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イイね!
2015年06月09日

賃料を生まない不動産は投資対象としての不動産ではない。




不動産投資は、不動産に投資することではない。

不動産を賃貸に出すことから生じる賃料収入に投資することである。

投資というのは、物にではなく、キャッシュフローに投資することなのだ。

故に、賃料を生まない不動産は、投資対象としての不動産ではない。

不動産の全体が投資対象なのではなく、賃料を生む不動産だけが投資対象なのである。

ならばいっそ不動産ではなく、賃料こそが投資対象だと言った方が頭の整理にはいいはずだ。

頭の整理ではなくて、頭の混乱のもとだというなら、混乱の後に整理がくるとしておこう。

発想の転換とは、そういうものである。

では、不動産の値上がり益については、どう考えたらよいのか。

値上がり益は、賃料ではないが、確かに、不動産投資の一つの目的のようにも思える。

しかし、何が目的で、何が結果にすぎないのかは、もはや哲学の問題である。

発想を転換しよう。

不動産価格が上昇するから、賃料が上昇するのか。

それとも、賃料が上昇するから不動産価格が上昇するのか。

賃料収入が目的だとすると、賃料が上昇するから不動産価格が上昇すると考えないわけにはいかないだろう。

不動産の価格上昇は結果にすぎないのだ。

もしも、賃料ではなくて価格上昇を目的に不動産を取得するならば、それは多くの場合、短期的な転売を目的としたもので、投資というよりも投機になるはずだ。

もともと、投資目的での不動産の取得は、賃料の上昇を見込まないでも投資採算が合う価格でのみ、実行されるものである。

だから、不動産価格(というよりも賃料)の上昇がなくても、定義により、不動産投資は収益を生むのである。

もしも賃料が上昇すれば、価格も上昇し、二つの有利な状況が実現する。

第一は、いうまでもなく、保有し続けたとしても、賃料の上昇分が収益率を高めるということ。

第二は、もしも、譲渡の意思があるならば、取得価格より高く売却できるので、所有期間の利回りを非常に高いものにできるはずだということ。

後の場合は、優れた投資のようにはみえるが、売ってどうする、という問題がある。

仮に価格が上昇したとしても、不動産を所有することの目的が長期的に安定した賃料収入を得ることであるのならば、賃料の上昇だけで十分であろう。

しかし、資産価格の変動は資産毎に跛行する。

同じ資産種類の中でも、個別銘柄、個別物件毎に跛行する。

そこに有利な入れ替えの機会が発生する。価格変化は、そのような機会の提供としてのみ、意味があるのである。


不動産投資は、不動産を賃貸に出すことから生じる賃料収入に投資することである。
賃料収入が目的だとすると、賃料が変化するから不動産価格も変化すると考えないわけにはいかない。

賃料が低下したら、不動産価格は下がる。賃料が低下する事態というのは、二通りある。
一つは、経済環境の問題、即ち、不動産を取り巻く外部環境の影響で、賃料の相場が下落してしまうこと。もう一つは、稼働率が低下することである。

この二つ、稼働率が低下するから、賃料水準も低下する、というような関係で、強く相関している。商業用にしても、住宅用にしても、物件の供給が過剰になれば、空室が生じる。
経済環境の悪化で需要が減退しても、空室が生じる。空室を埋めるためには、賃料を下げざるを得ない。
そのようにして、物件の供給と需要の関係が賃料を規定するのは、一般の経済原則と同じである。


さて、相互規定にあるとはいえ、不動産投資の判断にとって、賃料と稼働率のどちらが、より重要なのか。おそらくは、稼動率であろう。
賃料を下げてでも、100%近い稼働率を維持していれば、キャッシュフローを生み続けることはできるが、稼働率が一定限界を下回れば、賃料キャッシュフローは経費を下回り、投資価値を失ってしまう。
極端な話し、完全に空室になったら、不動産投資としては意味をなさない。

全ての物件が同時に同じ率で稼働率を下げるということはなかろう。
地域、立地、規模、築年数、用途など、一つ一つの建物毎に固有の性格があり、それに応じて稼働率も違ってくるだろうし、外装や共有部分の整備などの管理技術の差もあり、また、立地に適したテナント政策ということもある。
更には、思い切った用途の転換や改装によっても、不動産の価値を高めることはできる。

そのような物件の選択と管理の技術、価値を高める経営の技術こそが、不動産投資が一つの事業として成立するための条件である。

技術だけでもない。東京のあちらこちらで進行中の巨大な開発案件を見ると、もはや、これは単なる開発ではなくて都市改造だな、と思わせる。
普通は、立地条件は与件だが、都市改造のような大規模な開発をすると、立地条件自体が動いてしまう。
価値を高めるという意味では、究極の戦略である。

問題は裏に動く巨額な資金の調達だ。巨大開発を行うためには、巨額な資金を投入する必要がある。そのような資金調達能力もまた、不動産事業には不可欠なのであり、そこに不動産金融の役割があり、不動産投資の機会がある

不動産開発の立場からみたときの資金調達は、投資の立場からみたときには、不動産投資の機会である。
不動産投資は、不動産に投資することではなくて、賃料に投資することであるが、更に一歩を進めれば、不動産投資は、不動産金融の機会に投資することになるのである。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2015/06/09 22:50:54

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