1985年に誕生したカリーナEDは、「お客様の期待を超えたクルマづくり」を目指して個性的なデザインや機能を兼ね備えている。さらに突き詰めていくと4ドアハードトップに分類され、徹底的に耽美性を追求し、クーペ並みの低い全高に強く傾斜した前後ピラー、富士山型の小さなキャビンと高めのベルトラインを持つエクステリアが特徴的となっている。
そして登場した頃はバブル景気真っ只中だったので、若年層からも圧倒的な人気を集めたのだ。
COBBYのトヨタ車一覧にある通り、カリーナEDの先代に当たる車種は、3代目カリーナ3ドアリフトバッククーペとなっていて、こちらはカリーナそのものだとクーペだけではなくセダン、ステーションワゴン、バンの種類が揃っており、エンジンも豊富な種類が揃っていた。ちなみにカリーナクーペが活躍したのは1984年からの1年間だけだったが、ハードトップのカリーナEDに転身したのだから、何も言うことはない。
カリーナEDの初代は、セリカ及びコロナクーペの兄弟車を担っていて、先ほど述べた3代目カリーナ3ドアリフトバッククーペの後継車も兼ねている。デザインは4ドアハードトップのみだが、車高をできるだけ押さえて3代目セリカのプラットフォームを採用していて、横にある窓の境目には柱を設けないピラーレスハードトップを取り入れたことから注目を集めた。エンジンは1,800ccまたは2000ccのSOHCが使われ、売り上げは圧倒的な記録を伸ばし、「他では決して見られないトヨタの傑作だ」と好評を受けたこともあった。
平成に切り替わった1989年に、カリーナEDは2代目へと突入することとなる。もちろんここでもハードトップの形状を留めているが、今度からは全体に丸みを持たせてなだらかな印象にする、デュアルモード4WSを採用するなどで装備はより素晴らしいものになった。その後も改良によってハイメカツインカムエンジンの出力が向上し、フロントブレーキが拡大され、全車ホイールが14インチ5穴にまとめられることも決まった。
とうとう1993年に3代目となったトヨタ・カリーナEDは、ボディ剛性を高めるためにようやくセンターピラーが設けられることとなる。多くの部分はセリカと共通化していて、同時に設計の合理化が図られているのが主な特徴で、翌年にはセリカGT-FOURの駆動系を流用した4WDモデル・リミテッド4が発売された。今度のエクステリアデザインは2代目と同じなだらかさがあるが、所々にシャープなラインが生きていて、安全面に配慮するために運転席と助手席にはエアバッグが構えられ、ABS・アンチロックブレーキシステムが加わった。
一番最初のカリーナEDが誕生した頃はちょうどハイソカーブームの時代となっていて、しかもその頃は日産・プレセア、マツダ・ペルソナ、三菱・エメロードなどのハードトップがしのぎを削っていたのだ。さらにカリーナEDは下の位に当たるカローラセレス/スプリンターマリノも扱っていて、トヨタ・マークIIや日産・ローレルなどの高級セダンにも影響を与えたと言われている。
これまで紹介してきたカリーナEDと肩を並べる車は、コロナEXiV(エクシブ)が該当する。こちらもハードトップの形状を留めていて、セリカ及びカリーナEDと共通のプラットフォームを土台にしている。流麗なスタイリングが全くなかったが若年層から人気があり、エンジンは3種類もある直列4気筒が使われた。そして2代目に突入した時はボディーが大型化され、一般に向けて販売するだけではなくモータースポーツへの参戦も積極的に行い、フルタイム4WDも加えた。しかし人気はハイソカーからスポーツカー及びRV車へ徐々に移り変わっていったので、とうとう1998年にカリーナEDとともに販売終了することとなった。
トヨタ自慢のハードトップ車を成し遂げたカリーナEDは、カリーナシリーズを盛り上げるのにも貢献したと感じられる。そして完全に終了してしまっても1996年に登場した7代目のカリーナセダンに受け継がれたのだ。こちらは完全な国内専用車となっていて衝突安全ボディーや直列4気筒エンジン、前後で異なるサスペンション、3種類ものトランスミッションが使われていて、何より今までのカリーナの意思を大切に受け継いでいる。
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ホンダ N-WGNカスタム ホンダ N-WGN カスタムに乗っている、国産車、外車、旧車問わず、車好き女子です。 好 ... |