
長文なので、気が向いた方のみお読み下さい。
ロードスターは、人馬一体、意のままに操れるというコンセプトを大切に、開発・生産・販売されている車です。人馬一体・・・頭では何となく理解できますが、私は馬に乗った経験がないので、腹には落ちません。
この車を所有し、運転する喜びは、約50年前(中学生のとき)、5段変速機付の自転車を手に入れたときの喜びに極めて近いものがあります。
それまでの自転車は、変速機がないので、走り出すときに大きな力が必要で、やっと早いスピードに到達しても、それを維持するためには、とにかく足を速く回す必要がありました。難関は、急な坂道であり、登り切れずに途中で止まってしまい、残りの坂道を自転車を押しながら歩くことも。なのでそれまでの自転車で、当てもなく遠出をしたいと思うことはありませんでした。でも、5段変速機の恩恵は著しく、ローギヤまで下げれば、そんな坂道も登りきることができ、本当に嬉しかったことを思い出します。
風や気候の変化、虫の声や風のざわめき、道に漂う様々な香りや匂い、自分を取巻く自然や街の景色を感じながら、5段変速機自転車を意のままにコントロールし、未だに行ったことのない遠い場所に足を伸ばすのが、中学生の私には、ちょとした冒険であり、本当に楽しい時間でした。
ロードスターなら、少し位寒かったり、小雨位だったら、幌を開けて走りたくなります。そうすれば、運転する自分を取り巻く全てを五感で感じることができ、ドアミラーの死角に入る左斜め後ろの車さえも、その走行音でハッキリと存在を
確認できます。ただし、近年は北海道の夏も蒸し暑く、快適なオープン走行を楽しめる気温は、26、27℃位までです。幌を締めればエアコンが利くので、真夏でもドライブを楽しめます。
確かにスポーツカーとしては絶対的パワーが足りないかもしれませんが、一般道を走る私にはそれで十分であり、有り余るパワーは5段変速機自転車には似つかわしくありません。
仕事では、スポーティーなハイパワー小型SUVを運転していますが、この車では、当てもなくドライブしようという気になりません。しかし、ロードスターなら、ドライブする事自体が喜びになり、自転車で、色々な場所に足を伸ばした、中学生の頃に戻ったような気分を味わえるのです。
中古車で入手しましたが、もしかしたら、自分で運転する最後の車になるかもしれないので、大切にします。