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N.T

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2013年12月10日 イイね!

LEDヘッドライト製作

前回の日記で市販LEDヘッドライトの解析を書きました。
今回はその続き、物の実車搭載までを書きます。

H4ヘッドライトと光軸の調べ方については・・・写真は撮ったのですが、長くなるので需要があれば書きます。

まずは、市販品から剥がしたCXA1512を乗せる為の台座が必要です。
と、言う事で・・・H4バルブやLED、ライトのリフレクターを持ってカブで片道100キロの旅へ・・・
姫路のプロショップへ行って現物あわせで削って頂きました(感謝)



事前に光軸に合うLEDのマウント位置は調べておいたので、その位置に合う様にアルミを削り出して頂き、家に持ち帰ってアルマイト加工したのが↑の写真です。

今回は15V10Aで60分通電、着色なしで仕上げは酢酸ニッケル0.6%水溶液で20分程煮込みました。
沸騰させない様にビーカーに水溶液と対象物を入れて湯煎しましたが、温度安定性が良く異臭もしないので良かったです。



こちらは今回新たに調達した酢酸ニッケルです。

あらゆる薬局で販売を断られ、知り合いの医師や薬剤師にも聞いたのですが答えはNG。。。
色々調べた所、人体に使う物ではないので流通ルートが違うのが原因だった様です。

試薬専門の会社に問い合わせ、理化学機器の商社を紹介頂いて電話で注文すると、翌日入荷であっさり入手出来ました。
但し、発送は出来ないとの事で店頭に引き取りに行きましたが。。。

なお、販売単位の関係で500グラムも購入する事になりました(価格はそれほど高くは無いです)
今回使ったのが3グラム・・・使い切るのは不可能な気がします。
お友達でアルマイトやってみたい方が居ましたらご相談ください。



そしてアルマイト後の台座にCXA1512を熱伝導接着剤で接着し、配線をしました。
この状態でヒートシンクと冷却ファンを追加し、一時間の点灯試験後の温度が↓の写真です。



これはLEDの真裏のアルミ部を計ったものですが、やや高めの数値が出ています。

対策として、沖電気が開発したエネルギー変換型放熱シールのまず貼る一番を台座へ貼り付けしておきました。
このシールはオキツモのクールテック同様、熱を赤外線に変換して放熱する物で、無風・密閉空間でも放熱を行う事が可能です。



こちらはHIビーム時の各LED電流です。
CXA1512が2個並列接続ですが、素子間の温度差や個体差で微妙に電流は変化し続けます。



こちらは点灯時の電流です。
これは直流点灯時の電流ですが、カブの交流を整流した場合は20V程度になりますので、20V時は0.9A程度の消費電流となり車両側の改造は不要、とっても省エネです。



こちらはライトの裏側です。
台座の後ろにM4のタップを立て、パソコンのグラフィックカード用ヒートシンク&ファンを搭載しました。
リフレクターやヒートシンクは熱伝導接着剤で台座と接着してありますので、点灯時は全体がほんのり暖かくなります。



こちらは最終仕様のドライバー回路です(テスト走行後シリコンで防水処理しました)
DC/DCコンバータの入力側にあるコンデンサを大容量の低ESRタイプに変更し、入力段にあるダイオードブリッジと共に整流回路を構成しています。

出力段のコンデンサは信頼性UPの為、元々と同じ耐圧・容量の国産低ESRタイプに置き換えました。

HIビーム検出用フォトカプラは交流のままでは上手く動作しなかった為、ショットキーバリアダイオードで半波整流し、コンデンサで平滑化、定電流ダイオードで定電流ドライブしています。

ちなみに元のフォトカプラからシャープ製(白色)に変更していますが、実験中に誤接続で焼いてしまった為であって機能的なな理由ではありません。

なお、実はFIのプレスカブは交流点灯と言いながら実際には平滑化されていないダイオード整流されたパルスが来ているらしく、今回の回路構成ではCOM端子(左側真ん中)を+側にしないと上手くHIビームを検出しませんでした。



そしていきなりですが車両搭載写真です。
完全にポン付けです。
ぼるとお~ん(笑)



こちらは発光部アップの図。
遠目にはLEDと言う事が判らないかな?
不要輻射防止の為にはブラックアルマイトの方が良かったです。



そして点灯比較の図。
都合の良い壁が無かったので、プロジェクター(映写機)用の80インチスクリーンを道路に設置して比較してみました(笑)

写真はライトからスクリーンまでが3メートル、スクリーン寸法が1,620×1,220ミリです。
デジカメはISO感度・シャッタースピード・絞り固定で撮影しました。
体感より若干暗い目に写っています。

純正電球はカットラインって何ですか?ワイド配光って何ですか?と言う状態です。
LED側はカットラインはしっかり出ていますが・・・HIビームが上を向き過ぎています。

これには理由があって、H4バルブはLOとHIの発光点が殆ど離れていないのですが、LEDの場合、発光部の周辺に台座がある為、限界まで発光点を近付ける事が出来ないのです。
このたった数ミリの差が、実際の投光ではとんでもない差になります。

この問題を解決する為には、発光点を隣接させれる台座の小さな素子を使う必要があります。
調べた所、1800ルーメンクラスならあるにはあるのですが、かなりお高いのと普段はLOで走りHIは主に警告用途位でしか使わない事、原付には車検が無いと言う事で暫くこの状態で様子を見てみます。
Posted at 2013/12/10 01:23:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | 雑記・雑学 | クルマ
2013年12月03日 イイね!

LEDヘッドライト解析

突然ですが、最近スーパーカブ(プレスカブ)を購入しました。

通勤の足や荷物運びに重宝しているのですが、ライトが非常に暗く外灯の無い夜の堤防沿いや山道では非常に危険です。
そこでライトを明るくするべくLED化の研究をしてみました。
交流点灯のまま車体側は無改造で、マルチリフレクタ化し、カットラインはしっかりと、LO/HIビーム切換も実用になるのが目標です。

まずは物の解析からご覧下さい。

あえて製品は名指ししませんが、よく見かける中華製インチキH4LEDを解体しました。
米cree社のCXA1512を使用し、6000ケルビンで1800ルーメンと書かれていましたが・・・

いきなり素子単体の写真なのは製品がインチキ過ぎて使い物にならなかった為です。
汎用のH4マルチリフレクタランプに組み込んでみましたが、
LOビームのカットラインは全然出ず、HIビームにしても全く変化が無かったので、
発光部は新規に作る事にして、LED素子とドライバー回路だけ使う事にしました。
しかし・・・



これは低電流で僅かに素子を発光させた物です。
LED自体は本物のcree社製ですが、CXA1512はLO側のみ、HI側はCXA1507が使われている模様です。
比較して頂くと判りますが、内部素子数は同じですがレイアウトが全く異なり、素子1個あたりの発光面積が全然違います。
そして要求電圧も大きく違い、LO側の方が低い電圧で発光し始めました。
実はこの事が、この製品の大きな問題点になっています。

ちなみに白い基板部はセラミック製です。
アルミ基板なら偽者も作り易いと思いますが、さすがにセラミックチップで偽者は作らないだろうと思います。
何より発光色と演色性、輝度から考えて、本物だろうと考えています。



続いてこちらはドライバー部の基板になります。
ドライバー部は黒色のシリコンで充填されており、更に基板は底面全体を隙間無く熱伝導シリコンゴムでケースに張付けられている為、摘出にはとんでもない手間がかかります。
今回は回路解析と改造の為に取り出しましたが、何か事情が無ければ手を出さない方が良いです。

で、構成としては一般的な定電流タイプの昇圧DC/DCコンバータなのですが、ランプの極性を無視出来る様に電源入力部にダイオードのブリッジ回路が組まれています。
今回はこの回路を利用し、交流を直流に変換、カブにボルトオンを目指します。

FAN出力は驚いた事に3端子レギュレターによる定電圧化が行われていました。
しかし78M12なので電圧ドロップを考えると12V車ではFANはフルパワー回転しない様な・・・
一方、24V車では損失が大きく、レギュレターは非常に高温になります。
これはどうなんだろう。。。

そしてIHビームの切換は・・・驚きのコンバータ出力へ並列接続でした!!!

左側にあるフォトカプラの出力がONになると、HI側に付いているFETがONになり、
LO側のLEDに並列にHI側のLEDが接続されます。

定電流出力のコンバータですから当然ですが出力電流は一定です。
つまり、HIビームにすると、LOビームは暗くなるのです。

しかもHI側には特性の異なるLEDが使用されていて、フルパワードライブ出来ていないんです。



上のメーターがHI側、下のメーターがLO側のLED電流を計測した物です。
CXA1507の定格は200mAですが、156mAしか流れていません。

この状態ではデータシートによると80%の光量となっていますが、元が800ルーメン程度の素子ですのでLO側と比べると大変暗く感じます。
※LO側は定格の350mAが流れていますので、1400ルーメン程度はあると思われます



じゃあLO側のみ点灯の時は?
実はオーバードライブしていたのです。

データシートによると、CXA1512は450mA時に120%の明るさになるとあります。
もし使用チップがCXA1512の最高輝度を誇る5000ケルビンのM4ランクだと仮定すると、85度時に約1800ルーメンとなります。
しかし実際には放熱が全然出来ていないので、もっと暗いと思いますが。。。





おまけ



卓上実験ではLEDが眩し過ぎて耐えられないので一センチほど離してスコットのショップタオルをかけて減光させていました。
LED自体は大型ヒートシンクに固定の上、大型FANで強制空冷していたのですが・・・

焦げ臭いと思って慌てて電源を切った所、ショップタオルが燃えかけていました(怖)
LED自体は低温を保っていたのですがあまりに光出力が強い為、タオルが発熱して発火に至った様です。
実験には細心の注意が必要な様です。。。
Posted at 2013/12/03 03:04:11 | コメント(1) | 雑記・雑学 | クルマ

プロフィール

「ジャッキアップ中に車が落ちた http://cvw.jp/b/316904/47627702/
何シテル?   04/01 01:13
大阪に住むIT系エンジニアです。 愛車はセリカGT-Four、 現在自宅ガレージにて次期エンジン製作中です。
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