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2012年02月13日

エンジン車とHV、EVの総合効率。

エンジン車とHV、EVの総合効率。  MT難民を自認する私ですが、(何度も書いて来た様に)それは適切な操作をすれば、既存のATに対して効率、コスト&重量、信頼性そして何よりドライバビリティにおいて未だにアドバンテージを有すると思うからであり、本来であれば変速機など無いに越した事は無いと考えています。

 エンジンが出すことの出来るトルクは、クランクシャフト1回転当たりの吸気量にほぼ比例します。ターボ過給等の方法はあるにせよ、基本的に1回転当たりの吸気量はシリンダの行程容積(≒排気量)に支配され、全回転域に亘ってほぼ一定のトルクしか出すことが出来ません。
 出力=トルク×回転数であり、一定のトルクしか出せない動力源であれば出力は回転数を上げて稼ぐ他ありません。したがってエンジンを動力源とする自動車は、おしなべて変速機の助けに依らなければまともに発進すら出来ないのが現状です。
 対するEVの動力源であるモータの発生するトルクは電流値に比例します。モータは低回転から大電流を流す事が出来るので低回転から大トルクを発生する事が出来、変速機がなくても自動車として満足な動力性能を得ることが出来ます。

 私は幸いにもモータを動力源とする日産リーフを自由に乗り回せる境遇に恵まれ、その右足に忠実なドライバビリティにいたく感動し日記にも書かせて頂きました。しかし考えてみれば当然ながら、化石燃料→火力発電→送電→充電→EV走行に至るまでのトータルでのエネルギー効率は果たして本当にエンジン車に優るのか?という疑問にぶち当たります。リーフを日記に採り上げた当時は私も知見がなく、コメントでのご指摘に対し的確な返答が出来ない状態でした。
 しかし、いつも拝読させていただいているクルマとエネルギーと地球の未来と...で素晴らしい資料を拝見致しました!
ガソリン自動車の『エネルギー変換効率』これによると、原子力発電に頼らずともガスコンバインドサイクル発電で総合効率は31%にも達します!旧式な石炭火力でも22%。それに対しコンベンショナルなガソリン車は10%、ガソリンハイブリッド車で15%に留まっています。

 ここで、該ブログの著者さんも触れられている「しかし、ガソリン内燃エンジンの効率としては『30%』という数値が広く知られています。」について検証してみましょう。
 同じく私が拝読させて頂いているEine bequeme Reiseエンジン特性と車両走行燃費を参照ください。
 「燃料消費率等高線」のパラグラフに、OPEL社のポート噴射、自然吸気2リッター4気筒機関の燃料消費率マップが載っています。これによると本機関で最も燃料消費率(1kW×1hの仕事をするのに必要な燃料質量g)が少なくなるのは3,200rpm、負荷率は85%付近(全負荷BMEP=1.12MPaに対し、0.97MPa近辺)、その値は240g/kWhという事が解ります。
 燃料の持つ熱エネルギ(低位発熱量)は概ね44MJ/kgですので、240g/hの燃料が発生できる熱エネルギは10.56MJ/h。1ジュールは1W×1sec.の仕事と等価ですので、1sec.当たりに直すと2.93J/sec.=1W/sec.。1Wの仕事をするのに2.93Wのエネルギが必要という事ですから、熱効率は1÷2.93=0.34、つまり34%という事になり「ガソリン内燃エンジンの効率としては『30%』という数値が広く知られ」は概ね妥当と言う事が出来ます。
 ちなみに添付の画像はMFi誌 vol.59から引用した、現行プリウスに搭載される2ZR-FXE型機関の等燃費マップ。ミラーサイクル(トヨタは「アトキンソンサイクル」と呼称。)とクールドEGRの効果で最小燃費率は220g/kWh(濃い青色の領域。熱効率は37%)に達しています。更に偉大なる試行,Great Traials of VW/Audiには2.0TDiの燃費率マップが掲載されていますが、ディーゼルならではの高膨張比と過給ダウンサイジングの効果で最小燃費率は実に194g/kWh(熱効率42%)にも達している事が解ります!

 しかしこれも何度も触れていることですが、エンジンは常に燃料消費率が最小となる領域で運転される訳ではありません。殆どの状況に於いてエンジンは出力を絞られた状態で運転されています。出力を絞るにはスロットル弁を閉じますが、この様な状況下ではエンジンを窒息させながら仕事をさせているに等しく、空気を吸入するために消費される無駄な仕事(ポンピングロス)が生じます。
 またエンジンには摺動部位が多くあり、クランクシャフト回転に伴う摩擦損失(フリクションロス)を生じますが、スロットルを閉じて出力を絞っても摩擦損失は回転数に支配され殆ど変動しません。極端な話アイドリング状態とは燃料の熱エネルギが全てポンプ損失と摩擦損失に消えている状態(熱効率0%)であり、エンジンブレーキ状態とは車両の運動エネルギを消費して、ポンプ損失と摩擦損失に抗ってエンジン回転を維持している状態(熱効率はマイナス)に他なりません。
 例えばCd値0.33、前面投影面積2.2m^2のクルマが無風状態の平地を60km/hで巡航する時、エンジン出力は僅か6kW程度しか必要とされません。この時のエンジン回転数が1,900rpmとすると発生トルクは僅か31Nm、BMEPにすると約0.2MPaです。ここで先に見たOPEL社製2リッター4気筒機関の等燃費マップと照らし合わせると燃費率は400g/kWh(熱効率20%)まで悪化してしまいます。60km/hで坦々と走り続けてもこの有様ですので、ゴーストップを繰り返すリアルワールドでの熱効率が10%まで低下してもおかしくないでしょう。
 プリウスに代表されるHVが、エンジントルク→発電→充電→モータ駆動という損失を伴いながらもコンベンショナルなガソリン車に燃費で優るのは、上述の通り元々のエンジン最小燃費率(最大熱効率)が優れる事に加えて、エンジンを常に燃費率の低い状況下で定常的に運転出来る(添付画像の太い青線に沿った領域でしか運転しない。)からなんですね。

 長くなったので、今日はこのへんで。。。
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Posted at 2012/02/13 23:24:23

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