突然ですが、最近スーパーカブ(プレスカブ)を購入しました。
通勤の足や荷物運びに重宝しているのですが、ライトが非常に暗く外灯の無い夜の堤防沿いや山道では非常に危険です。
そこでライトを明るくするべくLED化の研究をしてみました。
交流点灯のまま車体側は無改造で、マルチリフレクタ化し、カットラインはしっかりと、LO/HIビーム切換も実用になるのが目標です。
まずは物の解析からご覧下さい。
あえて製品は名指ししませんが、よく見かける中華製インチキH4LEDを解体しました。
米cree社のCXA1512を使用し、6000ケルビンで1800ルーメンと書かれていましたが・・・
いきなり素子単体の写真なのは製品がインチキ過ぎて使い物にならなかった為です。
汎用のH4マルチリフレクタランプに組み込んでみましたが、
LOビームのカットラインは全然出ず、HIビームにしても全く変化が無かったので、
発光部は新規に作る事にして、LED素子とドライバー回路だけ使う事にしました。
しかし・・・
これは低電流で僅かに素子を発光させた物です。
LED自体は本物のcree社製ですが、CXA1512はLO側のみ、HI側はCXA1507が使われている模様です。
比較して頂くと判りますが、内部素子数は同じですがレイアウトが全く異なり、素子1個あたりの発光面積が全然違います。
そして要求電圧も大きく違い、LO側の方が低い電圧で発光し始めました。
実はこの事が、この製品の大きな問題点になっています。
ちなみに白い基板部はセラミック製です。
アルミ基板なら偽者も作り易いと思いますが、さすがにセラミックチップで偽者は作らないだろうと思います。
何より発光色と演色性、輝度から考えて、本物だろうと考えています。
続いてこちらはドライバー部の基板になります。
ドライバー部は黒色のシリコンで充填されており、更に基板は底面全体を隙間無く熱伝導シリコンゴムでケースに張付けられている為、摘出にはとんでもない手間がかかります。
今回は回路解析と改造の為に取り出しましたが、何か事情が無ければ手を出さない方が良いです。
で、構成としては一般的な定電流タイプの昇圧DC/DCコンバータなのですが、ランプの極性を無視出来る様に電源入力部にダイオードのブリッジ回路が組まれています。
今回はこの回路を利用し、交流を直流に変換、カブにボルトオンを目指します。
FAN出力は驚いた事に3端子レギュレターによる定電圧化が行われていました。
しかし78M12なので電圧ドロップを考えると12V車ではFANはフルパワー回転しない様な・・・
一方、24V車では損失が大きく、レギュレターは非常に高温になります。
これはどうなんだろう。。。
そしてIHビームの切換は・・・驚きのコンバータ出力へ並列接続でした!!!
左側にあるフォトカプラの出力がONになると、HI側に付いているFETがONになり、
LO側のLEDに並列にHI側のLEDが接続されます。
定電流出力のコンバータですから当然ですが出力電流は一定です。
つまり、HIビームにすると、LOビームは暗くなるのです。
しかもHI側には特性の異なるLEDが使用されていて、フルパワードライブ出来ていないんです。
上のメーターがHI側、下のメーターがLO側のLED電流を計測した物です。
CXA1507の定格は200mAですが、156mAしか流れていません。
この状態ではデータシートによると80%の光量となっていますが、元が800ルーメン程度の素子ですのでLO側と比べると大変暗く感じます。
※LO側は定格の350mAが流れていますので、1400ルーメン程度はあると思われます
じゃあLO側のみ点灯の時は?
実はオーバードライブしていたのです。
データシートによると、CXA1512は450mA時に120%の明るさになるとあります。
もし使用チップがCXA1512の最高輝度を誇る5000ケルビンのM4ランクだと仮定すると、85度時に約1800ルーメンとなります。
しかし実際には放熱が全然出来ていないので、もっと暗いと思いますが。。。
おまけ
卓上実験ではLEDが眩し過ぎて耐えられないので一センチほど離してスコットのショップタオルをかけて減光させていました。
LED自体は大型ヒートシンクに固定の上、大型FANで強制空冷していたのですが・・・
焦げ臭いと思って慌てて電源を切った所、ショップタオルが燃えかけていました(怖)
LED自体は低温を保っていたのですがあまりに光出力が強い為、タオルが発熱して発火に至った様です。
実験には細心の注意が必要な様です。。。
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Posted at
2013/12/03 03:04:11