2代に渡ってトヨタ自動車が手掛けていたクーペ・セリカXX(ダブルエックス)は、セリカの上級車種を目指していたが、スポーツカーとして認知されることもあった。その姿は決して他では見られることのない流麗さを保っていて、まさに夢と希望が詰まっているような印象だった。
そしてここからトヨタ自慢のスポーツクーペの軌跡が受け継がれていくこととなる。
1978年に誕生したセリカXXは、エンジンが格納されているフロントノーズが長い、3ドアファストバッククーペを果たしていた。最大の趣旨はラグジュアリーな雰囲気を持った高級スペシャルティカーとなっていて、4灯角型ヘッドランプやカラードウレタンバンパー、ガラス調のリアガーニッシュやBピラーフィニッシャー、七宝調エンブレムを搭載してトヨタハイソカーブームを巻き起こしたのだ。
セリカXXは、外観だけではなくエンジンやサスペンションもこだわり抜いている。具体的に説明すると、エンジンは3種類もある直列6気筒となっていて、駆動方式は後輪駆動・FR、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアが4リンクリジッドコイルで、トランスミッションはマニュアルとオートマチックが揃っている。この組み合わせは流麗な走りを実現して、セリカXXを軌道に乗せた。そしてサスペンションはリア部分がセミトレーリングアーム/コイルスプリングの独立懸架に変わり、エンジンは3ナンバー車のみが5M-EU 2.8Lエンジンに変わった。
初代で大成功を収めたセリカXXは、1981年に2代目となっても3ドアファストバッククーペと保っているが、今度からはスポーティー性を加えた。エンジンは前回と同じ直列6気筒で駆動方式もFRのみだったが、サスペンションはリア部分がセミトレーリングアームコイルに変わった。エクステリアを変えたことで優れた空力特性が実現でき、売り上げは前回よりも上回ったのだ。
他にはない斬新なファストバッククーペを果たしたトヨタ・セリカXXは、1986年に販売を終了してスポーツカーとなるスープラに受け継がれた。こちらは1978年から令和となった現在まで続いていて、ファストバッククーペの形状、直列6気筒のエンジン、FRの駆動方式は一切変わっていないが、サスペンションはダブルウィッシュボーンとなり、4代目からはエクステリアががらりと変わって、未来に向かって突き進むというデザインになった。COBBYでもセリカの歴代モデルを紹介している。
セリカの意思を受け継いだスープラは、熾烈な争いを見せつけるレース仕様車・GR Supra GT4にもなり、北米のNASCARエクスフィニティ・シリーズを始めとするモータースポーツに参戦して、数々のライバルを蹴落とした。そしてそのレース車両は2020年にヨーロッパを中心に一般販売する見込みとなっている。
これまで紹介してきた、セリカXX及びスープラは、同じくトヨタの高級クーペを果たしたソアラと肩を並べていて、さらに具体的に説明するとどちらも共通した心臓を持っていて、ものすごいたくましさと強靭さを持っていて、トヨタ自慢の堂々としたGTカーを果たしたのだ。改めて歴史を振り返ってみるとセリカXXとスープラは同じ年代に誕生して、セリカXXの魂はスープラに受け継がれ、どちらもソアラと同等の魂を持っていたことが伝わってくる。
8年間もの歴史を紡いできたセリカXXは、とうとう2018年に生誕40周年という節目を迎えることとなった。それに伴ってかつての愛用者が集まり、セリカXXを運転していた頃の思い出を語った。例えスープラに受け継がれてしまっても、昭和で展開が終了してしまっても、独自の3ドアファストバッククーペを貫いたことに変わりはない。
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