
今日はコンビニで解体作業を行いました。
とても複雑な心境でした。
作業をする間いろいろなことを考えました。
今回の症状を治し、このメーカーの体質とトコトン向き合い、おかしいところは徹底的に直していき、このマシンを本当の意味で完璧に仕上げなおすか? とも考えました。
しかし、また新たなヘンなところを見つけるたびに、やはり降りる意思を固めることとなりました。
技術者のはしくれですので、今回の不具合を定量的に検証してみようと思いました。
3D-CAD(SolidWorks)で解析してみました。
寸法を測ってほぼ同じモデルを描きます。
板厚=4.5mm
タイロッドの穴径=φ12mm
ステアリングロッドの穴からタイロッド穴までの距離=60mm
材質=普通鋼(SS400)
ステアリングロッドの穴の内周を固定拘束(「動かない」と認識させる)します。
タイロッドの丸棒の下のほう(鉄板下面より25mm~30mm離れた範囲)に1000N=100kgfの力をかけると
写真の赤い範囲が
安全率0.495872~1.0000の範囲
となりました。
すなわち、タイロッドに49.58kgfの押したり引いたりする力をかけると、赤い色の範囲のどこからかから曲がり始めるかもしれない、という計算結果となりました。
※(ご注意ください)これはあくまでコンピューター上の計算であり、実物とは違う点が多くあり、この計算結果で「断定」するものではありません。あくまで「傾向性」を「把握」するものです。
この、49.58kgfの入力をどう捉えるか・・・・
皆さんのご判断にお任せいたしますが、
ワタシは、この程度の入力は人間が軽めに蹴飛ばしたくらいで簡単に与えられると思います。
ここにクラックが入り始めると、そのクラックから応力集中(力が弱いところに集中する)が始まり、クラックがドンドン進展していくのです。
今回の症状発生は進行方向左側です。すなわち歩道側ということは、最初に段差を乗り入れたりマンホールの段差が多かったりする側です。
100kgfの力に耐えられるようにするには、この鉄板の厚みを12mm程度まで厚くする必要があるかもしれません。
安全率をどこまで見るかということになりますが、人間の命を守る機械ですから、大いに越したことはありません。しかし、コストが掛かってしまいますから、メーカーは数々の計算と実験を行い、最適の構造を何年もかけて見出すのです。
それを、このメーカーはやっていない可能性が極めて高いのです。
最初からこの計算やっとけよ・・・・っていう突っ込みはなしで(笑)
Posted at 2011/05/15 19:25:17 | |
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