
今日はちょっと変わった、面白い計算をしてみます。
ストップウオッチがあれば誰でも簡単にマシンの馬力をおおよそ算出することが出来ます。
現在装着している純正タービンTD04Lの能力を、ある程度数値化しておきたかったんです。
これからGDBタービンを装着して、どの程度数値が上がるのかを比較しやすいようにです。
用意するのはストップウオッチだけ。
ワタシは2速20km/h→80km/h到達までのフル加速時間と、50km/h→80km/hのフル加速時間を計測しました。
水温80℃
外気温18℃(曇り)
マシンにはサーキット用ホイール4本を満載(笑)
この状態で
20→80km/h 5”24(sec)
50→80km/h 2”35(sec)
でした。
これをグラフにしてみます。

黒線が20→80km/h、ピンク線が50→80km/hです。
グラフ縦軸は時速(km/h)を秒速(m/sec)に変換していますので、
20km/h=5.56m/sec
50km/h=13.89m/sec
80km/h=22.22m/sec となります。このほうが後で計算しやすいです。
線の勾配が加速度になります。
20→80(黒線)が3.179m/sec2
50→80(ピンク線)が3.545m/sec2 です。当然のことながら50→80の方が加速度があります。パワーバンドを使っているからですね。
ここからちょっと高校の数学を思い出してください。
黒線は勾配が3.179、切片(X軸が0の時のYの値)は5.56となります。よって黒線の1次方程式は
Y=3.179X+5.56 となります。
ピンク線は
Y=3.545X+13.89 ですね。
これらを積分します。
黒線 Y(fx)=3.179X2/2+5.56X
ピンク線 Y(fx)=3.545X2/2+13.89X
となります。
この式のXに秒数を代入します。黒線は5.24sec
ピンク線は2.35secを代入。
すると
黒線=72.8
ピンク線=45.3という数値がでてきます。これらが何を意味しているかというと、このフル加速時間中に
移動した距離になるんです。

これはそれぞれの色の枠で囲った範囲の面積なんです。
加速中の走行距離が出ました。これから馬力を算出します。
ワタシのマシンの車検証上の重量は1390kg。ホイール&タイヤ4本満載ですんでおそらく100kg位はありますので、総重量は約1500kg。
黒線 1500kg×72.8m/5.24sec=20839kg・m/sec これは、1秒間に20.8tの重さを1m動かせる力です。
ピンク線 1500kg×45.3m/2.35sec=28914kg・m/secとなります。
1馬力=75kgの物を1秒間に1m動かせる力ですので、それぞれを75で割りますと、
黒線 277.8馬力
ピンク線 385.5馬力
となります。
ええ~!こんなに馬力あるの?
と、ここで喜んではいけません。
実際はアクセルを踏み込んだ瞬間から左下から右上へかけて定加速運動をするはずはなく、最初は勾配が緩く、徐々に勾配がきつくなっていくような二次曲線的な加速をしているはずなんです。(=ターボラグ)
ということは、グラフで囲まれた範囲の面積=移動距離は実際はもっと少ないことになります。
感覚的には5/6くらいになるんじゃないかと思います。
黒線 231.5馬力
ピンク線 321.3馬力
ってトコじゃないでしょうか?
あくまでこれは一定間の平均馬力です。基本的にはパワーチェックの機械も同じような理屈です。しかし、機械はその瞬間瞬間の加速度をリアルタイムにモニターしているので、より正確な瞬間馬力が出るんですね。
ワタシは最初と最後の点しかプロットしていないので加速度が直線になってしまいますが、機械は二次曲線をプロットするはずです。
純正タービンの能力はこんな感じということにしときましょう(笑)
ちなみにTOP写真はなんの関係もありません・・(爆)
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Posted at
2010/05/12 00:01:21