トライアンフ・スピットファイアー1500です。
1992年当時に手に入れました。
当時は比較的程度の良いスピットファイアーが安く手に入って、確か40万円ほどで購入しました。
キューベルワーゲンを除けば僕にとっては最初のオープンカー。
ロータスエランS4FHCの時からのオープンへのあこがれが手に入ったわけです。
もちろん、旧車の知識はあったので、スピットファイアーの決して良くない評判も、実際に乗って確認したいと思ったことも事実です。
トライアンフのバイクへの興味とイギリスの名機スピットファイアーの名前を冠したスポーツカーの真の姿をおこがましくも確認したいと思ったのがもう一つの手に入れる動機でした。
古い車をいろいろと乗ってくると、同時にファーストカーとして現行車にも乗っているので、素人目にはその車の価値と性能を判断する基準をどこに置くかが、自分でもわからなくなります。
所有してみると、評判通りトラックのシャーシの上に乗せたスポーツカーという旧態然としたクラシックスポーツカーでした。
ブレーキ性能は、この車には十分なもので危険を感じることはありません。
そもそも、現代の標準でのコーナリングスピードに達することは、エンジン性能もあってむつかしいと思いました。
エランに乗った経験があると、判断基準が高くなってしまってスピットファイアーには可哀そうな気がします。
確かに、旧態然としたスポーツカーで、スピットファイアーというよりはハリケーン(共に英本土防空戦で名をはせた戦闘機です。ハリケーンはボディ布張りですが、頑丈な航空機です)名付けた方が正しいという感じのスポーツカーでした。
整備性は、僕の古い知識を完璧に利用できる機構と、前ヒンジでフロントカウルがすっぽり開いて、メカをいじるという点だけでも完全に満足できた車です。
前に立ったフロントウインドウは現代のオープンカーでは想像もつかないほどの解放感です。
これはイオスの6つに分けて収納するルーフの解放感でも到達不可能な解放感です。
トップスピードは100km以上を維持するのはやっとという状態で、SAABクラブでの十和田湖へのツーリングでは、東北からの帰りの高速道路サービスエリアをスピットファイアーだけ先に出発して、ほかのサーブは僕が次のサービスエリアにつくまでに追いついてしまうというトップスピードの無さでした。
それでも、普段いつ止まってしまうかという外車への不安は、単純な機構なので心配がなく。エンジンルームの風通しもよくて、ラジエターコア増設の必要も全くない安心できる車でした。
オープンでの走行は楽しく、オープンでチェック柄のハンチング帽を前後反対にかぶって、巻き込む風の中、運転している僕を見て、見ず知らずのクラウンがしばらく並走し、乗っている子供たちが手を振ってくれたりと、おそらく景色になる車です。
圧倒的な着座位置の低さと、短い車幅とほぼダイレクトなハンドル感で世田谷の細道でも安心して走れた楽しい車でした。
Posted at 2021/05/05 00:00:09 | |
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