軽自動車ではなく、普通小型自動車を保っているストーリアは、世界各国でも展開

1998年に誕生した、ダイハツ・ストーリアは、5ドアハッチバックの形状を留めている普通乗用車で、前回展開していたシャレードの後継車種に該当する。車体は小さな形状だが120馬力を発揮できる直列4気筒DOHCエンジンを搭載して、爆発的な加速力を発揮でき、展開は日本だけに留まらず欧州、オーストラリアを中心とした世界各国でも広まった。
先代は、精悍な印象が強くてきびきびした動きがあるコンパクトカー・シャレードだった

ダイハツが手掛けている普通乗用車はまだまだたくさんあって、その中の一つ・シャレードはストーリアの前身に当たる前輪駆動のコンパクトカーとなる。こちらはハッチバックとセダン車の形状が揃い、4代に渡って販売が継続され、エンジンは直列3気筒SOHCあるいは直列4気筒SOHCが使われた。この車はダイハツに大きな転換期をもたらし、WRC・世界ラリー選手権を始めとするモータースポーツにも積極的に参加した。
エンジンは豊富な種類が揃い、駆動方式や変速機、サスペンションにも徹底的にこだわった
ストーリアに搭載されていたエンジンは2種類の直列3気筒DOHC、直4 DOHCが用意され、最高出力は6,000rpmあるいは7,000rpmにも達した。駆動方式は前輪駆動・FFまたは4WDが揃い、変速機/トランスミッションは 4速ATまたは5速MT、サスペンションはフロントがストラット式、リアがトーションビーム式または3リンク式となった。これらの要素は全て、ストーリアの優れた走りに貢献している。
6年間もの間に、たくさんの研鑽を重ね合わせていくつものグレードや特別仕様車も製造した
1997年に東京モーターショーで出品され、翌年に販売を開始したストーリアは、EJ-DE型1,000ccエンジンからK3-VE2型1,300ccに変わり、新たにDVVT化されたEJ-VE型も追加した。しばらく経つと全車フロントサスペンションのコイルスプリングの形状が大幅に見直され、マイナーチェンジによってフェイスリフトが行われ、レギュラーガソリン仕様のK3-VE型エンジン搭載車も販売された。さらに速度や走行距離を示すオドメーターやトリップメーターを、より見やすい液晶化にして、2004年の販売終了まで改良すべき所を積極的に改良した。
ほぼ同じ形状を留めて展開した姉妹車は、トヨタ・デュエットが当てはまる
ストーリアが販売されていた1998年から2004年の間に、ダイハツ工業はトヨタ自動車へのOEM供給を果たして、同じ形を留めたハッチバック車・デュエットを製造した。エンジンはダイハツ製のさ直列3気筒または直列4気筒を中心とした4種類が使われ、駆動方式は前輪駆動・FFまたは4WDとなり、最高出力及び最大トルクはストーリアと同等だった。最初のマイナーチェンジでは前後バンパーが変更され、従来よりも高性能な部品を使った1.3V S Packageを追加し、速度を示すメーターはデジタル液晶に変わった。この改良によって「親しみやすい」という声が挙がり、2004年に販売を終了した後はトヨタ・パッソに受け継がれた。
モータースポーツに参加するために開発した、ストーリアX4も忘れてはならない
1,000cc以下クラスのラリー参戦を目的として開発された、ストーリアX4(クロスフォー)は、エアコンやパワーウインドウなどの快適装備が一切加わっておらず、JB-JL型660cc4気筒DOHCターボエンジンを713ccまでストロークアップしたJC-DET型エンジンを搭載した。当然レースで熾烈な戦いを見せつけるために、4WDのみの駆動方式が採用された。そのおかげで工場出荷値のブースト圧1.2kg/cm2±0.2程度で120psという驚異的出力を発揮でき、全日本選手権から全国各地の地区選手権の競技で圧倒的な力を発揮した。その能力は世界ラリー選手権・WRCに出場したダイハツ・シャレードや全日本ラリーに出場した日産・マーチに受け継がれた。
ストーリアをベースにした派生車種・YRVはセミトールワゴンの形となっている

これまで紹介してきたストーリアをベースとしたダイハツの車には、セミトールワゴンの形を留めたYRVもある。こちらは最初からヨーロッパ市場で展開することを視野に入れて開発され、エンジンは1SZ-FE型に改良を加えて編み出したターボエンジン・K3-VET、ノンターボ・K3-VEが使われた。実際に運転してみると快感あふれる走りを堪能でき、超-低排出ガスに認定されるほどの環境性能も加わった。
たった1代限りで歴史に幕を下ろした後は、普通乗用車のコンパクトカー・ブーンに受け継がれた

COBBYによると、改良を惜しむことなく続けたストーリアは、たった1代のみの展開で2004年に生産を終了することになるが、現在ダイハツの戦力となっているコンパクトカー・ブーンに受け継がれた。こちらもハッチバックの形状を留め、軽自動車ではなく普通乗用車に分類されるが、快適な走りと優れた燃費性能を兼ね備えていることに変わりはない。
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ダイハツ | 日記
Posted at
2019/08/22 14:02:49