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2018年12月15日

三式戦闘機 飛燕!

三式戦闘機 飛燕!
今日は、今年3月にリニューアルオープンした岐阜県各

務原市の航空宇宙博物館に行ってきました。

今回で通算3度目となりますが、、

お目当ては勿論、今年レストアされた・・

旧陸軍三式戦闘機飛燕であります。

実はこの機体、実は10年前に九州の知覧特攻平和記念会館でお目にかかっております。

当時の機体は戦後に施された緑色の斑迷彩で、応急的なレストアが施されていました。

今回、約1年かけて生みの親である川崎重工業の手により、限りなくオリジナルに近いレストアを

受けて蘇りました。


↓日本機らしくないスマートな機体とファスト・バック・スタイル。



WW2当時、ほとんどが空冷エンジンを装着した、そう、ずんぐりとした日本の戦闘機の中で、

唯一、液冷エンジンを装着してスマートなフォルムをしています。

大戦中、連合国でのコード・ネームはTONYです。

どうやら・・、

イタリア製の機体をコピーしたものと勘違いしてイタリア人男性の名前を付けたみたいです。

(当時、日本の戦闘機には男性名、爆撃機には女性名をコード・ネームとして付けていた。)

子供の頃、この三式戦飛燕のことは、

スマートな戦闘機であり、液冷エンジンの多い連合国戦闘機によく似たフォルム程度にしか思って

いませんでした。


大人になり、エンジンのこと、機体や空力のことを知るうちに、この機体が如何に素晴らしいもので

あるのか知るようになり、強く興味を持ち始めました。

あまりにしつこく熱心に見ているので、、

傍らにいた警備員の方が声を掛けてくれ、あれこれとお話を伺うことができました。

(展示物の説明ができる警備員さんて素晴らしいです。プロ中のプロです。)

しかし、残念ながらこの飛行機、肝心要のエンジンは純粋な日本製ではありません。

同盟国であるドイツのメッサーシュミットBf109のエンジン、

ダイムラー・ベンツDB601のコピーであります。

↓ドイツ製エンジン、ダイムラー・ベンツDB601のコピーであるハ-140発動機。


当時の日本の技術では、オリジナルで液冷エンジンを作る技術はありませんでした。

察するに・・

V型12気筒エンジンのクランク・シャフトを作る鍛造の技術が低かったのだと思います。

故に、他の航空機は構造の簡単な空冷星形エンジンばかりですね。

(海軍の彗星艦上爆撃機等を除く。)

↓懐かしいT2ブルー。尾翼に号機が記されてないので予備機だと思われる。


このDB601型エンジンについては、面白いエピソードがありまして・・

陸軍と海軍がこぞってドイツのメッサーシュミット社に図面の買取りを申し出たのです。

よって、それぞれがメッサーシュミット社に特許料を支払い購入しているのです。

おバカ!

これを聞いたヒトラー総統は腹を抱えて笑い、

「日本国としてメッサーシュミット社から買えば、特許料は1契約で済むではないか!」

「日本の陸軍と海軍は仲が悪いのか!?」


ヒトラーさん、ご名答です。

(くだらんことでいがみ合いばかりしていました。)

そして、このエンジンにはもう一つ凄い技術が投入されています。

ライバルのスピット・ファイアやP51ムスタング、P40、P39等がキャブレター装備であったのに対して、

このエンジンは空中戦でのGや背面飛行を考慮して燃料噴射装置を装着していたのです。

まぁ、WW2に於いて、既にジェット戦闘機ロケット兵器を飛ばしていたのもドイツだけ

でしたから、このレベルのものは科学でなく技術でしかなかったとは思いま

すが・・。

↓他にもノスタルジックな複葉機も展示されていました。


原型を留めているDB601エンジン、もとい、ハ-140型発動機をじっくり見れたのはメカ好き

として至福
でありました。


因みに海軍ではこのエンジンDB601のコピーを彗星艦爆と特殊攻撃機晴嵐に搭載して、

アツタ発動機として採用していました。


今回は同伴者がいるので、観覧時間は2時間内に抑えることにしました。

それでも、大半はこの飛燕の周囲をうろうろしておりました。


過去に見た展示物には目もくれず、他には新たに拡張された宇宙区画を回ってきました。

↓H2ロケットのエンジンです。


以前に来た際、H2ロケットの衛星収納部が展示してあったのは覚えていますが、エンジンは

なかったと記憶しています。



2階の宇宙コーナーはかなり充実していました。

嗚呼、本日は、メカ・オタクとして誠に幸せな1日でございました。

↓途中から退場、喫茶室でまったりとした時間を過ごすカノジョでした。
ブログ一覧 | ミリ・オタ記 | 日記
Posted at 2018/12/15 22:47:37

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kuta55さん

この記事へのコメント

2018年12月16日 15:07
大変お勉強になりました👍
コメントへの返答
2018年12月16日 15:42
毎度❗️

これから考えても、、
日本の技術は欧米に比べてかなりの差をつけられているのですよ。

残念ながらルマンおじさんの好きな戦車の博物館は、日本には無いのですね〜
2018年12月17日 1:09
(* ̄▽ ̄*)ノ"

飛燕はレストア完了後に神戸のカワサキワールドに展示されてたんですが、知るのが遅くて見逃しました。
これはぜひ見に行きたいヤツの一つです。
コメントへの返答
2018年12月17日 1:36
こんばんは!

そう、カワサキワールドで展示されていましたね。三式戦は各務原で主に生産されてたみたいです。里帰りですね。

展示物は、機体とエンジンの他、ラジエータや落下タンクなどありました。ラジエータのでかいこと。落下タンクが木製なのには驚きました。

好きな人には結構見甲斐がありますよ。
2018年12月17日 9:14
おはぁ~

過去も現在も官僚のつまらない面子で日本の国益をどれだけ失ったのかを検証して欲しいですね
コメントへの返答
2018年12月17日 13:01
毎度です。
セクショナリズムですか⁉️
これをワタクシに言わせるならば、、
元は徳川幕府の幕藩体制確立の為の、親藩、譜代、外様大名の区分から始まったと思います。
士農工商穢多非人の差別もこの時代から始まったと考えております。
そうです、
長期的な平和は腐敗を加速させるのです。

プロフィール

「斉藤国土交通大臣の英断に拍手👏
この際だから、徹底的に膿を絞り出して欲しい❗️」
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