ニューヨークショーでワールドプレミアされたXVハイブリッド。
先日新宿で行われた技術発表会にもお招きいただいたわけなのだが、今回は発売前のプロトタイプの試乗会に参加してきました。
今回はどこかの媒体で記事を書く為ではなく、あくまで個人ライターとしてお招きいただきました。
場所はFSWのショートコースと外周路。
XV ハイブリッドはすでにあちらこちらで皆さん概要を見ていると思いますが、スバル初のハイブリッドとして注目を集めています。
ハイブリッドシステムはトヨタのTHS-Ⅱとは全く異なり、完全にスバル独自のシステム。
ハイブリッドリニアトロニックと呼ばれるリニアトロニックCVTのミッションケースの後部に13.6ps/65Nmという小ぶりのモーターが追加されたシステム。
一般的にハイブリッドといえばエンジンとミッションの間にモーターが入る物が多いのだが、SUBARUではエンジンの搭載位置の変更を嫌い、さらに既存車種への搭載を考えた上でコンパクトに出来るこのシステムを採用したそうです。
エンジンはガソリン仕様のXVと同じく2.0L 水平対向 DOHCエンジンを搭載。ただし、XVはインプレッサシリーズに搭載されるFB20Aとは異なり、吸気レイアウトの変更やピストン、ピストンリングが変更され、FB20Aよりさらに低フリクション化が施され、圧縮比も10.8へ高められている新設計のFB20Wを搭載しています。
ちなみにエンジン単体のスペックも150ps/20.0kgmとFB20Aと同一ですが最高出力の発生回転数が6200rpmから6000へ下げられています。
つまりダウンサイジングしたエンジンをモーターがアシストするトヨタ式と違い、あくまでスバルはエンジンが主役。技術発表会で富士重工業の松永社長はターボの代わりとして行きたいと発言した通り、エンジンのパワーを補うのがスバルの狙いだそうです。
ちなみに松下製のニッケル水素バッテリーや、インバーター類はサブトランクの位置に低く、薄く搭載され、
パワートレーン透視図を見るとちゃんとシンメトリカルに配置されています。
サブトランク位置に設置されているので冷却はどうするのか気になりましたが、ここは父上のクランハイブリッド同様後席左側に室内からの通風により冷却されるようになっています。
そしてバッテリーに占領されているとおもったサブトランクですが、4Lほどのスペースと工具収納スペースがあり、ブースターケーブルや牽引ロープは収納することができます。さらにベースモデルではトランクボードにフックやストッパーが無い為、手で支る必要がありましたが、ボードの両サイドを折り込んでクオーターウインドウ周辺にひっかけることのできる構造となっており、自立させる事が可能となっています。
ちなみにパンク修理キットは助手席下に設置され、左後席のフットレストとしても使うことができるように足置き性も考慮されたケースの形状となっています。
さて、気になる走りですがエンジンをスタートさせると、必ずエンジンがかかります。THSシステムのようにバッテリー残量がある場合にはエンジンが始動せずEV走行からスタートと言うことはありません。
XVハイブリッドではEV走行をする事も可能ですが、時速40キロ以下、SIドライブIモード、Dレンジの条件がそろって初めてEV走行となります。(アイサイト装着車のエコクルーズモードでは、ハイブリッドシステムやエアコンを統合制御し、EV走行は80キロ以下で作動します)
さらにXVハイブリッドにはEVモードのスイッチは無い為クルマ任せとなりますが、試乗した感じでは不必要なところでEVになったり、走行中に突然エンジンがかかったりといった事がなく、ガソリン車からの乗り換えでも違和感はありません。
ちなみにこのEV走行の航続距離は1.6キロ程度となっているのもエンジンが主役であることが伺えます。ただし、スバルですからEV走行時もAWDで走行が可能です。
発進加速は、車重がベースのXVより約120キロほど重くなっていますが、低フリクション化で滑らかに回るエンジンと、モーターのアシストによりパワフルな加速をします。
ターボの代わりというにはちょっとパンチが足りませんが、ベースのXVの2.0Lモデルよりは力強い加速をします。感覚的には低圧のスーパーチャージャーが搭載されているか、数百CC排気量アップされた感じです。
コーナリングでも強化されたサスペンションや、16Φ→18Φへサイズアップされたリヤスタビライザー、トラバンFリンクの強化ブッシュ、さらに剛性アップのために追加されたステイリアフレームやサポートサブフレームにより、思った以上にきびきびとコーナーをこなしていきます。
そしてベースモデルでは16:1のステアリングギアレシオは14:1までクイック化されています。この数値なんと現行レガシィのツーリングワゴン/B4の14.5:1を上回るクイックレシオ。WRX STI・BRZの13:1に次ぐクイックさです。
ブレーキング時にも一部のハイブリッド車で感じる回生ブレーキの違和感もなく、エネルギーモニターを見ていないと回生している事を忘れますww
ブレーキのタッチも良好で、フロントキャリパーには引き摺り感低減のためにPADクリップにテフロンコートが施されているそうです。
さて、エクステリアですがXVがベースですがXVを含めたインプレッサシリーズの最上級グレードとして登場する予定ということで、各部の質感も向上しています。
ヘッドランプはブルーのポジションレンズが目を引きますが、実はべゼルも専用品でメッキ部分がベースモデルより多いです。個人的にはブラックべゼルの方が好きなので、ベースモデルのヘッドランプの方が好みです^^
ドアハンドルもメッキタイプになっていますが、こちらは既にディーラーオプションで発売されているものと同じです。リヤではコンビランプがLEDになっており、こちらは好印象です。さらにハイマウントストップランプのアウターレンズもクリア化されており、発売されたらレガシィに流用できないか模索中w
ホイールはベースのXVの形状の方が人気が高いようですが、空気抵抗低減の為にスマートのデザインの物に改められています。タイヤはベースモデルとサイズ、ブランドも同一のブルーアースですが、実はハイブリッド専用にコンパウンドを変更し、転がり抵抗を低減しているそうです。
インテリアには専用のメッキリング付きブルーメーターを採用。左側はハイブリッドインジケーターではなく、ちゃんとタコメーターがついていますのでご安心をwww
他にもエアコンダイヤルにメッキリング、スイッチ部にピアノブラック加飾が施され最上級グレードらしい仕様となっています。
シフトレバー周りもSJフォレスターと同一形状のシフトブーツ付きのものとなり、同時にSIドライブのSスイッチもコンソールからステアリングへ移動しています。
シートは専用のシルバーアルカンターラで2.0i-L 2.0i-L EyeSightには運転席、助手席パワーシートが装備されます。
パワーウィンドウスイッチパネルもシルバー調となっていますが、こちらもすでにディーラーオプションにて発売中です。
最上級モデルとして遮音にも力が入れられており、ボンネットインシュレーターやトーボードインシュレーター、ルーフやピラートリムなどにも吸音材が追加されています。
ちなみにこのプロトタイプのプレートはアプライドモデルCとなっていたので、XVやインプレッサシリーズもC型へ変わる可能性がありますね。
XVハイブリッドの発売は6月24日に予定されており、すでにディーラーでは先行予約も受付中。
気になる価格は2.0iが249万9000円、2.0i-Lが267万7500円、2.0i-Lアイサイトが278万2500円となる模様。
あと1か月でディーラーにも試乗車がやって来るので、是非皆さんも試乗してみてはいかがでしょう?
SUVだろ?ハイブリッドだろ?と甘く見てると、かなり裏切られますよ^^
走りの楽しいハイブリッドのヒミツに迫る。【XV ハイブリッド プロトタイプ試乗レポート】
http://clubrz.jp/article/?p=1109
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http://car-research.jp/subaru/xv-hybrid-3.html