F1イギリスGPの決勝1周目に起きたレッドブルのマックス・フェルスタッペンと、メルセデスのルイス・ハミルトンによる接触事故。これについては事故後論争を巻き起こしており、レッドブルはハミルトンに対するペナルティが軽すぎるとして再審を請求。これは最終的には棄却されたが、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、ルールの変更によってこのような接触が繰り返されるのを避けることはできないと考えているようだ。
この接触についてはハミルトンに10秒のタイム加算ペナルティが科されたが、スチュワードの報告によると、ハミルトンには”主に”接触を引き起こした責任があるとされていた。つまり、責任の一部はフェルスタッペンにもあると示唆されていたのだ。
ウイリアムズのドライバーであり、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のディレクターであるラッセルは、今回の接触は「間違いなくレーシングインシデント(レース中には避けられない接触)」であると感じており、どちらかに責任を完全に負わせるのは困難であると語った。
「誰が正しいか、誰が間違っているのかと示すようなレギュレーションはない」
そうラッセルはmotorsport.comの取材に答えた。
「これは、ただのレーシングインシデントだ」
「ルイスは常に、最もクリーンでフェアなレーサーのひとりだ。そして明らかなチャンスがあった……だからあのチャレンジに悪意のようなモノは何もなかった」
「ただ結果として起きたことが甚大だった。クラッシュの後、マックスが比較的元気そうであるのを見られて、とてもよかった。こういうレーシングインシデントは、判断するのが難しい」
「僕からすれば、今回は間違いなくレーシングインシデントだった。だからこれ以上明確にする必要はないと思っている」
マクラーレンのダニエル・リカルドも、このラッセルの考えに賛同。接触を防ぐために、そのアプローチの方法を「紙に書いて」ドライバーに提示する必要はないと感じていると語った。
「僕らは長年レースし、そして経験してきたことを通じて、理解しているんだ」
そうリカルドは語った。
「特にF1マシンには、死角が存在する。イン側の1/4は見えないんだ」
「マシンがそこにいる可能性があることは、僕らは皆分かっている。だからそこにマシンがいるのであれば、1台分のスペースを残しておくんだ」
「マックスのオンボード映像を見ると、イン側にはスペースが残っていた。もちろん、彼らは激しいレースをしていたが、コーナーのその段階を見れば、激しくもありつつもフェアだったと思う」
「その事件では、不適切だったと言えるようなモノを見られなかった。結果については、確かに大きな論点になったけどね」
「でも、我々全員がレースのエチケットを理解していると思う。そしていつスペースを塞ぐのか、それとも塞いではいけないのかも分かっている。それについては、かなり明確だと思う」