
昨日行われたF1バーレーンGPにてショッキングな大クラッシュがありました。
ネットニュースでもかなり話題になっていたので知っている方も多いかと思います。
ハースのロマン・グロージャンがアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトとスタート直後に接触。
そのままコースを大きく外れてガードレールに激突、爆発炎上という最近ではあまり見なかった衝撃的なクラッシュでした。
リアルタイムで観てましたが、正直、「あ、ダメかも」と思いました。
マシンはエンジン側とドライバー側で真ん中から真っ二つに割れ、ドライバー側はガードレールを突き破って向こう側に抜けていましたし、凄まじい爆炎を上げて燃えていたので普通ならとても生きていられるような条件ではありませんでした。
しかし、奇跡的にグロージャン は無事でした。

燃え盛る炎の中から自力で脱出してガードレールを乗り越えてコース側に戻って来ました。
彼は何故無事でいられたのか?
まさにHALO(ヘイロー)が彼を護りました。

ドライバーの前に付いてるT字の、まるでビーサンの紐のようなバーがHALOです。
グロージャンは3段ガードレールの2段目を突き抜けていましたが、HALOがあったので奇跡的にガードレールが頭部を直撃するという最悪の状況を回避できました。
もし、HALOが無ければガードレールが彼の首を…これ以上はやめておきます。
HALOは完全にヘルメットより上にくるように設計されているのでこれにより生存スペースが確保できます。
まるで飛行機の墜落現場のような凄惨な写真ですが、赤くマークアップした箇所を見ると分かるように、HALOがしっかりガードレールをブロックしています。
このHALOですが、装着が義務づけられた2018年当初はファンはもとより、当のドライバー達やチーム関係者からも不評でした。
下駄やビーサンの紐のような決してスタイリッシュとは言い難い見た目、チタン合金で取り付けると14kgもの重量増しになる重さ、そして前方視界の悪さ。

はっきり言って邪魔です(笑)
しかし、今回のクラッシュでその必要性ははっきりと示されたのではないかと思います。
自分もかつては反対派の人間でしたが、昨日のクラッシュでHALOの存在意義を強く思い知らされました。
F1をスポーツとして楽しむためには、安全性の向上は、エンジンパワーの向上や環境性能の向上よりはるかに重要です。
F1をこれからもスポーツとして、エンターテインメントとして楽しむために1番大切なのは何かを考えさせられた週末でした。
命は誰のものであっても尊い。
グロージャン が無事で良かった。
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2020/11/30 17:52:48