fum.のブログ一覧

コロナ禍のこのご時世
旅ものでも読んで気分を晴らそうかと、手に取った１冊

ストーリー的には
その景色や旅の模様が目に浮かぶ、テンポも良く楽しめる。

ただ、プライベートで旅して、こんなストーリーは出来すぎ。

旅屋としてのストーリーも、最初の１話は練られていて引き込まれるが
その後、２回目から２０回目までの旅が端折られており、干されたレポーターが簡単に旅屋にジョブチェンジしたかのように思えて、物足りない。

最後のストーリーは、作り過ぎ、出来すぎ
読者にそんな感想を抱かせるのはイマイチ。

最初の旅屋のストーリーが、綺麗に纏まっているだけに残念。

★★★

恋愛小説家、村山由佳の15年ほど前の作品

大学講師と大学生、その幼馴染との恋愛を描く淡いストーリー
若者が夢中になるものから、時代背景が伺える

やはり、いま風ではない感が拭えないのは、仕方ないところだが
読み物としては、彼ら彼女らの心情が切なく、不器用さを思い出せるもの


★★★

ほんわかとあたたかく、そして優しい話
世界の珍しい食べ物や飲み物を出す、小さなカフェが舞台


「コージーミステリ」という帯文にふさわしく
毎回の短いお話に少しの謎解きがあり、カフェメニューを読んでいるだけで、世界のお菓子を食べたような気になる

ストーリーそのものに物足りなさも感じたが、世界の食べ物や飲み物を実際に口にしてみたくなったので、良しとしましょうか。


★★★

娘から借りた１冊
ラノベとしては、本も厚めで文字数も多い、読み応えのある１冊

ラノベ特有な稚拙なシーンから物語は始まるが、その後のスリーリーもよく考えられており、背景も目に浮かぶようでページをめくる手が止まらない

登場人物の言い回しがウザいが、それはラノベ特有のもの
少なくとも、ストーリーと文章の構成は、読者を楽しませてくれる

ただ、クライマックスとも云える後半の対峙シーンは、ラノベ全開・・・と言うか、アニメチックな世界を文章で表現するには限界がある
正直、その部分は興ざめ、ツマラン

暗殺者が二十歳という、年齢設定に大きな違和感を感じるが
10代の読者を対象とするなら、これで良いのか

物語として、30代の暗殺者と16～7歳の王女、メイドも22歳ほどの設定なら、シックリくるところ
ラノベの言い回しと表現を改め、少々の設定を変更すれば、大人でも読めるストーリーとなる、そんな物語

ラノベにアレルギーがなければ、おススメ
続編も期待

★★★


手に取ろうと思わせない、捻りのないタイトルは大きなマイナス
編集者を含めて、もう少し考えて欲しいもの

主人公の翻訳するロマンス小説と、主人公自身の物語が同時進行するストーリー。

そんな彼女の私生活で色々あり、イラついて翻訳する小説を無茶苦茶にしてしまう、
翻訳元のストーリーから崩れていく様が面白い。

メインの現実世界の物語は、気負わず、緩く、軽く、相変わらずな三浦しおん節が楽しめる。
主人公に翻訳されるロマンス小説（もはや翻訳ではなく、彼女の創作ともいえるものだが）も、意外にもハマり楽しめた。こっちがメインのストーリーも読んでみたいと思うほど。
ロマンスの世界から逸脱した血みどろの世界、ロマンス小説に真逆な性の嗜好など、作者の趣味全開で笑った。

あとがきも、三浦しおん節で楽しめる。
そんなユルい１冊。


★★★