの街並みを過ぎたあたりで早速、琵琶湖沿いに半島の縁を進む適当な道を見つけたので入ってみる。この道は滋賀県道557号線で、琵琶北西岸の主要ルートからは外れているから交通量は非常に少ない。こちらへ来ると装いは秋の終わりそのもの。一部にはまだ紅葉が残るが、冬への切り替わりもすぐそこに見えている。曇り空も相俟って言い知れぬ寂しさを感じた。




この県道を暫く進むと入り江状になった部分に入り、そこにある集落の中で滋賀県道513号線に分岐する。もとは琵琶湖と共に生きていた集落であると思われ、地味ではあるが湖と家並みの調和が美しい。




ここは湖岸が少し整備されているが、晩秋、平日、曇り空とあって誰もいない。本当に静かなところだ。こういう静かなところは大好きだが、今回ばかりは好ましい気持ちより寂寥の感が先行する。
実はこの写真を撮ったタイミングに前後して、湖畔でいくつか宿泊施設の廃墟を見た。このあたりは湖畔リゾート地を目指して開発されたいたものの、志半ばで夢破れて打ち捨てられてしまったように見える。森に帰りそうな施設もあれば、数年前まで稼働していたかのような施設もある。もちろん稼働している施設もあったが数えるほど。もしかしたら、このあたりで感じる寂しさは季節によるものだけではないのかもしれない。とにかく、お陰様で北琵琶湖は寂しいところであるというイメージが染みついてしまった。

この集落から分岐している滋賀県道513号線は、奥琵琶湖パークウェイという別名がついている観光道路で、別名はそのままに「つづら尾崎展望台」で県道512号線へと名称を変える。この道中や展望台駐車場で見かける色の揚がったモミジは非常に美しく、展望台からの眺めも素晴らしいが、ここもやはり交通量が少なく寂しい印象は拭えない。マキノのメタセコイア並木の喧騒は何だったのだろう…。結局、パークウェイを走ってもその寂しいイメージが覆ることはなかった。




ちなみにこの滋賀県道512号線、なんと麓に降りるまで一方通行である。安全のためなのか何なのか分からないが、1.5~2車線幅が確保されているところを見るに元々は対面通行だったのだろう。




麓へ下りたらあとは宿へチェックインするだけだ。宿は湖北にあるのでさほど遠くはなく、17時前には無事到着した。ちなみに今回通ってきた湖畔のルートはこちら

地のものを味わえることは、宿泊を伴う旅の良さの一つだ。今回の夕食は懐石料理だったので色々と品数が豊富だったが、地場の食材の多さは舌を巻くレベルだった。さっきまでドライブしていたあたりで感じた寂しさとは正反対で、食膳からは楽しさや賑やかさといった要素まで感じられる。
とにかく琵琶湖の魚は種類が多い。ただ多いだけでなく固有種も非常に多い。それらの多くが食材として有効活用されるのだ。実は今回、これは固有種ではないが鮒を生まれて初めて口にした。鮒なんて泥臭くて今どき食えたものではない。千葉で育った私の父や祖父はそう言っていたが、ここの鮒は違った。



水質の良い北琵琶湖の底層で採れる鮒は、刺身にしても美味しく食べられるとのこと。早速いただいてみると、泥臭さやクセは全くなく、さっぱりしていて食感も良く美味しい。むしろどちらかと言えばパンチのきいた味ではないので、地場のたまり醤油との相性が良い。また、鮒の子が見た目と舌触りのアクセントになる(後で調べて分かったが「鮒の子まぶし」という郷土料理らしい)。

琵琶鱒の幽庵焼


朝食の地物温野菜



そんな素敵なお料理を沢山食べられて、とても豊かな夕食であったわけだが、実はその端緒は宿までの寂しい道中に見えていたのかもしれない。それが下に載せている1枚で、つづら尾崎展望台から湖面の波紋を映したもの。




こんなに潮目(淡水なので水目?)が見えている状況というのは潮通しの良い海であってもそうそうあるものではない。関東でよくお目にかかるような中小規模の湖沼ではこんな流れは発生しない。止水域を好む魚もたまにはいるが、やはり流れがある方が好まれる。まるで外洋に突き出した半島のような複雑な流れは、琵琶湖の豊かさを支えている要素の一つなのだと思う。


今回の旅では、残秋の寂しさとは裏腹に、琵琶湖が本当に豊かであることがしみじみと感じられた。根っからの関東人である私からすると、内水面の生物相が豊かであるという印象はこれまで抱いたことはなく、日本最大の湖である琵琶湖がどれだけ雄大であるか──一部分だけだとしても──よく分かったつもりだ。

人もクルマも土地も、やはり見た目に騙されてはいけない。今回の旅で、ホットハッチに乗っていながら改めて実感することになった。

Posted at 2019/12/03 23:11:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブレポート | 旅行/地域

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「@danslemidiさん、素敵な写真ですねえ。5~6月の緑はほんとうに綺麗で癒されます。日々の中に散りばめられたちょっとした瞬間を大事にしていきたいですね。」
何シテル?   05/26 15:23
地方の県道や広域農道を寄り道しながらのんびり走るのが好きです。以前は山道を走り回るのが好きでしたが、最近ようやく落ち着いた走りを好むようになってきました(笑) ...
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